聖母・聖美物語 #52【家族の愛篇〜愛の結晶】 2014.06.11

(聖美)「あなたの本当のお母さんが誰なのか知りたくありませんか?」
(聖美)本当のお母さん…?
(ひかり)ごちそうさまでした。
お母さま。
あのう…。
(波津子)火が消えたようね。
陽がいないってだけで。
まさかこの年になってまたこんなむなしい思いをさせられるなんて。
(波津子)星川先生いらしたんでしょ?こないだ。
ええ。
(波津子)まさか愛美さんの使いで来たんじゃないわよね?ひかりを返せとか何とかって。
心配なのよ。
久しぶりにひかりに会って変な気起こしたんじゃないかって。
愛美もよく分かってるはずですから。
陽がこういうことになって。
その上ひかりまでとられたらもう生きてるかいが何にもなくなってしまうわ。
あなた。
(星川)一応説明努力はしたようだね。
ひかりちゃんに。
あの子いつの間に先生にそんな連絡を。
(星川)納得はしていないそうだ。
いくら説明したって最初から無理なんです。
あの子を納得させることなんて。
ご覧になってください。
(星川)これはいったい?ひかりの誕生日に届いたんです。
聖母マリアの名をかたる送り主からこのカードが。
10年間固く口を閉ざして守ってきた秘密が破られた瞬間でした。
それからすぐに陽の病気が再発してドナーの問題が現実となって。
(星川)これをきっかけにひかりちゃんは初めて事実を?誰がこんな残酷なことを。
ドナーの問題を突き詰めていけばその奥にあるもう一つの秘密が表に出てしまう。
もう一つの秘密?何があっても絶対に隠し通さなければならない秘密です。
「あなたの本当のお母さん」えっ?どういうことだこれは?お分かりになるはずです。
先生なら。
10年前の私たちをご存じの先生だったら。
まさか。
まさかひかりちゃんを産んだのは…。
愛美です。
愛美が子供の産めない私の代わりにひかりを産んでくれたんです。
代理母か。
君とご主人の受精卵を彼女に移植して。
卵子も愛美のものです。
卵子も?主人の精子と愛美の卵子を体外受精させて愛美の子宮へ。
出産も遺伝子上でもひかりは100%愛美の子。
愛美と繁郎さんの子なんです。
そこまでしたのか君たちは。
そこまでして陽君のドナーになるきょうだいを。
それが私の母としての愛だったんです。
ひかりは私の愛そのもの。
あの子の存在自体が私の愛の結晶なんです。
全身全霊で愛してきた。
慈しんでいとおしんできたんです。
こんな手紙が来なければひかりだって何の疑いも持たずにその愛を信じて受け入れてくれていたはずなのに。
今の私はひかりちゃんにくみする立場だ。
その私になぜこんな手の内を明かした?この事実を社会的倫理に訴えて本気で君たち夫婦の親権を奪いにかかることだって。
表沙汰にできるんですか?先生は。
ひかりの前で。
あの子に話せるんですか?ママの子じゃないって。
あなたが母親だと信じてきた女はドナーを得るためにそこまでやったんだって。
黙ってのみ込めってことか?先生は私たちを訴えてでもひかりの気持ちを守ってやりたいとおっしゃってくださった。
その気持ちが揺るぎないものなら力になってください。
闘ってください。
私と一緒に。
私にいったい何をしろと?捜してほしいんです。
まがい物の聖母マリアを。
この手紙をひかりに送りつけた犯人を。
どんな悪意があって何の恨みがあってひかりを苦しめるのか。
私の大切な家族を壊そうとするのか。
犯人はきっとひかりに近づく隙を狙ってる。
一刻も早く見つけだして止めないと全てを暴いてしまう。
ひかりのため。
あの子をこれ以上傷つけないために。
お願いします。
先生。
(百合子)よく覚えています。
あのころのことは。
あなたは当時小児科で陽君の担当をしていたんですよね。
(百合子)私と小児科医の諏訪先生が急に院長室に呼ばれて出産から臍帯血までの移植のサポートをしてほしいと。
(諏訪)《ドナーベビーだって?》《奥さまとHLA型が同じだからって妹さんが院長先生の子を産むなんて》
(繁郎)《いや。
普通じゃないことは分かってる》
(繁郎)《僕たち家族もそのことに苦しんで今まで議論を尽くしてきたんだ》正直ショックでした。
でも陽君の命には代えられない。
同じ女として奥さまの気持ちが痛いほど分かったからお引き受けすることに。
諏訪先生はどんなふうに?私以上に苦しんでらっしゃった。
体外受精がようやく認知され始めた時代です。
その技術を使って赤ちゃんをドナーにしようだなんて。
医師として許される行為なのかどうかって。
それでも決断された。
奥さまのために。
先生は奥さまを愛してらっしゃったから。
その後彼の消息を?
(百合子)存じません。
院内でこのことを知っているのはあなたと諏訪さん。
ああ。
それに事務長の林田さんと当時婦長の辻井瑞穂さん。
辻井さんのことは何か?
(百合子)今はどこでどうしてらっしゃるのか。
(星川)うん…。
残るは柳沢家の家族だけか。
院長と奥さま愛美さんそれに大奥さま。
弘明先生は当然としてあと峻先生も。
峻先生?
(峻)《聞いていません。
何も。
知ったのは最近のことです》
(百合子)あのう。
もしかして倫理委員会の関係ですか?ひかりちゃんがドナーになれるかどうか年齢的なこともあって難しいようなので。
もしひかりちゃんと奥さまが本当の親子じゃないってことが表沙汰になったらますます…。
いや。
その心配はありません。
ご協力ありがとうございました。
(百合子)事務長をお呼びします。

(足音)誰?・
(百合子)塩谷です。
ちょっとよろしいですか?
(百合子)今弁護士の先生がいらして10年前の話を色々と聞かれました。
奥さまがご存じのことだっておっしゃったので。
悪かったわね。
あなたや事務長のことを探るようなまねをして。
私が直接聞くと角が立つような気がしたものだから。
私たち何か疑われてるんでしょうか?もしかしてあのことを外に漏らしたと?実は私弁護士さんに話さなかったことがあるんです。
余計なことを言ったらお世話になった婦長の迷惑になるんじゃないかと思って。
婦長?辻井さんです。
最近何度か見掛けたんです。
あの方を病院の近くで。
でも病院に立ち寄るわけでもなくすぐにどこかへ行ってしまって何だか様子がおかしくて。
どうして瑞穂さんが?関係ないかもしれません。
どうかここだけの話になさってください。
(繁郎)瑞穂さんが?うん。
この手紙の消印両方とも田園西だもの。
病院の近くで投函されたのは間違いないわ。
(繁郎)だからって塩谷さんがたまたま見掛けたってだけだろう?だいたい何だって星川先生に相談なんか。
愛美さんのことまで勝手にぺらぺらと。
あなたは昔から自分から動いて何かを解決しようとはしない。
でもこの問題は嵐が通り過ぎるのを待ってるわけにはいかないの。
できることは何だってやる。
利用できる人は誰だって味方に引き入れる。
あなたが言ったひかりを命懸けで守るってそういうことじゃないの?ひかりの意思を無視して勝手に移植の話を進めたり倫理委員会に諮ったりはしない。
そういう約束で先生の協力を得た。
あなたも承知しておいて。
何か心当たりはない?心当たり?瑞穂さん。
私が柳沢を離れてる間に急に病院を辞めたのよね。
そのとき何があったの?そこに何か理由が潜んでるんじゃないかしら。
こんなことをたくらむ理由が。
何ですかこんなところで。
ひかりに聞かれたらどうするんです?お母さま。
これが瑞穂さんの仕業だとしたらあるのは私への恨みね。
母さんへの恨み?あの人を追い出したのは私ですから。
《出ていけ淫売!》《今すぐ私の前から消えていなくなれ!》母さんが高血圧でぶっ倒れたあのときか。
どうして瑞穂さんをそんなふうに?瑞穂さんは長い間ずっとお母さまの忠実なしもべだったじゃありませんか。
できてたのよあの人。
事もあろうに弘明と。
弘明さんと?ずっと昔。
瑞穂さんが婦長になる前の話ですけどね。
知ってましたよ。
2人がそういう仲だったって。
そうなの?ただあのころの弘明は何ていうかそのう。
結構手当たり次第で。
気持ちが荒れてたんだろうね。
だから婦長みたいな落ち着いた人とうまくいってくれればいいって思ってたんだけど。
子供ができたんです。
瑞穂さんに。
赤ちゃんが?妊娠したんですか?弘明の子を。
瑞穂さんは黙って一人で産むつもりだった。
でも私が説得しておろさせたんです。
よもや2人の関係も弘明の子だってことも知らないで。
どうして?瑞穂さんのためって思ったから。
未婚の母だ父親のいない子だって今とは比べ物にならないほど重たい苦労を背負う時代だったんです。
弘明は知ってたの?そのこと。
そのとき初めて知ったそうよ。
妊娠も中絶したことも。
ハァ。
信頼してた瑞穂さんが何であんな男と。
ただもう悔しくてね。
だまされてたって思ったらもう体から炎が立ち上って焼き尽くされるような気がして。
何も知らないことをいいことに後ろで舌を出して奥さま奥さまって。
言えなかったんですよ。
だからこそ身を粉にして徹底的に母さんに尽くしてきたんじゃないですか。
子供のころからずっと弘明が邪険にされるのを見てきたんだ。
幼心に守ってやりたい気持ちがあってその思いを大事に育てていったんでしょう。
悪いのは母さんだ。
今日こそはっきり言わせてもらいます。
繁郎。
何の罪もない弘明を恨んで憎んで邪魔者扱いにして。
あいつだって素直に甘えたかったろうにその隙さえ与えてやらなかった。
私も苦しかったのよ。
縁あって私の子になってくれたんだもん。
お父さんの過ちをのみ込んで大きな心で弘明を包んでやれたらどんなにいいだろうって。
それができなかった私の因果が巡り巡って瑞穂さんに取りついたんだとしたらその恨みがまさか私の一番大切なカワイイ孫に向けられるなんて。
(メールの着信音)
(ひかり)あっ。
来た。
(愛美)「遅くなってごめんね。
今夜はお客さんが大勢来てくれて大忙しだったの」「すぐに返事できなくても叔母ちゃんはいつもひかりちゃんのことを考えてるからね」「安心してゆっくりおやすみなさい」叔母ちゃま。
瑞穂さん。
これはあなたの復讐なの?
(瑞穂)復讐?あなたはお母さまを憎んでる。
ううん。
母だけじゃないわ。
私のことも。
あんなにも忠節を尽くしてきたのに平然とあなたを放り出した柳沢の家族全員を恨んでる。
だから私たちの一番弱い部分を。
ひかりの秘密をネタにして。
(瑞穂)そんな。
めっそうもない。
ひきょうよ。
子供を傷つけて復讐するなんて。
やり方が汚いわよ。
(瑞穂)存じません。
本当に何も存じません。
こんなこと絶対に許されない。
誓って申し上げます。
私はひかりお嬢ちゃまにあだなす気持ちなどこれっぽっちも持っておりません。
もちろん大奥さまをはじめご家族の皆さまにだって。
じゃあいったい何で病院の周りをうろついていたの?分かってるのよ。
今日が初めてじゃないってことは。
はっきりおっしゃいよ。
何をたくらんでいるのか。
迷っているんです。
お伝えするのがあの方のためなのか。
それとも自分自身の自己満足にすぎないのか。
何の話?あの方って…。
もしかして弘明さんのことを?あの人に何を伝えるって?実のお母さま。
あの方を産んだ本当のお母さまのことです。
弘明さんの本当の?柳沢病院を辞めてから私は訪問看護の職に就いておりました。
2年ほど前たまたまお世話した患者さんの中にお母さまが。
(女性)《おばあちゃん》《新しい看護師さん来てくださったわよ》
(瑞穂)《摩耶子さんですね?辻井と申します》《よろしくお願いいたします》
(摩耶子)《お世話になります》
(瑞穂)《こちらこそ》
(女性)《おばあちゃんも若いころ看護婦さんやってたんですよ》《それが自慢なのよね。
おばあちゃん?》
(瑞穂)摩耶子という名前。
それに面影にも見覚えがあって家に戻ってすぐに写真を捜しました。
写真?母が病院の人たちと撮った写真が何枚か残っていて。
「これが弘明坊ちゃんのお母さんだよ」「奇麗な人だろう?」って。
思い切って一度その写真をお見せしたら…。
(瑞穂)《あっ。
あのう。
何を…》
(摩耶子)《知らない》《知らない。
こんな人たち》
(瑞穂)《あっ。
でも》
(摩耶子)《知らない。
柳沢病院なんて知らない!》《でも摩耶子さんは当時の柳沢病院の院長と…》《お生まれになった息子さんは今立派な産婦人科のお医者さんとして…》《知らない。
知らない。
誰か来て》《誰か!》
(女性)《どうしたの?》《おばあちゃん》
(摩耶子)《助けて》《殺…。
殺される。
あーっ。
ああーっ!》《殺される。
殺される!》それきり別のナースに交代させられてしまったんですが。
(瑞穂)今でも時々後任者に様子を聞かせてもらっています。
そのことを弘明さんに伝えようと?会わせてあげようっていうの?生みのお母さんに。
最後のチャンスかもしれないんです。
最後?
(瑞穂)最近は認知症の症状が進んで体の状態も思わしくない。
この機を逃したら産みの苦しみを分かち合った母と子が一生顔を見ることもなく…。
でもそんな状態で会ったって。
今のご家族だって何て思うか。
家族は知ってるの?お母さんの昔のこと。
あの様子だと先代院長とのことや弘明さんのことは記憶の奥に封じ込めておそらく誰にも。
だったらなおのこと。
(瑞穂)分からないんです。
私自身。
会ってほしい。
会わせてさしあげたい。
だけど会えばかえって2人を苦しめるんじゃないか。
堂々巡りで答えが出ずに病院の前まで来ては行きつ戻りつするばかりで。
どう思われますか?奥さまは。
ひかりお嬢ちゃんにとって奥さまは育ての母。
妹さんは生みの母。
そういう状況に生きる奥さまだからこそ伺いたい。
実の親子が互いに名乗り合うことはどうあっても許されないことなんでしょうか?2014/06/11(水) 13:30〜14:00
関西テレビ1
聖母・聖美物語 #52[字][デ]【家族の愛篇〜愛の結晶】

聖美(東風万智子)はひかり(小林里乃)が愛美(三輪ひとみ)のもとにいると知り、衝撃を受ける。自分の出生について悩み苦しむひかりは、本当のことが知りたいと…

詳細情報
番組内容
 “マリア”を名乗る人物から、ひかり(小林里乃)宛に「本当のお母さんを教えます」と書かれたカードの入った封書が届く。誰よりも早くその封書を見つけた聖美(東風万智子)は、ある決心を胸に星川(風間トオル)を訪ね…。
 “マリア”は一体誰なのか。考える聖美に看護師長の百合子(佐藤康恵)が、最近、病院付近で何度か瑞穂(魏涼子)を見かけたと明かす。
番組内容2
“マリア”が瑞穂だとしたら、なぜ柳沢家を不幸に陥れるようなことをするのかと思案する聖美に、波津子(丘みつ子)は弘明(金子昇)と瑞穂の過去を話し出す。
 数日後、聖美は病院の近くで瑞穂を見かけ…。
出演者
柳沢聖美:東風万智子
森尾愛美:三輪ひとみ
柳沢繁郎:原田龍二
柳沢弘明:金子昇
柳沢波津子:丘みつ子
星川真輔:風間トオル ほか
スタッフ
企画:横田誠(東海テレビ)
原作・脚本:いずみ玲演
演出:藤木靖之
プロデュース:西本淳一(東海テレビ)
中頭千廣(TSP)
神戸將光(TSP)
齋藤頼照(TSP)
音楽:辻陽
主題歌:「炎の花」ハルカ ハミングバード(ユニバーサル ミュージック)
制作著作:TSP
制作:東海テレビ
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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