消費税増税案、民主党が決定:識者はこうみる
民主党の消費税増税案が法案として成立するかどうかは極めて不透明だ。自民党や公明党の反対が予想されるほか、民主党でもさらに離党する議員や、離党せずとも内部で反対者が出る可能性が大きい。
ただ法案が成立しなくても、ギリシャのように財政懸念で国債が暴落するということはないだろう。来年も欧州債務問題がマーケットの最大の焦点になるとみられるが、信用リスクが高まった場合、マネーは債権国や経常黒字国に逃避する傾向が強い。また貸出が低迷するなかで、国内銀行は巨額の資金を流動性の高い国債で運用せざるを得ない。財政健全化は長期的な課題ではあるが、2012年に関しては国債暴落の可能性は低いとみている。
●政権が代わっても引き継がれるシステム必要
<野村総研 金融ITイノベーション研究部主席研究員 井上哲也氏>
財政再建問題のうち税収だけを切り離して考えると、消費税引き上げは誰かが手をつけなければならない問題だ。タイミングや手段などは別として、足元の財政状況を放っておくわけにはいかない。短時間で決着する話ではなく、時間をかけて財政再建を進めるとの方針を示しており、それ自体は悪いことではない。景気への影響を考えると1回での引き上げは現実的ではなく、段階的にせざるを得ないだろう。
財務省や民間の財政見通しなどでは、景気が回復しても税収が必ずしも増えるわけではないので、景気が回復したときに税収に結びつくシステム考えるべきだ。消費税なら景気が回復すれば消費が増え、その分税収も上がる。この仕組みは悪くない。限られた手段のなかでは仕方ないのではないか。政権が代わっても新政権に引き継がれることがコミットされるぐらいでなければならないと思う。
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