NHKスペシャル ミラクルボディー W杯(2)スペイン代表 世界最強の天才脳 2014.06.12

そういうことをやる。
社会全体として、人材育成、人の活用をしていける、まさにそういう今、非常に大きなチャンスになってきているということだと思うんですね。
きょうはどうもありがとうございました。
(歓声)
(ホイッスル)コンピューターはアスリートをどこまで再現できるのか。
これはワールドカップのスターたちが登場する最先端のサッカーゲーム。
開発したのは世界的なゲームメーカーだ。
メッシやネイマール。
スター選手たちの詳細な個人データ。
そこにチーム全体のデータを加える事で強豪国のプレーも詳細に再現できる。
ただ一つのチームを除いては…。
それはスペイン代表だ。
彼らのサッカーはとても複雑で高度なんだ。
あのチームでは何かえたいの知れない化学反応が起きているに違いないよ。
ヨーロッパ選手権2連覇。
前回ワールドカップ優勝。
近年のビッグタイトルを総なめにしてきたスペイン代表。
チームの愛称はラ・ロハ。
ピッチを焼き尽くす情熱の赤だ。
その特徴はティキタカと呼ばれる華麗なパス回し。
1試合平均のボール支配率は世界トップの70%。
圧倒的にピッチを支配しゴールに迫る。
ワールドカップの前哨戦で見せた攻撃。
スペイン代表は一度も敵にボールを触らせる事なく13本のパスをつないでゴールを奪った。
チーム全体がまるで一つの生き物のように振る舞うティキタカ。
その頭脳にあたる男がいる。
スペインの司令塔だ。
的確な状況判断力と針の穴を通すように正確なパス。
(歓声)世界のスーパースターたちも一目置く存在だ。
そしてシャビと奇跡の連携を生み出す男。
人呼んで魔術師。
ゴール前をこじあけるティキタカの最後の切り札だ。
ひときわ小柄な2人がなぜ世界の頂点を極める事ができたのか。
最新の科学と撮影技術でその秘密をひもといていく。
ピッチ上の膨大な情報を一瞬にして処理する驚くべき頭脳。
シャビとイニエスタ…その正体とは…。
「ミラクルボディー」サッカーワールドカップ。
今夜は連覇を目指すスペイン代表。
肉体と精神の秘密に迫る。
いよいよ今週ブラジルで開幕するFIFAワールドカップ。
世界中が熱狂する4年に一度のサッカーの祭典だ。
今回のワールドカップで連覇に挑むスペイン代表。
その強さの秘密を探るため番組では1年をかけて世界3か所で特殊撮影を行ってきた。
スペイン代表の合宿所。
シャビとイニエスタが所属するクラブチームバルセロナの本拠地。
そしてワールドカップの舞台となるブラジルの会場だ。
これは特別に開発した高精細の…ピッチの左右を一つの画面に合成する事で試合全体を把握できさまざまなデータも抽出できる。
クローズアップも自由自在だ。
去年世界各地域の代表が激突したコンフェデレーションズカップ。
ナイジェリアとの一戦。
4Kカメラがスペインの強さを捉えた。
相手に一度もボールを奪われる事なく短いパスをつないでいくティキタカ。
細かくリズムを刻む様子を表した言葉だ。
13本のパスをつないで先制ゴールを奪った。
ロングボールから個人技や体格を生かしてゴールを決めるカウンターサッカーとは大きく異なる。
ティキタカは短く速いパス回しで相手ディフェンスを揺さぶり陣形を崩す事でゴールへの道を切り開く。
ゴール前で4本のワンタッチパスが展開されたこの場面。
最初のパスに反応して3人のディフェンダーが引き寄せられる。
更に次のパスでも4人。
最終的に7人が中央に集まる形となった。
左サイドに隙が生まれた。
(実況)先制スペイン!ジョルディ・アルバ!卓越した技術と連携によって生み出されるティキタカ。
ナイジェリア戦でスペインが交わしたパスは806本。
時間経過に沿って積み上げてみる。
パスの成功率は他の強豪国をはるかにしのぐ93%。
よく見るとパスの3本に1本が一人の男を経由している。
チーム最年長の34歳。
世界屈指の司令塔だ。
敵の合間を縫って足元に正確に届くパス。
相手の意表をついて一瞬で繰り出すスルーパス。
映像からシャビのある特徴が浮かび上がった。
ほかの選手に比べ異常なほど首を振っているのだ。
1試合でその数は850回を超す。
ティキタカを操るシャビ。
どんな秘密が隠されているのか。
ワールドカップを目前に控えた先月末。
代表合宿中にシャビが撮影に協力してくれる事になった。
アスリートが見ている世界を科学的に分析している専門家たちと共同で探っていく。
取り付けるのは小型カメラとアイマーク・レコーダーと呼ばれる装置。
丸で示されるシャビの視点を分析する。
試合を想定した状況で11対11のミニゲームを行う。
(ホイッスル)シャビカメラの映像。
左右に素早く首を振っている。
味方にボールが渡った瞬間シャビは左を見た。
パスが自分に向かってくる最中に今度は右。
1回首を振るのに0.5秒。
僅かな時間に何を見ているのか。
シャビの目の動きをアイマーク・レコーダーの映像で詳しく見てみる。
シャビの視点はボールを持っている選手だけにとどまらない。
青いユニホームの敵そして味方敵へと動いていく。
プレーが次にどう展開するか先を読もうとしているのだ。
スペインプロリーグのほかの選手と比較してみる。
視点の8割以上がボールに集中している。
つまり目先のプレーしか見えていない。
ではシャビは目から入る膨大な情報をどこまで正確に把握しているのか。
撮影した映像をもう一度シャビ自身に見てもらう。
そして映像を止めた瞬間の敵や味方の位置をボードに書く。
こちらは同じテストをしたスペイン選手の結果。
上からピッチを撮影した映像のゆがみを補正しながら重ね合わせてみる。
するとピッチにいた20人のうち位置を再現できたのは僅か6人。
自分の位置さえ怪しかった。
シャビはどうか。
シャビは20人中16人の位置をほぼ正確に再現した。
これは空間を認識する力。
つまり目から入った情報を上から俯瞰して捉える能力が高いためだと専門家は指摘する。
(シャビ)常に敵や味方の位置を全部把握しようとしているんだ。
僕は体も小さいしスピードもないから人一倍周りを見て攻撃の形を作って勝負している。
世界屈指の司令塔の脳を最新の科学で分析してみる事にした。
調べるのは人間が行動する際の脳の働きを研究している科学者のチームだ。
まず体の断面を撮影できるMRIを使って脳の構造を調べる。
これが最新の映像技術によって浮かび上がったシャビの脳だ。
青いケーブル状のものは体から脳につながる神経の束。
この束がつながる部分が多いほどたくさんの指示を体に送る事ができるとされている。
日本の選手と比べるとシャビの方だけ青くなっている部分がある。
ここは空間を認識する機能がある場所だ。
トレーニングを繰り返し行う事で発達したのではないかと考えられている。
ではシャビは把握したピッチ上の情報を基にどのようにパスを出す判断をしているのか。
シャビにMRIの中で実際の試合の映像を見てもらう。
パスを出す寸前に映像を止め出す先の相手を3択で選ぶというものだ。
試合中の状況に近づけるため選択肢が示されるのは僅か0.5秒。
普通は位置を把握する事さえ難しい。
これを240カット。
1時間半にわたって繰り返していく。
サッカー選手は頭が悪いなんて言う人もいるけどトップクラスのサッカー選手はたとえ勉強が苦手でも頭が悪いなんて事はありえないよ。
まぬけなやつにサッカーはできない。
撮影した1万7,000枚の画像データを解析すると脳の奥深くに隠された秘密が浮かび上がってきた。
これはシャビの脳の断面。
同じ実験を行った日本の選手と比較してみる。
黄色が活動している部分。
明らかな違いが見られたのは大脳基底核と呼ばれる場所。
実験中シャビはここが激しく活動していた。
日本の選手にはほとんど反応が見られない。
日本の選手の脳で活動していたのは表面にある前頭前野。
何かを考えたり意思決定をしたりする時に日常的に使う場所だ。
前頭前野が働いていたという事はどこにパスを出すか頭で考えながらプレーしている事を意味する。
ところがシャビは全く違っていた。
シャビが使っていた大脳基底核は人間が繰り返し行った経験や知識が長期的に記憶される場所だ。
シャビの大脳基底核には過去の試合などで繰り返し経験したパターンが将棋の棋譜のように膨大に蓄積されていると考えられる。
脳は目の前の状況に最もふさわしい一手を瞬時に選び出す。
しかしこの一連の作業は無意識のうちに行われるためシャビ本人に考えている自覚は全くない。
これがいわゆる直観というものだ。
これは将棋のプロ棋士が次の一手を直観で決める時にとてもよく似ています。
大脳基底核はもともと人間が生存するために必要な大事な経験を記憶しておく場所です。
絶妙なタイミングで繰り出される正確なパスの数々。
それはピッチの状況を的確に把握し直観でパスを選び出すシャビの頭脳が生み出したものだった。
ピッチ上の僕の能力は生まれつきの部分もあるかもしれない。
でもその多くはバルセロナで鍛えられたものだと思う。
プレーを頭で理解しろってたたき込まれたからね。
シャビの類いまれなる才能はどう育まれてきたのか。
シャビが所属するクラブチームバルセロナ通称バルサ。
スペイン・カタルーニャ地方にある世界屈指のプロサッカークラブだ。
スペイン代表のティキタカはもともとバルサのスタイルを取り入れたものだ。
まさにティキタカの屋台骨だ。
シャビはカンテラと呼ばれるユースチームで育った。
スペイン語で石切り場。
原石を磨くという意味だ。
原則カンテラは練習非公開。
今回交渉の末撮影が20分間だけ認められた。
カンテラには7歳から19歳まで200人の少年たちが所属している。
子どもたちが繰り返したたき込まれるのはティキタカのスタイルだ。
カンテラではとにかくパスする時に頭を使わないと駄目だってたたき込まれるんだ。
パスを受ける前から次に何をすべきか考えろって繰り返し言われるんだよ。
これはスペイン代表も取り入れているロンドと呼ばれる練習。
ディフェンダーにボールを奪われないよう頭を使い複数のパスコースから一つを瞬時に判断してパスを出す練習だ。
シャビもこの練習を繰り返してきた。
シャビがカンテラに入ったのは11歳の時。
足もそれほど速くはなく体も同じ年頃の子よりも一回り小さかった。
入団当初から頭の回転のよさを買われていたシャビ。
何よりも重要な練習がバルサのトップチームの試合を繰り返し見る事だった。
チームの司令塔がどんなタイミングで周りを見ているのか。
どんなパスを出しているのか。
どうやって攻撃のタイミングを決めているのか。
当時憧れだった…しかし司令塔としての能力がどんなに卓越していてもパスサッカーは1人ではできない。
当時のシャビの評価表が残っている。
シャビに足りないのはシャビの組み立てるプレーの意味を理解し絶妙なパスに反応してくれる相方の存在だった。
そのころバルセロナから650km離れた町で実家が営むバルを駆ける一人の少年がいた。
酔っ払いたちの間をドリブルですり抜けてもかすりもしないサッカーセンスの塊のような少年。
それこそが…11歳の時にカンテラにスカウトされ4つ上のシャビと出会った。
2人の出会いがサッカーの歴史を変える事になる。
司令塔シャビ。
そして魔術師の異名をとるイニエスタ。
シャビは試合の流れを読み組み立てていく。
一方イニエスタはパスを受けるだけでなく独創的なアイデアで試合の流れを変える天才肌だ。
シャビがオーケストラの指揮者ならイニエスタは創造性豊かなソリスト。
まるでピッチで2人音楽を奏でるかのようだ。
かつてバルセロナの監督を務めたサッカー界の伝説ヨハン・クライフ。
シャビとイニエスタの連携こそがスペイン最強の秘密だと語る。
シャビはパスによって攻撃のリズムを作りチーム全体に落ち着きをもたらしている。
そこにイニエスタという違う才能が加わった。
彼は敵のゴール前でめっぽう強く即興性があり自由自在だ。
前線にイニエスタという才能が来た事でシャビは自分のパスを受け取ってくれる偉大なパートナーを手にした。
コンフェデレーションズカップ。
4Kカメラがシャビとイニエスタ2人のハーモニーを捉えた。
中盤でシャビにパスが入ろうかという瞬間。
サイドにいたイニエスタにあるプレーがひらめいた。
イニエスタは画面左手のスペースを使ってチャンスを作ろうと考えたのだ。
イニエスタの意図を瞬時に読み取ったシャビ。
次のプレーの発想が生まれた。
ファンタスティックな選手だ。
スペースを作るために僕が下がれば彼が上がる。
彼が下がれば僕が上がる。
そのままイニエスタに出してもいい場面でシャビはあえて後ろの選手にパスを出した。
シャビには2手先が浮かんでいた。
後ろにパスする事でディフェンダーを引き付けスペースを更に広げイニエスタにボールをつなぐ。
一致した2人のひらめき。
パスを受けたイニエスタが中央を突破。
チャンスが生まれた。
僕たちは常にさまざまな場面場面で互いが今何をすべきかって事を瞬時に考えているんだ。
そうやって一つのプレーが成功へと導かれていく。
とても大事な事なんだよ。
まさにあうんの呼吸で連携プレーを繰り出すシャビとイニエスタ。
果たして脳にも相性というものがあるのか。
ノーベル賞の選考を行うスウェーデンの研究所のグループが2人の脳の機能を調べる事になった。
最新の研究では脳の前頭部の機能によって人間の行動や能力に違いが出る事が分かってきた。
調べるのは前頭部のさまざまな機能。
柔軟性や創造力情報処理のスピードなどだ。
まず司令塔シャビの機能を見てみる。
行うのは状況把握のテスト。
使うのは数字とアルファベットがランダムに書かれた紙。
1から16の数字だけを選び短い時間で順番に結んでいく。
比較のためスウェーデンのプロサッカー選手50人一般人50人にも同様のテストを行った。
シャビの結果は13.3秒。
やはり状況把握の力は段違いだ。
一方のイニエスタ。
驚くべき結果が出たのは瞬間的な創造力をテストした時の事だった。
サッカーにおける瞬間的な創造力とは何か。
ディフェンダーに囲まれた局面でパスをもらった時…。
ドリブルで抜くか。
味方にパスを出すか。
つまり短い時間でできるだけ多くの解決策を作り出すための能力だ。
テストでは5つの点を結ぶパターンを決められた時間内にどれだけ作る事ができるかを見る。
1分間でイニエスタが作ったパターンは…。
なんと49個。
スウェーデンのプロサッカー選手の平均をはるかに上回る高い数字だ。
短い時間の中でイニエスタは極めて高い創造力を発揮します。
イニエスタとシャビ2人のテスト結果を一般人の平均と比べてみる。
シャビは状況把握の力だけでなく情報処理能力など全般的に優れた成績を持ついわばリーダータイプ。
一方瞬間の創造力が突出しているイニエスタは芸術家タイプ。
2つの脳は違う特徴を持ちながら互いを補完し合っていた。
マックスだ。
僕らはいい事も悪い事も一緒に経験してきた。
だから理解し合えるんだと思うよ。
選手としてのタイプはお互い違うけれど足りない部分をカバーしながらプレーしているんだ。
僕らは長い事一緒にピッチに立ってきたから僕たちのプレーは完全に調和しているんだ。
身長は共に1m70cm。
まだ身体能力が重視されていた時代にプロデビューしたシャビとイニエスタ。
体格に恵まれない自分たちが生き残るすべは互いに連携して高め合うパスサッカーしかなかった。
周囲の目も厳しかった。
「バルサを去るべきだ」。
「小さいやつは要らない」。
そんな批判が出る事も珍しくなかった。
そんな2人の可能性を早くから見抜いた男がいた。
当時スペイン代表の監督をしていた…強豪といわれながらビッグタイトルに届かなかったスペイン代表。
体格のためにまだクラブチームでレギュラーにも定着していなかったシャビとイニエスタを代表に抜てきしたのだ。
あのころは誰もが選手に力強さや耐久力を望んでいた時代だった。
でもアラゴネス監督は違った。
彼はこう言ったんだ。
当時の貴重な映像が残されている。
シャビとイニエスタが初めてそろい踏みした2008年のヨーロッパ選手権。
ロッカールームでチームを鼓舞するアラゴネスの姿が映し出されていた。
シャビとイニエスタを中心としたティキタカが世界を驚かせた。
ティキタカが完成するためのある能力が花開いた。
ゴール前のイニエスタの力だ。
(歓声)イニエスタのその能力のすごさを物語る数字がある。
シュートの機会をどれだけ生み出したかを示すチャンス構築数。
コンフェデのデータでもイニエスタは出場選手中断トツのトップだった。
ゴール前でチャンスを生み出すイニエスタの力。
一体どんな秘密が隠されているのか。
イニエスタがチャンスメークに高い能力を発揮するゴール付近に撮影ポイントを設定した。
そこでの動きをあらゆる角度から撮影。
足元の動きは本人の小型カメラで狙う。
(ホイッスル)ライン際に仕掛けるイニエスタ。
右左と軽くタッチ。
あっという間に抜き去った。
この何気なく見えるドリブルの技。
これこそがゴール前のイニエスタの武器…
(実況)イニエスタ。
おっとこれはうまいな!シンプルに見えてなぜか面白いように抜ける。
ディフェンダーは足の先にボールがあるのに完全に裏をかかれて触る事すらできない。
ディフェンダーの目線で確かめてみる。
確かに派手なフェイントもなく動きやスピードにも大きな変化がないように見える。
ネイマールやクリスチアーノ・ロナウドのように派手なフェイントや足技を使うのとは対照的だ。
なぜ抜けるのか詳しく調べる事にした。
ゴール前を想定した狭い空間でディフェンダーとの1対1を行う。
イニエスタには3つの違う種類のダブルタッチを行ってもらう。
まずは右から左のダブルタッチ。
2つ目。
右足の内側と外側を使って抜くダブルタッチ。
3つ目はボールをまたぐフェイントを入れた変化形。
スペインプロリーグの選手にもこの3種類の抜き方をしてもらい体の動きのデータを比較する。
これは真上から見たイニエスタの重心の位置の変化を線で表したもの。
意外な特徴が浮かび上がった。
これは比較した選手の結果。
注目するのは仕掛ける直前の重心の変化。
3種類の抜き方でそれぞれ大きく異なる。
このように抜く方向や体の向きによって重心は大きくブレるのが普通だ。
一方のイニエスタ。
3種類どの抜き方をしても抜く瞬間までほとんど重心がブレない。
つまりぎりぎりまでどちらに行くのか極めて読みにくい動きをしているのだ。
大きな動きがないままに気が付けばすり抜けていくような独特の体使い。
魔術師と呼ばれるゆえんだ。
プレーしている最中に自分が何を考えているのかほとんど意識していないよ。
特に僕のプレーは状況に応じたアドリブから生まれる事が多いからね。
ゴール前の…脳の機能において瞬間的な創造力が高いとされたイニエスタ。
イニエスタはその頭脳が生み出すアドリブや即興を表現する理想の肉体を持っていた。
前回のワールドカップ。
強豪国中最も平均身長の低いチームで挑んだスペイン代表。
完成されたティキタカを世界に見せつけオランダとの決勝戦に臨んだ。
司令塔として90分間ピッチをコントロールし続けたシャビ。
延長の死闘を制しスペインに初優勝をもたらしたのは魔術師イニエスタ。
決勝のゴールを切り裂いた。
(歓声)
(実況)ゴール!ゴール!ラ・ロハ。
赤い情熱が世界を染め上げた瞬間だった。
(歓声)カンテラが長い時間をかけて築いたパスサッカーが世界を魅了した。
結果を出さなければいくらいいサッカーをしても駄目なんだ。
僕らは自分たちが信じるパスサッカーでそれまでの身体能力が中心のサッカーを変える革命を起こす事ができたんだ。
ワールドカップ目前。
イニエスタとシャビにとって大きな節目となる出来事があった。
2人を代表に抜てきした元代表監督アラゴネスが75歳の生涯を閉じたのだ。
「小よく大を制す」。
アラゴネスの言葉が再び2人の心に火を付けた。
アラゴネス監督の言葉は今も忘れられない。
彼はたった一人で負け犬根性が身についた僕たちの意識を変えたんだ。
小さくても勝てるんだってね。
今や世界が打倒スペインを目指している。
追われる立場はなまやさしいものではない。
34歳のシャビ。
年齢的にもワールドカップはこれが最後だと心に決めている。
シャビとイニエスタ。
2人で臨む最後の大舞台だ。
信じたくはないけど本当にシャビにとって最後になるのならすばらしい舞台にしたい。
勝つのは簡単ではない。
でも自分たちのサッカーを信じれば道は開けるはずだ。
ピッチにはいつもイニエスタがいた。
絶妙な場所で僕のパスを受けてくれた。
僕たちには同じ血が流れている。
僕は自分たちのスタイルを貫きたい。
僕のパスがつながってゴールが生まれ仲間が歓喜するあの瞬間をもう一度味わいたいから。
スペイン代表。
サッカーの歴史を変えた2つの頭脳。
ワールドカップで再び輝きを放つ事ができるのか。
世界が見守る中戦いのホイッスルが待っている。
2014/06/12(木) 00:40〜01:30
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル ミラクルボディー W杯(2)スペイン代表 世界最強の天才脳[字][再]

サッカーW杯のスーパースターたちの肉体と精神に最新の科学と特撮技術で迫る「ミラクルボディー」。第2回は優勝候補・スペイン代表、究極のパスサッカーの秘密をひも解く

詳細情報
番組内容
サッカー・ワールドカップのスーパースターたちの肉体と精神に最新の科学と特撮技術で迫る「ミラクルボディー」。第2回は前回ワールドカップの覇者、スペイン代表を取り上げる。“ティキ・タカ”と呼ばれる精緻かつ華麗なパス回しで、圧倒的に試合を支配するスペイン。その司令塔シャビと、“魔術師”イニエスタの全面協力を得、2人の肉体と脳を徹底分析した。浮かび上がったのは、瞬時の判断を可能にする“天才脳”の存在だった

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – スポーツ
スポーツ – サッカー
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント

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