小学生の頃からの阪神ファンという同志社大政策学部の多田実教授は、10年以上前に別の大学で勤務していた際、「阪神が勝ったときにうれしくて、通常は抜き打ちで行う授業の出欠確認を、次回はいつやるか告知したことが1度だけある」と振り返る。
ただ、関西の大学教授としては先駆的に4年前からツイッターで情報を発信している多田教授は「場を共有していれば雰囲気で冗談とわかる発言でも、ツイッターの短い文章と写真では、第三者に別のニュアンスで伝わることがある」と、発信には細心の注意が必要だという。
かつての牧歌的な単位の認定方法が、一掃されようとしていることも背景にある。
国際化が進展する中、文部科学省は、日本の大学に対して「授業に出席しなくても単位が取れる」「勉強しなくても簡単に卒業できる」などの批判が寄せられた点を憂慮。平成19年に大学設置基準を改正し、授業の年間スケジュールや毎回の講義内容を学生に明示することを大学側に求めている。
また、講義の前提として読んでおくべき文献を指示することや、単に授業に出席するだけでは理解できない授業外での学習を必要とする授業内容の構築が「教員の責任」とされている。
多田教授も「5〜6年前から大学事務局からの注文が厳しくなった。休講すれば必ず補講を行い、簡単に単位は認めない。昔ののんびりした雰囲気ではなくなっている」と指摘し、今回の阪大の“特例”について「砂漠の中のオアシスというか、息苦しさのなかの反動としてのジョークかもしれない」と見る。
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