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 憲法9条を守ろうと2004年に設立された「九条の会」は10日、発足10周年の記念講演会「集団的自衛権と憲法9条」を東京・渋谷公会堂で開き、ほぼ満席の約2千人が耳を傾けた。

 会の呼びかけ人で作家の大江健三郎さん(79)は、集団的自衛権が使えるようになることを目指す安倍晋三首相を「自分の望むことだけを言うグループの案を、閣議決定しようとしている」と批判。仮に集団的自衛権を使って自衛隊員が死んでも、「政治家は反省せず、『国際的に認められた権利で殺された』と強く言うはず。もうこの国から動かせないものになる危機が迫っている」と話した。

 呼びかけ人では、作家の澤地久枝さん(83)と憲法学者の奥平康弘さん(85)も登壇。奥平さんは安倍首相が掲げる「積極的平和主義」を取りあげ、「平和主義とは戦争の準備をもしないこと。逆行した動きをとっており、言葉でだまそうとしている」と訴えた。(東郷隆)