「禁煙したいけど難しい」という友人がいたので、書いてみます。
コウモリは昔、タバコを吸っていたことがあります。たしか、マルボロかマルボロライトを毎日20本くらい吸っていました。
それで、「禁煙したら?」と周りに言われたのをきっかけに、タバコを吸うのを止めることにしました。とはいえ、ニコチン中毒から抜け出すのはそう簡単なことではなく、本気で「禁煙」に取り組まないと成功しませんでした。
ここでは、本気で取り組んで禁煙に成功したときの方法を書きます。なお、コウモリは基本的にお金がない状態で暮らしているヒトなので、無料の方法です。
僕の場合
コウモリが採った方法は3つだけです。
①まず、タバコとライターと灰皿を捨てました。
②そして、タバコを吸いたいという気持ちになったときには、「タバコ気持ち悪い」という感情を引き起こすようにイメージコントロールをしました。
③最後に、「タバコ気持ち悪い」と思うことで喫煙を我慢できた回数をカウントしました。
具体的に説明します。
①タバコとライターと灰皿を捨てる
まずは、タバコを吸えない環境を作ることが重要だと思います。
I can't smoke.
そのために、タバコ・ライター・灰皿を捨てます。
コウモリの場合は、それだけで上手くいきました。
もし、それでも難しいという人は、次のステップを足してもいいかもしれません。
・新しいタバコを買うお金を持たない。
・新しいタバコを買えるお店に寄らない。
・新しいタバコを提供する悪友と離れる。
・もしくは、手っ取り早く、入院する。
②タバコを気持ち悪いとイメージする
次に、タバコを吸いたいという気持ちに対処することが重要だと思います。
I won't smoke.
喫煙習慣がある人のアタマには、「タバコは美味しい」というイメージが植えつけられています。これを覆すため、徹底的に悪いイメージを植え付けます。
このときよく使われるものとしては、身体的な損失を考えること「肺がんの危険性が2倍から4倍になる」や、経済的な損失を考えること「1日1箱500円くらいとして年間20万円弱の無駄遣い」などがあるかと思います。
ただ喫煙者にとって、これらの情報は耳タコなので、効果がない場合もあります。「あなたの肺がこんなに汚くなるのよ」という写真も効果を持たない場合もあります。コウモリが、そうでした。そこで自分には、もっと直接的なイメージコントロールが良いと考えました。
タバコが吸いたいという気持ちになったときには、無理やりに「気持ち悪いイメージ」を喚起することにしたのです。ここから具体的に書きますが、そのイメージを聞くだけで気持ち悪くなる方もいらっしゃると思うので、見たくない方はここを飛ばしてください。
コウモリにとって気持ち悪いものといえば、ゴキブリです。そこで、ゴキブリを利用することにしました。ちょうどタバコにはゴキブリと同じような色をしたものが詰まっています。
一本のタバコには、乾燥した葉っぱらしきものが無数に詰まっているが、それらは実はゴキブリの肢なのだ。排水溝から出て来たばかりの、汚物にまみれたゴキブリの肢を引き千切ると、その体内から黄色か緑色かわからない気持ちの悪い体液が飛び出す。その液体に浸したゴキブリの足を乾燥させて白い紙でくるんだものがタバコなのだ。もし、タバコに火を付けるとどうなるか。白い紙にくるまれて、無数のゴキブリから引き千切られた無数の肢が熱くなる。すると彼らは、再び命を持ったかのようにチリチリと蠢き始める。いくつもの汚物にまみれ、いくつもの死骸の上を這い回ってきた肢が、煙へと変わっていく。煙草の火を消すために水に浸してみると、黄色く濁る。その色は、ゴキブリの抉れた臓器から飛び出した黄色い体液の色なのだ。喫煙者の肺や、喫煙者の部屋の天井が、黄色くネバネバしている様子なのは、ゴキブリの体液をぶちまけているからなのだ。
この想像をしている途中で、だいたい「オエーーーッ」と吐き気がしてきます。タバコを吸いたくなる度に、この想像をパブロフのように繰り返すことで、「タバコ→美味しい・吸いたい」だったアタマの回路が、だんだんと「タバコ→気持ち悪い・吐きそう」という回路に切り替わってきます。
個人的に、このイメージコントロールはめちゃくちゃ効果がありました。ゴキブリが効かないひとは、とにかく自分が気持ち悪いと思うものを代入してみれば良いと思います。
③セーブ成功回数を数える
そして、このイメージコントロールなどによって「吸いたい」という気持ちに勝利した回数をカウントしていきます。
喫煙者であれば、様々なタイミングで「タバコ吸いたいなー」という気持ちになると思います。朝起きた後、食事の後、勤務の後、お風呂の後。。。禁煙するためには、これらのときに我慢することが必要です。その「我慢した回数」をカウントするのです。
禁煙というと、どうしても吸う回数を数えてしまいがちです。そして、たった1本吸うだけで禁煙は失敗になってしまうから、常に0か1かの厳しい戦いを強いられてしまいます。このディフェンスの戦いは非常にネガティブ。
そこでコウモリは、「吸いたい」と思った気持ちをセーブできた回数をカウントしていくことにしました。そうすると、「よし、これで13回も我慢した」という風にポジティブなカウントが積み重ねることができ、禁煙のモチベーションを保ちやすくなると思います。
まとめると、短期的な心理操作としてゴキブリイメージを使い、長期的な心理操作としてセーブポイントを使う、というのがコウモリの作戦でした。
注意点
たった1本でも吸ってしまうと再びニコチン中毒に逆戻りしてしまうので、気を抜かないことが重要だと思います。
最初の3日くらいが禁煙の山場と言われますが、コウモリの場合は、そこまでに10~20回のセーブポイントが溜まりました。そして、この期間に「タバコ=ゴキブリ」というイメージと嫌悪感を植え付けることに成功したので、あとの期間はほとんど何もしなくても禁煙できました。
ときどき、週に一度くらい、ふとした瞬間に「タバコ吸いたいなー」という気持ちが出てくることがありましたが、その都度、吐き気を催すレベルまでのイメージ喚起をすることで、吸いたいという気持ちを封殺しました。
何かを我慢すると、その何かを余計にしたくなる。それが人間の常です。
そこで、吸いたいという気持ちを我慢して代償行動をとるのではなく、吸いたいという気持ち自体を「生理的なレベルで」封殺したことが自分の場合の成功要因だったと思っています。
一般的には
なお、最後に一般論を書いておきます。
「タバコを吸いたい」という気持ち(I will)があり、「タバコが吸える」という環境(I can)が整っていることが、喫煙習慣の原因になっているので、その両方をブロックする必要があると思います。
①身体的:タバコを吸えない・吸いづらい環境を作る I can't smoke.
②心理的:タバコを吸いたいという気持ちに対処する I won't smoke.
①タバコを吸えない環境を作る I can't smoke.
(再掲)
まず、タバコ・ライター・灰皿を「捨てる」。
次に、新しいタバコを買うお金を持たない。
又は、新しいタバコを買えるお店に寄らない。
更に、新しいタバコを提供する悪友と離れる。
どうしても、という場合は「入院する」という方法もあります。
②煙草を吸いたいという気持ちに対処する I won't smoke.
この場合は2つ方法があります。
A:代替行動で我慢する。
・深呼吸
・運動する
・ガムをかむ:口寂しさを紛らす方法です。
・悪口を言う:村上春樹さんの方法です。悪口でストレス発散。
B:吸いたい気持ちを消す
身体的な損失を考える:肺がんの危険性が2倍から4倍に
経済的な損失を考える:1日1箱500円くらいとして年間20万円弱
生理的な嫌悪感を植え付ける:上記のコウモリが採ったような特殊な方法
どんな方法でも上手くいくときは上手くいくし、上手くいかないときは上手くいかないものだと思います。この記事ではコウモリの採った特殊な方法を紹介しましたが、自分に合った方法が見つかるまで、いろいろと試してみるのが良いのではないでしょうか。