アドバタ会議

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【コラム】ソフトバンクモバイルの誤報記事から考える広報対応

By ventunication, 2014年6月11日


6月7日、こんな記事が掲載されました。

【BUZZAP】
ソフトバンクの新「スマ放題」に思わぬ落とし穴、3日間で1GB制限も家族でシェアすることが明らかに

BUZZAP編集部がソフトバンクモバイル広報に確認したところ、7月1日から開始する新「スマ放題」プランは、一つのパケット定額パックを家族でシェアする「家族データシェア」の場合、3日間で1GB以上通信した際に発動する通信速度制限が家族全員にかかってしまうことが判明したと記事では伝えています。

この記事が掲載されたのが17:37、しかしその後18:50にタイトルに「→SB側の間違いでした」と追加され、本文にも以下内容が追記されました。

「ソフトバンクモバイル広報室より「改めて確認しましたところ、規制に関しては家族とシェアするようなことはなく、通常の個人のお客さまと同様で、回線ごとに利用量を確認し、1GBないし2GBを超過した場合、該当する回線のみ規制する形となります」との電話がありました。」(記事から抜粋)

つまりソフトバンクモバイルの広報担当者の間違った回答がニュースとして掲載されてしまい、そしてSNSで多数拡散されてしまったわけです。

何故このようなことになってしまったのか実際のところは分かりませんが、
1) 広報担当者の勘違い・理解不足
2) 広報担当者のその場しのぎ
3) 当初は事実だったが、反響の大きさに急遽プラン内容を変更
などが推測されます。

トップの鶴の一声でさまざまなことが決まる社風を考えると本件については(3)の理由も考えられなくはないですが、(1)ないし(2)の可能性も十分考えられます。

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あくまで本件について実際のところは不明ですが、広報対応の“一般論”として以下考えてみたいと思います。

広報担当者は企業を代表するスポークスパーソンであり、その発言は企業の公式回答とみなされます。したがって曖昧な回答を避けるべく、案件のことについて十分に理解しておくとともに、問い合わせが来た時のためにきちんと回答案を準備しておく必要があります。

一方で内容によっては即答できない場合もあるでしょう。そのような時についつい「わかりません」と言えずに、間違った内容を回答してしまうケースもあるようです。しかしわからない場合には「その件については確認して折り返しご連絡させていただきます」と対応すれば、それで問題はありません。

ちなみに記者はどのような角度から問い合わせをしてくるかわかりませんので、案件単体だけでなく企業全般・事業全般についてもきちんと理解しておく必要があります。しかし先日の記者インタビューの際にも「案件の売り込みをしてくるものの、背景・経緯として企業全般・事業全般の話を質問すると何も答えられない“なんちゃって広報”が増えている」と嘆かれていました。そしてそれは、新卒や転職など入社間もない、企業・事業に関する理解不足の社員を安易に広報担当者にする傾向が高まっているせいではないだろうかと付け加えられていました。

なんでもかんでも「わかりません」でも困ってしまいますし、かといって間違った内容を回答しても意味がありません。そのようなことを避けるためにも、普段から企業・事業全般について理解を深めておくこと、案件発表時はプレスリリースを作成・配信しておしまいではなく、問い合わせが来た時のためにきちんと準備をしておくこと、そして答えられない内容は「確認します」と即答を避けること。別に特別なことではなく、当たり前のことばかりですね。

“パブリシティ”は報道を獲得することが目的ではなく、あくまできちんと正確な情報が報道されなくては意味がありません。そして正確な情報を報道してもらうためには、広報担当者が正確な情報を提供する以外ありえないわけです。

 

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