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 安倍晋三首相は10日、自民党の高村正彦副総裁と首相官邸で会談し、武力で他国を守る集団的自衛権を使えるようにする閣議決定を22日までの今国会中に行うため、公明党との協議をまとめるよう正式に指示した。首相側は公明党に対し、13日に閣議決定案の協議に入るよう求めており、これに公明党がどう対応するかが焦点になっている。

 首相は10日午後、自公が安全保障政策の見直しを話し合う「安全保障法制整備に関する与党協議」が終わった後、高村氏と首相官邸で会談した。首相は高村氏に加え、谷内正太郎・国家安全保障局長や、兼原信克・内閣官房副長官補らも呼び、閣議決定案の最終調整を行った。

 その席で高村氏が「思うようには、うまく進んでいない」と与党協議の進み具合を説明した。これに対し、首相は「今国会中に『集団的自衛権』という言葉をしっかり入れ、自公が合意できるよう頑張って欲しい」と求めた。会談後、高村氏は記者団に「時間をかけないで結論を出してほしいというのが首相の強い希望だ」と述べた。