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【社会】

不正送金6億円関与か ネット銀被害金 中国人13人逮捕

 インターネットバンキングで不正送金された現金を引き出したなどとして、警視庁、千葉、神奈川など十都道県警の合同捜査本部は十一日、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)や窃盗などの疑いで、二十〜四十代の中国人男女計十三人を逮捕したと発表した。同庁などは、十三人を含むグループが昨年以降、約二百件、六億円の不正送金に関与し、引き出した金を中国に送っていたとみている。同一グループによる不正送金額としては全国最大規模。

 逮捕されたのは、現金を回収し中国に送る役の東京都江戸川区南小岩七、無職林秀美(リンシウメイ)容疑者(42)のほか、現金の引き出し役八人と銀行口座を開き仲間などに売却した四人。

 同庁によると、引き出し役は中国語のネットチャットの指示に従って、開設役らが作った口座から現金を引き出し、林容疑者に渡していた。引き出し役の報酬は10〜30%程度とみられる。引き出されたのは不正アクセスを受けた個人や企業のネットバンキングの口座から、利用者が知らない間に送金された現金だった。

 林容疑者は「中国にいる『社長』から電話で指示を受け、現金を送っていたが犯罪に関わる金とは知らなかった」と容疑を否認。同庁などは中国を拠点にした組織的な不正送金事件で他にも不正アクセスの実行役らがいるとみて捜査する。

 林容疑者の逮捕容疑では一月、江戸川区内の路上で、引き出し役が下ろした不正送金の被害金七十六万円を受け取ったとされる。

 警察庁によると、ネットバンキングの不正送金被害は今年一月〜五月九日で、八百七十三件、十四億一千七百万円に上り、昨年一年間の十四億六百万円を上回り、過去最悪になっている。

 

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