クライアントの言うことを鵜呑みにしない

SNSを眺めているとクライアントからの無茶苦茶だったり意味不明な要求への愚痴をよく目にする。

居酒屋で同業の人と飲んでいても、キツイ要求についての話が出ることが多い。
それは多くの場合「プロとして、クライアントの無茶な要求に応えてやったぜ。」みたいな話が多いのだけど、ぼくは少し違和感を覚える。

クライアントは、制作者よりも制作についての知識が希薄であることが多い。そのため、その実装によってどれだけのコストがかかるのか、費用対効果はどうなのか、ユーザビリティやアクセシビリティへの配慮、情報設計は破綻しないのか、メンテナンス性が大きく損なわれることはないのか、などを考えられるベースがない。

無茶な要求はそのために生まれることが多いけど、それを鵜呑みにしてはプロとして失礼にあたると思う。

プロとして依頼された以上、クライアントの意向は汲みながらも、制作者が持っている知識を最大限に活かして提案をしなければならない。

終わった後に「クライアントのせいでクソみたいなサイトになっちゃったぜ」と言うのは簡単だが、それはクライアントのせいではなく、きちんとクライアントが納得する最適解を提示できなかった制作者に問題がある。

ぼくの経験上、クライアントはきちんと説明をしたらわかってくれる。
「良い物を作りたい」という気持ちは少なからず持っているはず。はず(小声)


ちなみに対デザイナーに対しても同じことが言えると思う。
カンプを「このあしらいキモいなー」「こここんなになってたら汎用性ないやんけ」みたいに愚痴りながらただ組みあげるのでは意味が無い。

きちんとおかしいと思う箇所は制作者の目線から指摘してあげないといけない。多角的な視点がWebサイトには必要。

ただし、デザイナーはプライドが高いことが多いので、直接的な批判は制作を円滑にしていくためにも避けた方が良いように思う。
「ぼくはかっこいいと思うんですけどね! でもここだけスタイル違ったらユーザーは困惑しちゃうかも。 統一したら運用性も上がるし、ユーザーに学習コストを強いらずに済そうですですね。」みたいな言い方はデザイナーさんも受け入れやすいと思う。


ぼくは株式会社まぼろしというクライアントと少し特殊な付き合い方をしている会社にいるので、少し感覚は違うかもしれないが、そんな風に思った。 特殊というのはクライアントとプロとして対等に接するということ。
それが特殊であるこの業界も、また特殊だと思う。