ハッカーがトイレ見張っている、コネクティッドホームの恐怖
6月11日(ブルームバーグ):ある日家に帰ってきたらアイロンがつけっぱなしになっていて服が焦げていた-。そんな出来事が自分の「うっかり」のせいではなくなる日がやってきそうだ。
今後数年の間に、スマートフォンが玄関に鍵をかけ、エアコンのスイッチを入れ、牛乳の賞味期限が切れていないかをチェックし、アイロンのスイッチを入れて熱くしておいてくれることが可能になる。ただ、この便利さは同時に、犯罪者が家の鍵を開け、家族の様子をうかがい、自家用車を動かして盗んでいくことも可能なことを意味する。
シアトルを拠点とするハイテク保安会社、IOアクティブの最高技術責任者、ギュンター・オルマン氏は、「こうした技術が進歩すればするほど、さまざまな脅威が生じてくる」と話す。あらゆる機器、装置が接続されている世界では、「悪者が四六時中あなたの家の中に入り込んでいることが可能だ」という。
業界言葉でいう「モノのインターネット」はハイテク界の次の富の源ともてはやされている。2020年までには、現在の30億個に対して約260億個の機器がインターネットに接続されているかもしれないと、調査会社ガートナー は見積る。これはその時使われているとみられるスマートフォン、タブレット型端末、パソコンの数のほぼ4倍だ。
目指すところは、車から冷蔵庫、照明、トイレまで、ほとんどあらゆる物を接続することだ。トイレを流し忘れたならアプリケーションにお任せだ。
乗っ取り問題はトイレや冷蔵庫、ベビーモニターのメーカーにとって、データ保護は通常、最優先課題ではないことだ。しかしこうした機器のセキュリティーが万全でないと、悪人が家庭生活を脅かし、貴重な個人データを手に入れ、盗んだ情報を種にゆすりを働いたりすることができてしまうとオルマン氏は指摘する。
サイバー犯罪からの企業の自衛を助けるトラストウエーブ(シカゴ)は日本のメーカー、リクシル・グループ製のトイレをコントロールするブルートゥース接続を試しに乗っ取ってみた。こうするとハッカーはトイレのふたの開け閉めからウォシュレットの操作までできてしまう。
ハッカーは特別なリモート接続を使ってスマートフォンをトイレに接続しなければならないので、トイレの「乗っ取り」は難しく悪用は非常にまれだとリクシルは説明している。
原題:Even Toilets Aren’t Safe as Hackers Target ConnectedHomes: Tech(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Amy Thomson athomson6@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Kenneth Wong kwong11@bloomberg.netMark Beech, David Rocks
更新日時: 2014/06/11 16:13 JST