物流・ロジスティクス
荷主と事業者 車両不足で立場に変化
2014.06.12
「燃料高騰でコストが上がっても、これまでは運賃を上げてくれなどとは言えなかった」という千葉県の事業者。同社の荷主は、複数の運送会社が仕事を請け負っているため、荷主とは、これまでは同業他社の動きをけん制しながらの交渉しかできなかったという。しかし、昨年後半から状況が変わってきた。車両不足が顕著になり、車両確保に荷主が慌てふためいていたという。
「以前は、口には出さないが『運ばせてやっている』という姿勢が見え見えだったのに、今では『運んで欲しい』という懇願に近い。苦しかったこれまでを考えると、溜飲が下がる思いがした」と、同社社長は本音を漏らす。しかし、そんな本音とは裏腹に、運賃のことは後回しで「とにかく運んで欲しい」という荷主に、「頼みをむげにもできず、結局、不眠不休の対応でこなした」という。
「交渉力が弱いといえばそれまでだが、普段はぞんざいでも、困っている荷主はやはり放っておけない」とし、「経営者としては失格なのかもしれない」と苦笑いを浮かべる同社社長。
しかし、自分のことはさておき、困った人を見捨てられない──こうした人情味にあふれた姿が本来、中小・零細事業者の専売特許だったのかもしれない。
「荷主が謙虚な姿勢でいてくれる限り、いい関係でいられるのだが...」という同社長は、「車両不足がこのまま続いてくれることを願いたい」と話している。
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