インターネッ党が何をしていたのかという話
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ちょこちょこネット各媒体でインターネッ党への批判が高まっており、以下ハフポの記事などでは私の記事なども引用されているようです。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/06/08/internet-party-straying_n_5468758.html
内容としては「事前の宣言とは異なり、中野区長選に候補擁立しなかったがどういうことか?」だとか「メディアやメルマガの更新が行われないがどうなっているのか?」だとか言ったことでして、極めて真っ当な批判だと思います。名目上も実態上も「インターネッ党=家入さんの政治団体」ということですので、あまり私が出しゃばるのもなんですが、少しここで近くで見ていたものとして、現実の動きについてまとめておきたいと思います。ただ私が家入さんの動きを手伝い始めたのは都知事選後の話ですし、その全てを把握しているわけでもないので、その点ご留意いただければと存じます。
とりあえず家入さんが都知事選後に、かかげたことは以下の三つです。
①都知事選で家入かずまが掲げた120個の「 #ぼくらの政策 」のうちできるものは勝手に実現していく。
② 未来を構想して、実行できるネットコミュニティをつくるため、機関誌となるメルマガを発行する。
③ 2020年までに東京23区の全ての区長選挙に候補者を擁立していく。
この三つがどのように決まったのかという全容は私も知らないのですが、少なくとも当時は田母神陣営から出てぶらぶらしていたので、こうした動きにフリーで相談を受ける立場にはいたので、まずはそんな話から。家入さんの都知事選は結果としては9万票弱の獲得だったわけですが、陣営には今まで政治に目を向けなかった層や従来からの家入さんファンから「家入さんが立ち上がってくれて、救われた気分になった。なにか政治に新しい動きが起きるような希望が持てた。」というような声が結構届いており、「この火を消してはいけないな」という問題意識が芽生えていたようです。そんなわけで「家入陣営の中の視点に限らず、都知事選後に何ができるか議論して考えよう」という会議が選挙戦終盤に開かれまして、不詳私もその場に呼ばれて、当時は外部者の立場で好き勝手申しました。
その中でアイデアベースで色々と議論されたものが、しばらくして上記の三つの方針がまとまって出て来たというところです。振り返るに一番初めに政治スケジュール等を眺めながら、「区長選に参加してみたら面白いのではないか?」と提案したのは私だったように記憶しています。そういう意味じゃ現状の批判に対して私に責任の一端があることは間違いなく、こうした方針が公式にリリースされたのを見て、「これはオレも言った責任を取らなければな〜」とほとぼりが冷めたら彼らの活動を手伝おうと決意したことを思い出します。もちろん区長選への参画が茨の道であることは当時からに認識しており、当初は区議擁立の方向で議論していたのですが、「区議で議席を取って現実に政治を変えていくとなると、統一地方選で数十人の擁立を一気にしていかなければならない。そういう体制を作るには何十年もかかってしまう。」という話になり、どうするか、という議論の中で「苦しくても一人で政治を変えられる区長狙いで行ったほうが良いのでは」というような議論になったと記憶しております。
他方でその時に重点的に議論されたのはむしろ上記の3つの宣言の①の部分であり、「政治と事業活動のくぎりをなくして、『当選しなければ何もできない』と言わずに、どんな立場でもきちんと公約をできることからこなしていくことが一番の誠意だ。」という話になり、そのこと自体は今でも間違いない話だと思っています。その点において、家入さんが「スマホの学校」というNPOと連携して今高齢者に対してITデバイスを使いこなす教育プログラムを作りつつあるのは彼なりの誠意の見せ方の一つではないかと思っています。他にもウラリンピックの実現等について動いているようですが、その辺の動きは私はタッチしていないのでこれ以上言及するのはやめておきます。
そんなわけで私が多少なりとも関与したのは②、③のメルマガと区長選の部分でして、都政や区政の分析や動きを把握する一方で現実の区政に働きかける候補を探す、という仮説の下で、両者は相補的な関係にあると始めは考えておりました。しかしながら、これは結構間違った認識でして、現実の立候補を考えている人達というのは一定の政策スタンスなり、思想なりといったものを予めもっているわけでして、候補者との調整作業というのはそれを少しずつ摺り合わせる作業な訳です。そういう流れを無視して独りよがりでメディア上に政策的な情報を発信しすぎると、将来の芽を摘むことになりかねなという側面があります。もちろんバランスの問題で、新参の政党でもみんなの党や維新の会のように潤沢な資金が予めある政党なら「政策に賛同してくれたら資金的な支援をする」という取引ができるわけですが、我々は残念ながら特定の団体からの資金的なバックアップが皆無で完全ボランティアなのでそういうわけにもいきません。そういうわけで現実に候補者との調整等をするうちに、メディア発信の在り方を見直さなければならなくなったのは或る意味必然でした。「見込みが甘かったのではないか?」と言われればそれまでなわけですが、こういうことは現実に候補者との調整ということを繰り返す中で事後的に分かったことだったというのが、お恥ずかしいながら現状です。
肝心の区長選の候補者の擁立という点ですが、急だった練馬区長選はともかく、区長選の参戦に向けていくつかの重点的な地区では独自候補を擁立し、その他の地区では他党との連携を測る、ということが大まかな方針として動いておりました。そういう中で中野区長選ではきじ氏陣営と色々と調整していたのですが、残念ながら最終的に破談となった次第で、その辺は公式HPに書いてある通りです。 もちろん当初宣言したことができなかった責任はあるところですが、ベストエフォットを果たしたことは、先方の調整役だった森議員にも評価していただいております。
家入氏ときじ氏の面会に同席した人間として証言しておきますが、中野区長選挙については彼らは相当真剣に取り組んでくれていました。 RT @Ryosuke_Nishida: メディア、それからネットユーザーの機敏をくすぐるのがうまいなあ、と思うのは、失敗どころか、放置だったものを…
— 森たかゆき 中野区議会議員 (@moritakayuki) June 9, 2014
もちろん中野区長選挙に関しては破談になった時点で直ぐにその旨を公表することもできたし、そうすべきだった、との指摘もあるわけですが、少し前まで共闘を考えていた陣営の足を引っ張る行為をすることは信義にもとる、と考えて、その後は一時的にメディアを凍結していたという流れです。この点批判する向きはもっともですが、ただそういう事情があったということはご理解いただければ幸甚です。
ここらで私見というものを挟みますと、冷静に考えた時、現在インターネッ党が持つ資産というのは「①一定の家入さんファン、②ネットを使って選挙資金を集めるノウハウ、③ネットを使って政策を集めるノウハウ」という程度の無形資産しかなく、それに見合った戦略の転換が必要なのは間違いないでしょう。ただ決して現状で放り投げた、とか、諦めた、とかそういうわけではなく、ずっとボランティアでも活動してきましたし、今後はあくまで①を軸にして、②、③をどう立て直すかということを考えていかなければならないというフェイズなのだと思います。もちろんお金が全くないという問題があるのですが、それを言ったら何も始まらないので、時間感覚を見直して、きちんと①でマネタイズしてそのできる範囲で活動をしていく、ということが重要なのではないかと思っています。この辺はあくまで私の私見ですが。 いずれにしろできないことを申した若気の至りというものは、深く反省すべきという考えは関係者が共有していると思います。
ではでは今回はこの辺で。
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