さらに「KGYワンダーランド」では、KGY40Jr.から派生したReAlly Sisters、Doggy Gang、梨GALSのほか、プロデューサーの皮茶パパや、スタッフのひろってぃのヴォーカルまで収録。特に「皮茶パパ温度」は、「温度」ならぬ「音頭」をベースにした怪作だ。
鎌ケ谷から皮茶パパが見る、宇宙、日本、鎌ケ谷。なにやらアイドルという枠すら飛び出しはじめたKGY40Jr.はどこへ向かうのだろうか……?
KGY40Jr.の握手会が終わるまで、まず皮茶パパの話を聞いたところ、それだけでこの分量に。KGY40Jr.のメンバーのインタビューも最後にちゃんと出てきます!
インタビュアー:宗像明将 構成:宗像郁
―― 昨年は新曲の発表だけ続いてCDリリースはしなかったじゃないですか。あれはどうしてだったんですか?
皮茶パパ 「BALLPARK V-DANCE」(注1)のときにリミックスを入れて1000円で発売したじゃないですか。あれね、採算が合わないんですよ。一番最初の「コスプレイヤー」(注2)のときには1500円だったじゃないですか。これが最低ラインです。僕もこの業界詳しくないものですから、そのときはそこまで頭がいかなくて。で、やってみてわかったんですよね。これはダメだなと思って。だからプールさせといて、発売って形になったんです。
―― 世間的にはいろんなメディアからKGY40Jr.が取材(注3)を受けるようになって、ご当地アイドルの成功例みたいな扱い方が多かったじゃないですか。でも皮茶パパ的には最終的な目標にはまだまだ足りない?
皮茶パパ いやもう足りないっていうか、目標は世界進出ですよ。
―― やっぱりそのNYの……。(注4)
皮茶パパ NYは今ちょっと……。今やっぱアジアでしょ。
―― 前はNYのマディソンスクエアガーデンだけど、もう今はアジア。アジア進出で皮茶パパ的に目を付けてるアーティストいますか。
皮茶パパ 一番最初にタイのバンコクに行ったのが6年前かな。アーティスト自体はもう、そのときからいっぱい出てますよ。昔はタイポップをちょっとアレンジしたような感じの曲が多かったんだけども、今も完全にNY化してるっていう感じでしょうね。韓国もそうじゃないですか、少女時代とかももう向こうのサウンドじゃないですか。でも、NY発信の時代は終わってると思うんですね。なんでかっていうと、僕はタイの人の顔を見てもわからないから「バンコクのどこから働きに来てるのかな?」って聞いたらバンコクじゃないんですよ。ミャンマーとかカンボジア。バンコクに憧れて来てるわけですよ。
―― アジア進出についてメンバーはなんて言ってます?
皮茶パパ なんか本気にはしてないけど、「行くぞ」とは言ってます。で、僕もしょっちゅう行ってるじゃないですか。お土産も買ってくるんでしょ。
―― 皮茶パパがゆるキャラ化(注5)するという衝撃的な展開がありましたが、あれはいったい何事が起きたんでしょうか?
皮茶パパ 要するにどうしてもアイドルのカテゴリでやりますから、あんまりおっさんがワーワーしてもね。それを面白がってくれるのは嬉しいんだけど、たとえばテレビに出るときには、やっぱりゆるキャラとしてやったほうが子供たちにも受けるし。だからターゲットをアイドルファンに絞るんじゃなくて、子供からお年寄りまで幅広く、っていつも考えてますからね。
―― 「KGYワンダーランド Vol.1」はかなり衝撃作であると思うんです。22世紀を見据えた音響にして、そして皮茶パパ主宰の「音波分析室」が始まる、と。具体的にはどういう……?
皮茶パパ 高校生のときにUFOが僕を見に来たんですね。
―― 「UFOが皮茶パパを見にきた」!?
皮茶パパ あれは僕が見たっていうか、向こうが見に来たと思うんですよ。それをちょっと思い出して。今たまたま音楽やってますので、そのへんからの音楽への期待があるんだろうな、っていうところですよね。
―― 皮茶パパさんって個人を宇宙人が見に来て、それで「この人に音楽を期待してる」っていうのはどうしてわかったんですか?
皮茶パパ たまたま僕はこの歳になって音楽シーンに出るようになって、「なんでだろうな」って考えるじゃないですか。それで全然売れずに町おこしで「GOOD MORNING KAMAGAYA」とか「COSPLAYER」とか意識せずにやるんだったらいいけど、嶺脇社長に褒められたり(注6)して盛り上がっちゃったじゃない? っていうことは、そこに何かがあるんだろうな、ってやっぱり感じちゃったんですよ。
―― で、宇宙人も来たと。
皮茶パパ 宇宙人はもともと来てる。今後僕らが分析室の研究することによって、成果が出るかはわからないですよ。でも非可聴音を研究する。
―― 非可聴音の有名な事例だと、ビートルズの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」には犬にしか聴こえない音が入ってますね。それに近い?
皮茶パパ 僕は意識しなかったけど、やっぱみんな考えてること一緒なんですよね。
―― 非可聴音は当然ながら人間には聴こえないわけじゃないですか。あえて非可聴音に挑戦するというのは?
皮茶パパ 今回「INTERESTING!!」で、梨GALSの人間の声が出ますよね。次にロボ声を入れてますよね。次に「ワンワンワワン」、これは爬虫類とか動物が入りますよね。っていうことは、人類との共存なんですよ。まず共存してるということを最初に言いたかったんですよ。生まれるときに人間も非可聴音を理解できてたかもしれない。よくお腹に入っているときに、なんか聴こえたとかありますよね。そのときにはそういう能力はあるかもしれないけど、退化してくるってことですよね。ただ退化しちゃったから他のものに頼るしかないわけですよ。宇宙からの通信が入ってきたときに、「こういうメッセージを発してるんだ」ってことを爬虫類とかが反応したら、それ爬虫類から教えてもらう。今度はまず爬虫類とのコミュニケショーンも大事だってことでちょっと書いておいたんですけど。
―― みんなで非可聴音の研究をすると。でも、研究成果を「じゃあCD化しよう」とか「ライヴでやろう」としても、その音は聴こえないわけですよね。
皮茶パパ それが面白いじゃないですか。「それをあえて聴くんだったらこういうふうになる」って。ダクトさん(=サウンドプロデューサーのPsycheSayBoom!!!)が非可聴音を入れたって言ってました。どの曲に入れたかはわからない。
―― もう非可聴音を今後ガンガン使う方向ですか? それは子供たち大人たち以外にも、もう動物にも爬虫類にも。
皮茶パパ そうですね。今回動物とか出てきたのはそれを意識してますね。植物もありますね。可能性があるのは何でもね。あえて言えば22世紀の音楽っていっても、もうあと86年しかないわけですよ。もう焦りますよね。その前にいっぱい宇宙から発信してたのに気付かなかったって残念じゃないですか。気づいたほうがいいし。こちらからも発信できるんだったら、もっといいことじゃないですか。
|