多賀城市新図書館 「CCC指定管理者に」条例案提出へ
宮城県多賀城市の新市立図書館計画で、市は11日開会の市議会6月定例会に、レンタル大手TSUTAYA(ツタヤ)展開のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を指定管理者とする条例案を提出する。図書館はJR仙石線多賀城駅近くに建設される駅北再開発ビルに入る予定で、可決されれば中心部の再開発が完成に向け大きく動く。
CCCが公立図書館の指定管理者となれば、佐賀県武雄市、神奈川県海老名市に続いて全国で3例目となる。
再開発ビルは地上3階、延べ床約6700平方メートル。第三セクター多賀城駅北開発が建設し、建物の北側部分にはCCC直営の「蔦谷書店」やカフェなどが入る。
同市伝上山から移す図書館はビル南側部分に入る。CCCの計画では開館時間は午前9時〜午後9時半で、現図書館の午後5時までから延長。年中無休で、年間120万人の利用を見込む。
中心部の再開発事業はこれまで、JR仙石線の連続立体交差などが完成。市は再開発ビルの整備に向けて入居事業者を探し、CCCに出店を打診。誘致決定に合わせ、図書館運営との相乗効果を期待し、4月に非公募で指定管理者の候補にも決めた。
新図書館には期待が寄せられる一方、「初めにCCCありきだ」との批判が一部にある。6月定例会では共産党市議団が反対する方向で、関係議員は「出店するから図書館もCCCに任せるというのは安易すぎる」と強調。これに対して市教委は「民間のノウハウとネットワークを活用し、サービスの向上を図る」と説明する。
市は9日、CCCを指定管理者とする条例を含め6月定例会に提出する37議案を発表した。14年度一般会計補正予算では11億6907万円追加し、再開発ビルの建設負担金などを計上。来年3月に多賀城駅前に設置予定の震災モニュメント建設費2500万円も盛り込んだ。
2014年06月10日火曜日