10回表2死一、三塁、片岡が左前に勝ち越し打を放つ=札幌ドームで
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巨人打線が公式戦で初めて顔を合わせた大谷に苦しめられた。先制パンチを浴びせたが、黒星をつけることはできなかった。
焦点は最速160キロのストレートを巡る攻防だった。坂本は「あれだけの真っすぐを持っているピッチャーだから、みんな真っすぐを狙っていく」と話し、村田は「とにかく真っすぐに振り負けないこと」と対策を明かした。大谷が直球主体で押してきた打者一巡までは、それが功を奏した。
2回1死で阿部が初球の159キロを中前へ。続く亀井は4球目の158キロを右中間に鋭く運んだ。先制の適時三塁打に「差し込まれないようにポイントを少し前においてスイングした。力負けせず、しっかりと、とらえられた」と胸を張った。
ところが、変化球の割合が増えてきた3回以降は単打2本と1四球のみ。5回以降は1人も出塁できなかった。第1打席で160キロを打って二ゴロに倒れたアンダーソンは「すごい投手。動物みたい」と目を丸くし、原監督も「素晴らしい投手、素晴らしい野球人」と敵ながら賛辞を贈った。
大谷降板後に追い付かれたものの、延長10回に片岡の決勝打で接戦を制した。原監督は「ギリギリの勝利で価値があるのか、ないのか…」とぜいたくな悩みを漏らしたが、交流戦首位に浮上。セ界でも試合のなかった2位広島とのゲーム差を2に広げ、着々と首位固めが進む。 (小林孝一郎)
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