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 製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬ディオバンに関する研究論文が改ざんされていた事件で、同社元社員の白橋伸雄容疑者(63)=神戸市=は、企画段階からデータの統計解析まで、京都府立医大による臨床研究の全体に深く関与していたことがわかった。臨床研究では本来、統計解析の担当者は客観性を確保するために他の業務に関わらないことが求められるが、この前提が形骸化していた。

 東京地検特捜部は白橋元社員が主に統計解析の時点でデータを改ざんしたとして薬事法違反(虚偽記述・広告)の疑いで逮捕。研究の主要部分が白橋元社員に事実上「丸投げ」されていたため、改ざんが可能だったとみて調べている。

 府立医大では2003年に松原弘明元教授の発案で、3千人以上の高血圧患者を対象にディオバンの効能を調べる臨床研究を実施することが決まった。松原元教授の説明では、研究を進める企画づくりの段階から白橋元社員が関与。松原元教授の研究室ではこれほど大規模な研究は経験がなく、白橋元社員は「支援役」だったという。