党首討論:海江田氏「改憲発議を」 首相は明確答弁せず
毎日新聞 2014年06月11日 22時03分(最終更新 06月12日 01時08分)
安倍晋三首相と野党3党首による今国会初の党首討論が11日、開かれた。首相は、日本人を乗せた米国の船を自衛隊が防護する場合など、集団的自衛権の行使容認が必要な事例を挙げ、「憲法が国民の命を守る責任を果たさなくてよいと言っているとは思えない」と憲法解釈変更に改めて意欲を表明。民主党の海江田万里代表は「正々堂々と憲法改正を発議すべきだ」と安倍政権の手法を批判したが、首相は明確に答弁せず、議論の大半はすれ違いに。厳しい党運営を強いられる海江田氏が党首討論で形勢を変えるには至らなかった。
民主党内では、海江田氏の党運営に批判的な議員が代表選前倒しを模索している。集団的自衛権の行使容認に反対する近藤昭一元副環境相は「海江田氏は覚悟をもって言うべきことを言った」と評価し、松原仁国対委員長も「首相にきちんとものが言えたということで合格点だ」とかばったが、これで海江田氏の前途が開けたわけではない。党首討論の結果を「海江田降ろし」につなげようとする動きはある。
11日夜、若手衆院議員約15人が東京都内で開いた会合では、「代表は物足りなかった」という不満の声も上がったという。