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 関係の深い国が攻撃されたら、日本も一緒になって反撃する集団的自衛権。戦争に巻き込まれる可能性は高まるが、安倍晋三首相はその行使を認める閣議決定を、今国会中にも実現する勢いだ。かつて内閣の要職を務めた元国会議員に聞いた。「あなたなら集団的自衛権をどう考えますか?」

■加藤紘一元官房長官「外交は机上の空論でない」

 戦後日本の平和を守ったのは、田舎の保守系無所属の人たちです。惨めな戦場を経験し、戦後は黙々と地域に尽くし、この国を食えるようにした。世代交代で今、戦争を知らない政治家が国民をあおっている。

 僕の田舎の後援会事務長は16歳で少年兵になった。朝飯を一緒に食べた同期の仲間が隣で頭を撃ち抜かれて死んだ。いずれ自分も死ぬ。その前に恋がしたい。それで慰安所に行った。行列ができていて、「早くしろ」と後ろからせつかれる。ようやく順番が来てむしろの仕切りの中に入ったら、朝鮮の女性が死んだように寝ていたそうだ。「申し訳なかった」。戦後、心の中で女性に謝り続けていたんだ。