氷の上でストーンを滑らせて行う競技…手から離れたストーンはゆっくりと進んでいく。
ブラシのようなものでこすっているのはストーンの動きを続けさせようとしているから。
でも動き続けるのはなぜだろう?ストーンの運動を変えるのは何だろう?こんにちは。
バリバリの理系女子…現役高校生の…今日のテーマは「力と運動の関係を考える」です。
熊谷君さっき見たカーリングだけど氷の上を滑るストーンはいつか止まるよね。
止まるね。
それは何で?何で?って聞かれても動いてる物体は平らな所だといつかは止まるでしょ。
うんそうだよね。
ストーンがやがて止まってしまうのは…そういう状況だったらストーンはどうなるかな?えっと力がない状況?それはまあ動き続ける…いやいつかは止まる…。
ちょっと有彩さんこの問題現実的じゃないよ。
熊谷君まず理想的な状況を考えてからそこから物理的に考えていくの。
そこで今日のテーマはこちら。
ポイントはこの3つ。
中学でやった慣性もあるね。
有彩さん結局ストーンの動きってどうなるの?それはこれから考えていきましょう。
えっ?今回力と運動の関係についてお話頂くのは野口禎久先生です。
先生よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
(野口)よろしくお願いします。
2人が今話していたのは「運動を妨げる力が働かなければ物体は動き続けるか?」という問題でしたが…そうだね。
あと…あっそうか。
そうですね。
空気抵抗や摩擦力が考えられますね。
ではそういった…もし何々がなかったらこうなるんじゃないか?って考える訳ですね。
そうです。
実際に実験するのではなく…こちらの実験で考えてみましょう。
このような滑らかな斜面があります。
この斜面上にボールを置いて離すとボールは転がっていきます。
こちらの上向きの斜面のどの位置で最高点に達すると考えられますか。
この場合空気抵抗も摩擦力もないからボールの最高点はボールを置いた位置と同じになりますね。
そうです。
ボールは下に向かって加速しながら転がり落ち斜面に沿って上昇していきますが次第に減速し最高点に達します。
その時の高さは始めの置いた位置と同じ高さになります。
斜面の傾斜が変わってもやはり同じ高さまで達します。
では下向きの斜面から水平面を転がっていくとボールはどうなると考えられますか?ボールは同じ高さまで上がるから水平面上では…。
ボールはいつまでも動き続け等速直線運動をそのまま続ける…という事が考えられます。
という事は…うんそうなの。
実際には水平面であっても物体はやがて止まってしまうけどこれは空気抵抗や摩擦力が物体を減速させるためなんだよね。
う〜ん。
でも身の回りで起こる運動ってやっぱり空気抵抗とか摩擦とかあるからちょっと考えにくいよ。
そっか。
じゃあ今度は実験で確かめてみましょう。
はい用意したのはこちら。
エアトラックという実験装置です。
これは等加速度直線運動の時の実験でも使ってたね。
うんそうだったよね。
じゃあ熊谷君この滑走体を滑らせてみてくれる?うん分かった。
じゃあいくよ。
はい。
あれ?あ〜やっぱり止まっちゃうね。
これって摩擦があるからだよね。
そうだね。
じゃあ今度は…じゃあスイッチオン。
ほら見て。
こんなふうに空気が出てるのが分かります。
じゃあ熊谷君もう一回滑らせてみてくれる?分かった。
じゃあいくよ。
えい!おっ。
お〜。
さっきと全然違うね。
ねぇ。
わ〜。
(ブツリン)摩擦力がないと滑走体は動き続けるのが分かるだろう。
水平方向では妨げる力が働かないので物体はいつまでも動き続けるんだ。
分かったかな?熊谷君どうだった?実際に実験でやってみるとよく分かるね。
うん。
分かってくれたところでまたまた問題です。
そのボールはどうなるでしょうか?天井に当たる。
天井に当たる…じゃなくてこれも思考実験だからもしも投げ上げたらとして考えるの。
う〜んそれは元の所に戻ってくる。
本当に?かな?じゃあ…ボールは…。
ウフフフ。
電車をこの台車に見立て実験をやってみましょう。
まず台車からボールを打ち上げてみます。
台車が止まっている時はボールは元の筒に入ります。
次に走らせて打ち上げてみましょう。
やはり元の筒に入りました。
ボールも台車も水平方向には力が働かないので同じ速さで動き続けます。
だから元の筒に入るのです。
今度は台車をゴムで引っ張って動かしてみます。
電車が加速している時と同じ状態です。
するとボールは筒には入らず台車の後方に落ちました。
ボールが飛び出したあとボールはその時の速さで水平方向に進みますが台車はゴムに引っ張られて加速してしまいボールより速くなって進んでいったからです。
今の結果を踏まえて…電車が等速運動する場合は缶も進行方向に等速直線運動を続けるので同じ位置に静止したままになります。
でも電車が駅を出発して加速していく時には缶はそのまま静止し続けようとしますから後方に転がります。
逆に電車が停車駅の前で減速する時には缶はそのまま運動し続けようとしますので前方に転がるという事になる訳ですね。
(ブツリン)いつまでもどこまでも。
中学でも慣性って習ったと思うんだけどどういう実験を覚えてる?慣性といえば…やった。
もしかしてやるの?今日はやりません。
え〜。
今日用意したのはこちら。
…という事で簡単に出来る実験装置を作りました。
これは輪ゴムと磁石をビニールテープでくっつけました。
そしてその磁石をこのように2つのスチール缶上下に付けて上からつるしたものです。
簡単すぎる。
言ったな〜。
じゃあ熊谷君…う〜んそれは缶の重さと下に引っ張る力があるから上の方が取れるんじゃないかな。
なるほどね。
じゃあやってみて。
うん分かった。
じゃあやってみるよ。
えい!あれ?下の方が取れた。
えっ何で?物体にはそのままでいようとする性質がある。
これが慣性だ。
下のゴムを一気に引くと缶がそのままでいようとするので急に移動する事ができない。
だから下の方のゴムが伸びて大きな力で引っ張るために下の磁石が先に取れるんだ。
ゆっくり引いた場合はどうなるだろう?缶に働く重力と引いた力が上のゴムが引く力と釣り合っている。
だから上のゴムが引く力の方が常に大きいために上の磁石の方が先に取れる事になる。
慣性を実感してもらえたかな?第2弾。
次に用意したのはこれです。
おっテーブルクロス引きだ。
今回はアルミ缶で作りました。
3個2個1個と3段に積み重なってます。
そしてテーブルクロスの代わりに…それでは熊谷君早速やってみてよ。
こういうのは自信があります。
お任せ下さい。
おっ本当に?じゃあいくよ。
えい!お〜すごいじゃん熊谷君。
わ〜どや顔。
まあね。
これね実はこのアルミ缶の中には水が入っているの。
だからちょっとぐらい揺れても崩れなかったんだよ。
えっ。
水が入ってて重いから動きづらかったって事?熊谷君ご苦労さまでした。
いえそれほどでも…。
熊谷君が成功したのは正確には重いから動きづらかったのではなく…重力の大きさは質量に比例するので重力がある地球では質量も重力も同じもののように感じるけど重力のない宇宙では違ってくるんだよね。
そうなんだ。
そう。
じゃあ…宇宙で慣性はあるの?皆さんこんにちは。
JAXA宇宙飛行士の…ここにあるのは…この竹トンボ自体がどうやって飛ぶかをご覧頂きましょう。
この竹トンボ自体の力でこの質量であれば竹トンボはまっすぐ進んでいきましたね。
それでは今度はこの竹トンボに本を付けた状態で飛ばしてみます。
さっきの竹トンボだけの時よりは少しゆっくりですけれども前に進んでいく様子がご覧頂けたと思います。
じゃあ今度はこの竹トンボを私の体に固定してみましょう。
ほとんど動きませんね。
じゃあ今度はこの竹トンボを頭のてっぺんに付けてみます。
(若田)人間の体のような質量の大きいものはほとんど動かないですね。
先生宇宙でも慣性はあるんですね。
そうですね。
慣性は物体が固有に持っている性質です。
無重量状態では重さはなくなりますが質量や慣性は変化しないで存在しているんです。
質量の大きいものは動きにくいっていう事も分かりましたよね。
竹トンボだけの時は勢いよく動きました。
でも本を付けると少し動きづらくなり更に若田さんに付けた時はほとんど動かなくなりましたね。
このように…質量が大きいほど動きづらいという事ですね。
DVDと風船を利用した滑走体が…この滑走体にこの…どのように動いたでしょうか?真上から見てみましょう。
風の力を受けている時だけ運動が変化しています。
そのあとはまっすぐ進んでいます。
運動の状態を変えるのは力である事がこれで分かります。
実験で物体に力を加えた時の運動の変化を見ました。
運動を変えるのは力なんだね。
そうですね。
今の実験では等速直線運動をする風船の滑走体は風が当たった時つまり力が加わった時だけ運動が変化しました。
では最後に応用問題です。
糸にボールを付けて回転させると円運動をします。
この時糸がボールを引っ張っているので速度の向きが既に変化しています。
では…う〜ん…。
どうなるんだろうね?これも実験で確かめてみましょう。
円運動するように物体を円周上に固定している力がなくなったらどうなるか見てみましょう。
鉄のボールが円盤の上の電磁石の力で固定されて回っています。
ボールはその瞬間その瞬間は…スイッチを押すと鉄のボールは電磁石から離れます。
この時同時にライトがつきます。
では円運動をしているボールが電磁石から離れるとどちらの向きに進んでいくでしょうか?例えばここでボールが離れたらボールはどの向きに進むでしょうか?Aの向きでしょうか?Bでしょうか?それともCでしょうか?それではやってみます。
ボールは円の接線の方向にまっすぐ進んでいきました。
別の所で離してみます。
やはり円の接線の方向に進みました。
ボールに働く力がなくなるとボールはその瞬間に進んでいた向きすなわち円の接線方向に進んでいきます。
電磁石から離れたあとは力が働かないので慣性の法則から等速直線運動を続けるのです。
ボールはまっすぐ進むんだね。
そうなの。
この慣性の法則を利用したスポーツが…円運動の接線方向に飛んでいくよね。
さて今日は力と運動の関係について学びました。
今日は物体が持つ慣性という性質や慣性の法則について学習しました。
慣性を利用した道具や慣性で説明される現象は身の回りにたくさんあります。
皆さんも何か見つけてみましょう。
たくさん見つけてみましょうね。
うん。
それでは皆さんさようなら。
さよなら。
物体にほかから働く力がない時始めに静止していた物体は静止し続け動いていた物体は等速直線運動を続ける。
これを…物体が速度を維持しようとする性質を慣性という。
物体に力が働くと運動の速さや向きが変化する。
力が働かなければ……という事だ。
2014/06/11(水) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 物理基礎「力と運動の関係を考える〜運動の第1法則〜」[字]
今回は、慣性の法則と呼ばれる運動の第1法則について学習します。学習のポイントは、(1)いつまでもどこまでも (2)慣性を調べる (3)力が加わると速度が変わる
詳細情報
番組内容
物体に、ほかから力が加わらないか、または加わった力が釣り合っている場合には、静止していた物体は静止し続け、動いていた物体はそのまま等速直線運動を続ける。これを慣性の法則または運動の第1法則という。また、等速直線運動している物体に力を加えると、力が加わったときだけ運動が変化する。運動の向きや速さ、つまり速度が変化する。【講師】野口禎久(東京都立立川高校教諭)【司会】黒田有彩、熊谷知博
出演者
【講師】東京都立立川高等学校教諭…野口禎久,【司会】黒田有彩,熊谷知博
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趣味/教育 – 中学生・高校生
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