Financial Times

香港の民主主義の希望に中国が警鐘

2014.06.12(木)  Financial Times

(2014年6月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

元英国植民地の香港が政府トップの行政長官を選ぶ2017年の選挙の前にどのような普通選挙制度を導入すべきか議論するなか、中国が香港に対し、香港の民主主義には限度があると警告した。

 中国国務院(内閣に相当)は10日、香港の自治の自由は北京の中央政府の支配下にあるということを香港政府に再認識させた。香港は、英国が1997年に香港を中国に返還する前に鄧小平とマーガレット・サッチャーが合意した「一国二制度」の取り決めの下で統治されている中国の特別行政区だ。香港は同制度の下、北京中央政府の領域である外交・防衛政策を除き、行政区を自ら治める自由を持つ。

白書で香港の自治権を牽制、「決定権を持つのは北京」

 「香港特別行政区の高度な自治権は固有の権利ではなく、ひとえに中央指導部の承認に由来するものだ」。中国はこの問題に関する初の白書でこう述べた。

 1997年の返還の記念日である7月1日を前に公表された白書は、一部の人は香港を統治する政治制度と基本法について「混乱した、あるいは偏った」見解を抱いていると述べた。「セントラル占拠」という名の集団は今夏、指導者を自由に選ぶ権利を香港市民に与える普通選挙制度を求め、中心部のオフィス街でデモを行う計画だ。

 返還交渉に携わった中国の元政府高官は先週、抗議デモが暴動を引き起こすようなら、中国政府が香港に戒厳令を敷く可能性があると述べた。

 香港経済は中国への依存度を高めており、中国関連の金融サービスに対する需要の増加から、時計や粉ミルク、「iPad(アイパッド)」を買う中国人買い物客に至るまで、様々な動きに活気づけられている。

ろうそくの炎で犠牲者に祈り、香港で天安門追悼集会

6月4日、香港で、火を灯したロウソクを手に天安門事件の犠牲者を悼む集会に参加した人々〔AFPBB News

 だが、香港市民は、中国本土の人々が香港にかけていると思える圧力に不安を覚えている。香港政府は中国本土の人が香港で出産する越境出産を取り締まり、最近は、中国人観光客数に上限を課すことを検討している。

 だが、最大の懸念は、本土より自由であることを誇りとする都市の民主主義の未来だ。中国が先週、天安門広場での大虐殺の25周年を前に活動家を取り締まる一方、香港では何万人もの人が、殺された人たちを偲び、ロウソクを灯した徹夜の追悼集会に参加した。

 香港大学のジョン・キャロル教授は今回の白書を「典型…
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