指揮者だって人間だ

晴れた日には洗濯を。

不快に感じる謙遜

私はよく必要以上に謙遜してしまい「いやいやこちらこそ」と謙遜合戦になってしまうことがあるのですが、謙遜にも聞いていて不快になるものとそうでないものがあるよなあと思います。
先日ちょっと卑下が過ぎて人を不快にさせるかもというケースに出会ったので、謙遜について私が感じていることを書いてみました。

とあるブログで、女性が自分のことを「ババア」と言っている記事を見ました。
たしか「私だってババアだし若い子と比べられても困る(笑)」みたいな文脈だったと思うのですが、正直読んでいて気持ちのいいものではない。
少しそのブロガーさんが苦手になりました。
たとえ自分を卑下する言葉であってもブスとかババアとかハゲ親父とかの明らかに侮蔑的な言葉は不快になります。

これは私が考えるに理由が3つありまして、一つ目は単に汚い言葉を使う人が下品に見えるから。
一定の品性を持っている人であればそもそも頭に浮かばないような言葉を口にするということは、その人は品性がないと見られてもしょうがありません。
二つ目は卑下しているようで他の人も傷つけているから。
「私みたいな40すぎのババア」と言われると、「え、わたし42だけどババアって呼ばれるような年齢なの?」と人によってはとられます。
自分のことを貶めているようで実際は自分と同じクラスタの人を攻撃している。
三つ目は「どうせお前もそう思ってるんだろ?」というニュアンスが含まれているから。
「私ってもうババアじゃない?」という人は暗に「お前は私のことをババアだと思っていると思うけど」と同じことを言っており、「お前は人のことを年齢で判断し侮蔑する人間だ」ととらえられかねません。

テレビに出ている芸能人ってそういう意味では自虐がとても上手で、マツコデラックスも自分のことを「ほら、私ってこんな体型じゃない?だからお肉大好きとか思われるのよね」とは言いますが「私ってすんごいデブじゃない?デブだからお肉大好きとか思われるのよね」とは言いません。自虐的に発した言葉であっても、誰かを傷つけることがあるということをよく知っているのだと思います。

必要以上に自分のことを貶める人は見ていて悲しくなります。
そんなに私はあなたのことをひどいとは思ってません、ババアなんて一度も思ったことありませんと感じてしまう。
私もどちらかというと謙遜ばかりしてしまうタイプなのですが、謙遜にもいいものと悪いものがあり、悪い謙遜は相手を不快にすることがあると私は思います。

自ら歴史を貶める日本人 (徳間ポケット)

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