松村愛
2014年6月11日07時51分
民主党の保守系議員有志が10日、集団的自衛権を限定的に使えるようにすることを認める「安全保障基本法案」の草案をまとめ、党執行部に届けた。党は行使の是非について見解をまとめておらず、11日に国会の党首討論に臨む海江田万里代表に対し、反対と受け取られるような発言をしないよう牽制(けんせい)する狙いがある。
草案は、現行の憲法解釈の範囲内で集団的自衛権の行使を限定的に認め、「我が国と密接な国への直接の武力行使が発生」「合理的に必要と判断される限度を超えない」など4要件を明記。憲法に準ずる基本法であらかじめ国会として武力行使に制限をかける狙いがある。武力行使を伴う集団安全保障活動への参加も、4要件に合致して自衛権の発動が認められる場合に限り認めるとした。
草案をまとめたのは松本剛明元外相、長島昭久元防衛副大臣ら。基本法制定は2005年に党がまとめた憲法提言に明記しているが、党執行部は今国会への提出に難色を示している。このため、松本氏は10日、桜井充政調会長に草案を報告し、基本法案をまず党内で議論するよう求めた。
党内では、野党再編や集団的自衛権の行使に消極的な海江田氏の退陣を求める動きがあり、党首討論で行使の是非について立場を明確にするよう迫る狙いがある。一方で、行使に反対するよう求める党内リベラル勢もおり、桜井充政調会長は記者会見で「海江田代表と検討し、何らかの形で(党内の)議論を開始するように考えていく」と語るにとどめた。(松村愛)
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