Updated: Tokyo  2014/06/11 19:51  |  New York  2014/06/11 06:51  |  London  2014/06/11 11:51
 

少子高齢化進むドイツに人材危機-有権者は移民受け入れに傾く

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  6月11日(ブルームバーグ):欧州で最も少子高齢化が進むドイツは移民を必要としている。といっても移民なら誰でもいいというわけではない。シアオチュン・クレバー氏のような有能な人材が欲しいのだ。

コンピューターサイエンティストのクレバー氏は1991年に中国での研究を捨て、ドイツにやって来た。当時の中国の最高実力者、鄧小平氏が率いる国に展望が持てなかったのだ。移住当初は苦労が続いた。

ドイツ北部の大学都市、ゲッティンゲンでの日々を振り返り、「私は退屈な国に来てしまった。青春を無駄にした」と父親に告げたと語るクレバー氏は、「土曜日の午後1時になると店が全部閉まってしまい、日曜日には全て閉店することにショックを受けた」と話す。だが同氏はドイツにとどまり、独ソフトウエア企業SAP で昇進を重ねた。そして今年1月にはテレビ放送などを手掛ける独民間企業のプロジーベンザット1メディア の最高技術責任者という要職に就いた。

エコノミストらの試算では、ドイツでは2010年代末までに資格を持つエンジニアや数学者、コンピューター技術者、科学者が100万以上減る公算が大きく、人材危機に直面している。クレバー氏のような有能な人材の流入がなければ、ドイツの産業とエンジニアリングの将来が危うくなることを人口動態は示している。独経済を支えるのはフォルクスワーゲン(VW)やシーメンスといった国内の優良企業のみならず、技術革新の多くを担う何千という中小企業だ。

ミュンヘン工科大学のウォルフガング・ヘルマン学長は、「ドイツ経済にとって大きなリスクだ。最良の労働力を探し出すための勇気を持つ必要がある。有能な人材をドイツに迎え入れるためにもっとリベラルになり、こうした移民を歓迎するカルチャーを築くべきだ」と述べる。同大学は米アルコアのクラウス・クラインフェルト最高経営責任者(CEO)のほか独BMWのCEO3人を輩出している。

先月の欧州議会選挙では、ドイツの有権者は同教授のメッセージを受け入れる姿勢を示した。欧州大陸の多くの国で移民反対を掲げる政党が躍進したのに対し、ドイツでは高い技術を持った労働者の移住を支持する政党が勢力を伸ばした。

だが道のりは遠い。13年10月の調査によれば、ドイツでは留学生の数は増えているものの、そのペースは他の経済協力開発機構(OECD)加盟国より鈍い。各国の市民権付与の手続きを評価するためブリティッシュ・カウンシルと移住政策グループがまとめる移民統合政策指数によれば、ドイツは米国やカナダ、オーストラリアに後れを取っている。

原題:Losing One Million Scientists, Germany Turns toImmigrants: Jobs(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:Munich Alex Webb awebb25@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rick Schine eschine@bloomberg.netMarthe Fourcade

更新日時: 2014/06/11 15:28 JST

 
 
 
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