こんばんは。
「地方発ドキュメンタリー」です。
今日は学力日本一と言われる小学校のお話。
ここは秋田県の山の中。
その学校はあの霧の向こうにあります。
いってらっしゃい。
新学期。
子供たちを大型バスが迎えます。
奥羽山脈の麓秋田県南部の東成瀬村です。
村の9割は山林。
なんでも山には仙人がいるんだとか…。
だから通うのも一苦労。
遠い子はバスで40分もかかります。
あっようやく着いたみたい。
ここが「学力日本一」と言われる東成瀬小学校です。
おはようございます。
全校児童114人。
各学年1クラスの小さな小学校です。
毎年6年生を対象に行われる全国学力テスト。
秋田県は6年連続でトップクラスの得点を挙げています。
その平均点を更に大きく上回っているのが東成瀬小学校。
国内だけでなく海外からも教育関係者が視察に訪れる今注目の小学校なんです。
新5年生の教室です。
学力テストを1年後に控えた34人の児童。
一体どんな授業が行われるのか。
のぞいてみる事にしました。
(先生)おはようございま〜す。
おはようございま〜す。
おはようございま〜す!
(子供たち)おはようございます。
挨拶が少なくてちょっと不服そう…。
去年からこのクラスを受け持っています。
おはようございます。
算数の先生がやって来ていよいよ授業開始。
この日は小数の掛け算です。
苦手な子が多そう…。
あれ?計算の途中なのに…。
授業終了の10分前せっせと動かしていた鉛筆を置いて何やら手を挙げ始めました。
子供たちが授業を通して気付いた事を発表し合う「ふりかえり」です。
単に「何が分かったのか」を発表するだけではありません。
「どのようにして分かったのか」を説明します。
(拍手)東成瀬小学校では全ての学年全ての授業で最後の10分間をこの「ふりかえり」に充てています。
「ふりかえり」の徹底。
その目的は授業の内容を理解させる事ではありません。
一美先生が始めた「サイコロスピーチ」。
毎朝一人出た目に応じてお題を決めます。
「発表する力」はもちろん「人の話を聞いた上で意見を返す力」も養う。
それが豊かな思考力や想像力を育むと一美先生は考えています。
「学力日本一」と言われて久しい秋田県。
しかしかつては学力の低迷が課題でした。
中でも厳しい現実に置かれていたのが東成瀬村などの山間部。
子供たちは閉ざされた人間関係の中で暮らしていました。
長年村の学校教育に携わってきた鶴飼孝さんです。
40年前東成瀬中学校の卓球部顧問だった鶴飼さん。
部員たちが遠征の際都市部の生徒にものが言えなくなってしまうもどかしさを感じていました。
ヨーロッパの事例をモデルに鶴飼さんが推し進めたのは積極的に意見を言い合う事。
お互いの考えを深め合い自信をつけさせるのがねらいでした。
新学期が始まって1か月。
朝のサイコロスピーチでの事でした。
違うでしょ?はいピッ手を挙げます。
このところ「ふりかえり」でも意見が出なくなっていました。
(一美先生)何でどうしてそんななってる。
もう〜!上らないで下さいって言われたのに。
やっぱりリクくんだったかみたいな。
ううん何にもないです。
何にもないっていうかなんかねやっぱり…あっごめんなさい。
やっぱり毎日過ごしてると何かこう学級の空気とか雰囲気とか子供の表情で何か違ってきてるかなとかって思う事ってありますから。
そこが何なのかなってちょっと…。
もしかしたら不安に思ってる事とか何か…。
5年生ともなればそろそろ思春期。
友達の目が気になり始める年頃です。
一美先生は学級会を開く事にしました。
(一美先生)発表するのがなかなか怖くて苦手っていう人正直に手を挙げてみて下さい。
ふだんあんまり発表できないよっていう人。
メイさんは発表できるって事ですね。
手が挙がらないから。
ピッと手を挙げて。
はい手を下ろして下さい。
じゃあなぜ発表できないのかという事です。
「発表している人の気持ちになって考える」。
みんなの目標がはっきりしました。
翌朝。
黒板には「やさしく話すあたたかく聞く」。
一美先生がみんなで決めた目標を心に刻んでほしいと書きました。
でも挨拶したのは2人だけ。
相変わらず…。
えっと僕は昨日…。
クラスメートが発表しているのにどこかうわの空。
(チャイム)一美先生が担当の社会です。
始業時間をもう10分過ぎています。
(子供たち)はい。
(チャイム)
(取材者)何をするんだって?はい。
賛成。
(話し合う声)意見はありませんか?はい。
ふざけてんの?よっ!
(チャイム)これ誰のですか?はい。
静かに!静かにして!もう一回話し合って下さい。
(皆川先生)じゃあ給食食べないで話し合えって言うと思う?失礼します。
一美先生とカオル先生に用事があって来ました。
(子供たち)失礼しました。
(リサ)二班からでは…相手に言われる前に挨拶する。
行動を素早くする。
丁寧な文字で書くです。
三班で話し合った事は丁寧な字で書くと恥ずかしがらず発表をと周りの空気を読む。
(一美先生)聞こえないんだな。
心に届かない。
(子供たち)みんなのため。
(取材者)どうすればいいかね?これから。
(取材者)今度それみんなの前でちゃんと言ってみたら?4日間の連休が明けて…。
(取材者)おはようございます。
おはようございます。
(子供たち)おはようございます!はい。
(一美先生)何人かいますね。
ちゃんと手を挙げて下さい。
なんとこの日も2時間割いて話し合う事になりました。
終了間近。
立ち上がったのはふだん内気なミハルちゃんでした。
こういうなんか…。
(子供たち)せ〜の…。
(拳をたたく音)
(男子)痛〜い。
(ミノブ)静かにして下さい。
(ミノブ)せ〜の。
(一同)ヨーシ!さようなら〜。
国語社会理科音楽。
学級会のために充てた授業は実に7時間にも及びました。
潰して。
フフフ。
そうですね。
こんなにはあれなんですけど仲間がいるから自分の支えになる。
あの時はああやってみんなと話し合ったからとか乗り越えたからっていうふうな事がまた外に出ていった時の子供たちの力になってくれれば少しでもいいかなっていうふうに思いますね。
はい。
みんなしっかり頑張るんだよ!信じてるからね!2014/06/10(火) 00:40〜01:25
NHK総合1・神戸
地方発 ドキュメンタリー「学力日本一 踊る教室」[字]
全国学力テストで、6年連続日本一の秋田県。その中でも、秋田県の平均点を大きく上回り、国内外から年間300人の視察が訪れる小学校がある。その新学期に密着する。
詳細情報
番組内容
全国学力テストで6年日本一が続く秋田県にある、東成瀬村の東成瀬小学校。独自に行った学習意欲実態調査では、「授業についていけない」「学校がつまらない」といった“声”が4年生から5年生になると倍増、“5年生の壁”が明らかになった。この“壁”をどう乗り越えるか。番組では、5年生の新学期に密着。日本中で学力向上が競われる中、本音をぶつけ合い、学力の根っこに潜む“意欲”を引き出そうとする教室を見つめた。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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サンプリングレート : 48kHz
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