きょうの料理 おばあちゃんに教わる保存食「にぎやか梅酒」 2014.06.11

藤巻あつこさん92歳。
梅干し作りの達人です。
ちょっと食べてみようかね。
おいしいですよ〜。
う〜ん。
こちらは藤巻さん自慢の名付けて「梅蔵」。
棚に所狭しと並んでいるのはこの道70年こだわりの梅干し。
そして…なんと230種類にも及ぶ自家製の果実酒です。
中でも自信作が梅酒にプラムなどを加えた「にぎやか梅酒」です。
初夏に出回り始める青梅を焼酎に漬け夏に向けて果物を足しエキスが溶け出すのを待ちます。
秋にはそれぞれが溶け合ってなじみ冬を過ぎると琥珀色になりやがて飲み頃を迎えます。
飲みやすいですものすごく。
ひょっとして造る人がいいからかな?かもしれません。
そうでもないけど。
年末には「にぎやか梅酒」の梅と果物を取り出してジャム作り。
自慢の梅干しと共にお世話になった人々に心を込めて贈ります。
皆さんの喜ぶ顔が見たいだけ。
おいしさの追求は全て喜んでくれる人のため。
梅酒を巡る藤巻さんの一年を追いました。
去年4月青梅にはまだ早いこの時期に藤巻さんの梅仕事はもう始まっていました。
向かったのは自宅の裏にある八重桜の木です。
花はまだ3分咲き。
しかしこの3分咲きの八重桜の花こそこの年初めての梅仕事には欠かせません。
これがいいわね。
届かないからこうやると届くでしょ。
だから傘が一番大事。
傘ね。
藤巻さん八重桜の花の茎がバラバラにならないよう根元から丁寧に摘んでいきます。
花は洗って塩をまぶしたら潰さないように容器に並べていきます。

(笑い声)ここで登場するのが「白梅酢」。
花を漬けると色や風味がそのまま保てるのです。
この年初めての梅仕事です。
5月この日藤巻さんが心待ちにしていた青梅が届きました。
まだ熟していない青い梅の実。
これが梅酒造りに向いています。
触って実が締まってるかどうか感じる。
(スタッフ)「実が締まっているか」?締まってるといいんですか?雨の多い時には水分が多いから持った感触が違います。
(スタッフ)皆さんは分かるんですか?多少の差は分かりますけど…。
私は分からない。
この人は長いですからね。
長くないです。
(スタッフ)毎年触ってたら分かるようになるんですか?なりますよ。
一年一遍ですけどね。
やっぱし数いっぱいやってると自分のこの手が覚えててくれるから。
自分の脳の方は駄目でもね手が覚えといてくれるんで助かるわけ。
(笑い声)体は正直です。
うん。
そうそう…。
それで中に入る…梅酒造りの始まりです。
まずは青梅を優しく洗います。
長くぎゅうぎゅうやらないように。
ちょうど赤ちゃんの肌こういうふうに触るようにそんな気持ちでなされば大丈夫だと。
水けをよく拭き取ったら梅を傷つけないないようになり口を丁寧に取ります。
ここから梅のエキスがお酒に染み出していきます。
続いては梅酒を漬ける瓶の消毒です。
熱湯を使って消毒するのは梅酒の保存性を高めるためです。
瓶の蓋も忘れずに熱湯消毒します。
細かいものは水から沸騰してから5分。
それでないと滅菌できないので。
消毒の方法やなんかはやっぱし医者のうちに生まれてるので器具の消毒やなんかをしょっちゅう見てたのでそれで覚えたんですけどね。
梅を一つずつ丁寧に瓶に入れていきます。
梅同士がぶつかって皮に傷がつくと梅酒が濁る原因となります。
梅酒を漬ける時に使うのは氷砂糖。
ゆっくりと溶けこくのある甘みを生み出します。
長年の経験から藤巻さんはその年の梅の持っている水分量を見極め砂糖の量や種類を変えるのだと言います。
お砂糖の種類いろんな会社があるでしょう?それ会社別に使って実験した事あるんで。
味とこくが違うの。
(スタッフ)他は全部同じものを使っても違うんですね。
そうそう。
お砂糖だけで味が左右される。
注ぐのは焼酎です。
漬ける瓶の半量ほどが目安です。
お酒に漬けた梅をじっと見つめていた藤巻さん。
その優しいまなざしには梅への愛情がにじみ出していました。
かわいいというかきれいというか。
すごいですよね。
70年の長きにわたり梅干しや果実酒作りに懸けてきた藤巻さん。
おいしさを求めて試行錯誤してきた成果がこの「梅蔵」です。
22歳の時結婚を機に本格的に始めた梅干し作り。
毎年梅の種類や塩の量などを変えながら味を追求してきました。
家族を喜ばせるために造り始めたという果実酒もその数なんと230種類。
中でも藤巻さんがこだわってきたのは複数の果物を加えて造るオリジナルの梅酒です。
誰にでも飲みやすい芳醇で華やかな味わいを目指し試行錯誤をしてきました。
日々実験と観察を繰り返す藤巻さん。
そんなある日の事です。
あのね余った…瓶に入りきらないのを全部小瓶に入れてあるでしょ。
それを全部調合してねどんなお酒が出来るか実験してる最中です。
(スタッフ)実験?結構おいしくなるんで。
古い梅酒と新しい梅酒を混ぜてしまおうという藤巻さん。
おいしさで人を驚かせたい。
好奇心は膨らむばかりです。
20年以上たってる。
多分これ甘いんでしょうと思うの。
この色が黒くなって。
お砂糖がいっぱい入ってるとどうしてもこういうふうに化学変化起こしますね。
色が黒くなって。
そして年数がたってる方がおいしいですね。
古い方が。
だから20年以上たったのが一番おいしいんじゃないかしら。
お料理に使ってもおいしいですもん。
青梅を漬けて1か月。
あんずなど梅酒に合う果物が出回り始めました。
氷砂糖が溶けていたら果物を加えてもいい合図。
今回はソルダムあんずと2種類のプラムを加えます。
同じバラ科同士だったらけんかしないだろうと思って。
それを出た順にお店で見かけたなっていう時買ってらしてそれを順々に。
今日全部入れなきゃいけないとかいうんでなくてあった時に買ってきて入れましょうっていうそういう感覚で入れて下さればいいし。
果物を加えたら焼酎と氷砂糖も足します。
焼酎の量は瓶の8分目が目安。
あとは時間がたつのを待つだけです。
5月に始まった梅酒造り。
6月にはさまざまな果物が仲間入り。
梅果物砂糖焼酎が溶け合い始めた夏。
冬には全てがなじみ透明感のある琥珀色の梅酒になりました。
年末。
藤巻さんの家を訪ねるとお世話になった人に贈るための「梅ジャム」作りが始まっていました。
使うのは3年前の「にぎやか梅酒」から取り出した梅と果物。
味がなじんでいるので甘みもまろやかです。
果物の甘みを生かして砂糖は控えめに。
お酒ならではのこくと豊かな香りも生かします。
藤巻さんジャムは煮込まずにレンジの中へ。
おいしさのポイントは3年以上漬けた果実を使う事です。
梅酒の方からもう実を取り出した方がいい時期に来てる時は取り出してちゃんとした消毒した瓶に入れとけば腐る事も何にもかび生える事もありませんのでそのまま室温に置いて。
それで時間があった時にジャムを作る。
そういう感じで。
へらで種を外しながら実が滑らかになるように混ぜます。
レンジに数回かけてもったりした状態を目指します。
冷めると堅くなるので少し緩めな状態がベスト。
さてお味はいかがでしょうか?おお危ない。
甘いわね。
そうですか。
甘い?「にぎやか梅酒」を造らないと出来ない華やかでこくのある「梅ジャム」。
藤巻さんならではの贈り物です。
藤巻さんが「梅ジャム」と併せて年末に贈るのがその年に漬けた梅干しです。
これでいいかな。
これ持って…。
先生もう一つはい!袋に入れましょう。
うん?袋に入れましょう。
そうね。
あっちに持ってって…。
贈る前に梅干しに一工夫加えるのが藤巻さんのこだわりです。
一粒一粒丁寧に桜の葉の塩漬けでくるみ梅に香りを移します。
手間をかけて作った梅干しには最後の最後まで手をかけます。
ここで春に摘んだ「八重桜の梅酢漬け」の出番です。
梅酢で漬けておいたので色も風味もそのままです。
季節の香りを大切に届ける藤巻さんのアイデアです。
「梅さくら」。
贈られた誰もが感嘆の声を上げる梅干しです。
贈り物に添えるラベルには一筆一筆思いを込めて。
今年も無事に梅仕事を終えた事を知らせる藤巻さんの便りです。
お世話になった人の笑顔を思い浮かべながらお手製の袋に似合いのリボンを選びます。
これが3セットでしょう。
一つずつで。
あと「にぎやか梅酒」の中から取り出したジャムがあってそれをちょっと…。
これは初めて今年お分けするんですけど。
それからこれは潰れた梅を梅肉にしてそれでそれを入れて5点セットでお贈りするんです。
例えば体が弱くて病院の生活が長い方なんかですと梅干しよりは梅肉をたくさん入れたり。
それ病院に持っていって瓶に入れておくとちょっとお茶の時こう取って。
とってもよかったよかったっておっしゃって下さるんで梅肉をお贈りしたりとか。
今年一年を振り返りながら準備する梅の贈り物。
藤巻さんの梅仕事の締めくくりです。
4月藤巻さんの裏庭に今年もまた八重桜が花をつけ始めました。
新たな梅仕事の始まりに喜びをかみしめる藤巻さんです。
はいありがとう。
去年漬けた「にぎやか梅酒」。
漬け始めておよそ1年がたちました。
まばゆいばかりの透明感のある琥珀色。
香り高く風味豊かな「にぎやか梅酒」の出来上がりです。
一年間梅仕事を共にしてきたお弟子さんと味わってみる事にしました。
匂い嗅いで…。
匂いでもう酔っ払いました。
いい香りと…。
どうですか?1年目とは思えないぐらいにまろやかですし焼酎の臭みも抜けちゃってるから飲みやすいですものすごく。
ひょっとして造る人がいいからかな?かもしれません。
そうでもないけど。
梅酒の味にほころぶ身近な人たちの笑顔を見て92歳の藤巻さんまたまたやる気がわいてきたみたいです。
もう今はね生まれ変わってきた時の事考える。
まずいっとう先考えたのは和歌山の梅農家のうちに生まれるかそこへお嫁に行くか。
何しろ梅に携わってそれでこの世でできなかった事を新しく開発していきたいって。
だから家は住むとこはね寝る所と食べる所があればいいんであとは全部梅の実験室とそれから梅を置く場所とそれからそこで働く場所が別でないと駄目なんでその3部屋はちゃんと取ったうちにお嫁に行くか生まれるかどっちかでないと駄目なんです。
(笑い声)それでまた同じメンバーでやりたいわけ。
そしたらねキタムラさんはね「先生の下じゃ嫌で私が先生になってから生まれ変わります」って言うからそれはまだ100年早いって。
(笑い声)
(テーマ音楽)2014/06/11(水) 11:00〜11:25
NHKEテレ1大阪
きょうの料理 おばあちゃんに教わる保存食「にぎやか梅酒」[字]

料理研究家の藤巻あつこさん92歳。70年に渡り、梅干しや梅酒のおいしさを追及している。プラムなどの果実と一緒に梅をつける「にぎやか梅酒」作りに密着する。

詳細情報
番組内容
料理研究家の藤巻あつこさん92歳。70年の長きに渡り、梅干しや梅酒のおいしさを追求している。梅蔵と呼ぶ自宅の保存庫には、梅干しと梅酒合わせて3000本が並ぶ。梅酒も様々なものを混ぜるのが藤巻流。200種類以上のバリエーションの中でも自慢の味が、青梅に加えて、プラムやソルダムなどを漬ける「にぎやか梅酒」。果実の持つ自然の甘みが溶け合い、芳じゅんで奥深い味わいが生まれる。藤巻さんの梅酒作りに密着する。
出演者
【講師】料理研究家…藤巻あつこ

ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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