自分自身のことを全て大好きな人はめったにいません。
話し下手なところが嫌だとか、内気なところが嫌であるとか、太っているのが嫌だとか、とにかく何らかのコンプレックスを抱え込んでいるものです。
非の打ちどころのないような美男・美女でさえ、どこか一つくらいはコンプレックスを抱えているものです。
たいていの人は自分の「弱み」となる部分を何とかして隠そうとするのが普通です。
しかしながら自分の弱みはむしろ積極的に売り込んでいった方がいいのです。
弱みというのは信じられないかもしれませんが武器にもなるのです。
自分の弱さをさらけ出すと、相手はどう評価するでしょうか。
おそらく「ダメなやつだな」とは思わず、むしろ「正直な人なんだな」と思ってくれるはずです。
弱み、欠点、コンプレックスを自分から暴露するのは、誠実さのアピールになるのです。
ほとんどの人は、自分の弱みを隠そうとするので自分から明らかにしてしまったほうが、いい意味で目立つのです。
心理学者、ロバート・A・ジャカロンは、あるプロジェクトマネジャーについての紹介文大学生に読ませて評価してもらう実験を行いました。
その紹介文は2種類用意されていて、一つは自分の弱みをバラしてしまうもの、もう一つはバラさないものでした。
それから、その人物について大学生に評価させると、弱みをバラシてしまう方が、3割近くも好意的に評価されることが判明したのです。
そもそも弱みというものは隠そうとしても、どうせそのうちばれてしまうことが多いです。
それならいっそのこと、自分からバラシてしまった方が潔いですし、それが好意的な評価となって返ってくるのですからそうしたほうがいいのです。
また、自分の弱みを隠そうとすればするほど、気持ちが沈んでしまうと警告する心理学者もいます。
心理学者、ケネス・M・クラマー博士によると、本人が弱さを隠せば隠すほど「僕は駄目な奴だ」とか「何をやってもうまくいかないんだ」という抑うつ度が高まってしまうそうです。
隠し事をしていると、発想がどうしても後ろ向きになってしまい、前向きな姿勢になれないというのです。
自分のことを隠そうとすると、気分が滅入ってしまいますし、どうしても臆病になってしまいます。
自分の弱みを隠さずに開けっ広げに話してしまった方が、かえって相手からは好ましい評価を受けますし、自分自身の心もすっきりするものなのです。