韓国、6年連続で先進国入りならず=MSCI

 韓国は先進国か、そうでないのか。少なくとも証券市場に限ってはそうではないと言える。米投資銀行モルガン・スタンレーの株価指数子会社、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)は10日、毎年1回の市場分類見直し結果を発表し、韓国は先進国指数には組み入れられず、新興国指数への残留が決まった。韓国は先進国指数入りに6年連続で失敗したことになる。

 さらに来年以降、韓国は先進国指数への格上げの是非を検討する「観察対象国(ウォッチリスト)」からも除外され、今後数年の間に韓国証券市場が先進国に分類される可能性は低くなった。 

 MSCIの判断は予想されていたことだ。MSCIが指摘する問題点(外国為替市場の制限、外国人投資登録制度)は、韓国経済の安定性を確保するため、韓国政府が固守している制度で、見直しの余地がないためだ。市場も反応を示さず、MSCI先進国指数入り失敗が伝えられた11日、韓国総合株価指数(KOSPI)はむしろ0.14%上昇した。

■失敗の背景

 MSCIの市場分類は、全世界の年金、ファンド、資産運用会社など6200余りの機関投資家がベンチマークとして位置づけている。MSCI先進国指数に基づき、先進国市場に投資される資金は7兆ドルに達すると推定される。このため、仮に韓国が先進国指数入りを果たせば、直ちに数兆ウォンもの投資が韓国に押し寄せると期待されていた。

 MSCIは韓国を先進国に含めない理由について、「韓国市場は経済発展の度合いや市場規模、流動性の面で先進国市場としての条件を大部分満たしているが、為替自由化の程度が低く、ID制度など海外投資家の市場アクセス性を低下させる要因が依然解消されていない」と指摘した。

 為替自由化の程度が低いのは、オフショア市場がなく、外国人投資家が為替取引を24時間行うことができない点を指している。また、外国人が韓国に投資するには、監督機関への事前登録が必要で、外国人投資家が株式譲渡や市場外取引を自由に行えない。特定銘柄には外国人持ち株比率に上限が設けられている。

金垠廷(キム・ウンジョン)記者
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