九条の会:設立10周年で大江、奥平、澤地3氏が首相批判
毎日新聞 2014年06月10日 21時31分(最終更新 06月11日 00時19分)
憲法9条の堅持を訴える市民団体「九条の会」の設立10周年を記念する講演会が10日、東京都渋谷区の渋谷公会堂で開かれた。会の呼びかけ人で、ノーベル賞作家の大江健三郎さんや東京大名誉教授の奥平康弘さん(憲法)、作家の澤地久枝さんらが2000人以上の参加者を前に、集団的自衛権の行使容認に積極的な安倍晋三首相を批判した。
大江さんは「安倍という人は、自分の言ったことが市民や専門家に受け入れられなくても平気だ。集団的自衛権の行使容認が実際のものとなる危機が続いている。一度認められれば、集団的自衛権は動かせぬものとなる」と訴えた。
奥平さんは「集団的自衛権は憲法9条を否定する概念で、これはつぶさなければいけない」と主張。澤地さんも「憲法9条のどこに、集団的自衛権を認めるよう解釈できる余地があるのか。平和を求める市民の心を踏みにじっているのが安倍さんだ」と語った。【野島康祐】