「内定ブルー」をどう解決する?:バカリズム×中川翔子×千秋の就職に対する考え方が三者三様でおもしろい

ブルー

ニッポン放送バカリズムのオールナイトニッポンGOLD』の2014年6月9日放送分よりピックアップ。

 

【しゃべるひと】

  今回は、ゲストに中川翔子さんと千秋さんをお迎えしてのお話。まずはこちらのリスナーからのメールをご覧ください。

リスナー:私はいま大学4年生で就職活動をしています。12月の解禁日から毎日慣れないスーツやパンプスを履いて活動してきました。

何回か心が折れそうになりながらどうにか2社の内定を頂きました。よく「納得いくまで就活は続けよ」と言いますが、内定をもらったところで思ったのです。「これが私の納得いくところなのだろうか?」と。悩み始めるとだんだん、何のために社会人になるのかすらわからなくなりました。社会経験豊富なお三方に「働く」とはなにか、お聞きしたいです。

 

うーん、こういう悩みって就活生みんなが抱えるものなんでしょうかね。そもそもなんでこの段階になって行くかどうか思い悩むようなところを受けるのかぼくにはわからないです。ただ、「内定ブルー」みたいな言葉もあるくらいなので一般的なのでしょう。

今回はこちらのメールに対するお三方のリアクションをご紹介します。

 

「このままじゃ普通のOLになっちゃうじゃん」 

千秋:私も短大を出たときに2社内定を貰って、同じ気持になった。

バカリズム:あっ、そうなんだ!

千秋:小さい時から歌手になりたいって言ってたのに、「普通にこのままOLになっちゃうじゃん」って。

夏に内定をもらってたんだけど、大学だから卒業まで「遊んでいいよ」って親に言われて、さっきみたいに「普通のOLになっちゃう」って思ったときにオーディション番組をテレビで見て、就職活動で使った履歴書に写真を張り替えて、送って…、って結局こっちの道(芸能界)に来たんだけど。

中川: すごいなやっぱり。タイミングを行動力と。

千秋:でも、私にとっても最後のチャンスだと思って。(メールをくれた)彼女もあと半年でそうなっちゃうじゃん?

バカリズム:そんな話したら余計迷わせちゃいますよ。

千秋:だから、ほんとにやりたいことないのかな?

中川: ほんとうは「これがやりたい!」みたいなのがあるのかな。

バカリズム:理想がね。「どうせ私なんか無理」ってブレーキかけてるところもあるかもしれないけど。

千秋:それでさ、来年ヒットチャート賑わしてるかもしれないじゃん。

バカリズム:なればいいけど、全然売れなくてずーっと…っていうパターンも。だって一握りだから、千秋さんの例も。

中川: 宝くじより難しいことを成し遂げているわけですからね。不思議だなぁ。

 

香港でご飯を食べてたら…

バカリズム:しょこたんは?

中川:私は就職活動したりとかしてないんですよ。

バカリズム:あれ?いつから?

中川: 17歳のときにデビューをしてるんだけど、そのときは今よりさらにネガティブで世界中を呪ってたし、自分のことも呪ってたし、呪いのノートを作って黒鉛で塗りつぶしてたし、庭で燃やしたり…。

そんな感じだったくせに、芸能界ででいっぱい人に会ったりとかなんて1ミリも思ってなかったんですけど、たまたま香港でご飯を食べてたらジャッキー・チェンさんがいらっしゃって…。

バカリズム:香港?えっ、香港でメシ食ってたらジャッキー・チェンが声かけてきたの?

中川:声掛けてきてくれて。

単なる日本の変なファンなだけなのに、しかも食事中だったから嫌だろうに、ご飯も奢ってくださって。

バカリズム:えぇ!?

中川: それで、「またね、ちゃんといっぱい食べるんだよ」って言って去って行かれたジャッキーさんに直接ありがとうを言える仕事に就きたい!、となんとなく思って。

そのときも本当は「死にたい」と思ってたから、母が「じゃあ、大好きな香港に行こうか」って連れてってくれて。少しでも時間がズレてたらそうなってなかったし、性格でいうと芸能界なんて向いてるわけないんですよ。

『オールスター感謝祭』とかでもどんなに努力しても「ぼっち」って言われるし、

バカリズム:あっはっはww

中川:だから、未だに芸能界にいるのが不思議なんだけど、この仕事じゃなかった場合が想像できないくらいになっていたりして。学校で「てめぇ、キモいんだよ」って言われてたことがアリだったり。

 

とりあえず、やってみれば?

バカリズム:おれは、ふたりの話を聞いてこの例はとてつもない稀だから、現実を見て就職した方がいいと思います。

千秋:えぇ〜夢がない!

バカリズム二人もさんざん見てきてるでしょ?言ったら、ここにいるだけでも一握りじゃないですか。確率的には成功しない方が。

千秋:でも、だれかがそこに賭けなきゃ勝てないわけじゃん。

中川: 宝くじ買わないと当たらないのと一緒かな?

千秋:私もお父さんに言われたんだもん、「そんなの歌手なんて何万人に1人なんだから、趣味でやりなさい」って。

バカリズム:そうそう。

千秋:で、1回就職決まったんだけど忘れられなくて勝手に自力でやって、オーディションで本当に何回か受かってテレビに出るときに白状したの。

でも、それくらい「ダメだ」って言われたけど、やらないで後悔するよりやって後悔した方がマシ、って思ったの。

中川: それはでも、人生って有限だしいつ死ぬかわからないから、その「何か」をした方がいいかも。

バカリズム:悩んでるってことはそうかもしれないですね。

千秋:3月31日までなかったら、4月1日から働けば。探すだけ探して。

中川:会いたい人には生きてれば会えるし。

バカリズム:わかんないって。(笑)

千秋:私も掛布に会えたもん(笑)

バカリズム:稀なんだって二人はw

(略)

千秋:それは、だから働きながら見つけるんだよ。今知らなくていいんだよ。

バカリズム:なるほど。

中川:働いてみて、「やっぱり向いてない」っていって辞めるのも勇気がいるし、なかなかできないけどそれを選択する人もいるわけだしね。

千秋:やってみてから考えたらいい。

中川: やんないで考えるよりね、なんでもやってみてからかなぁ。

バカリズム:ということです、頑張れ!(笑)

 

しょこたん、そんな過去があったのか…この数分のお話の間にいろんな驚きがあります(笑)

ぼくが一番意外だったのが、途中のバカリズムさんの「現実を見て」というフレーズ。非現実、「夢」を追いかけるちうフレーズとともに出てきがちな「芸人」という職業に就いているバカリズムさんだからこそこれは結構びっくりしますね。

おそらく、バカリズムさんの場合は、自分が自らそういう世界に飛び込んで、売れずに辞めていった芸人を数多く見てきたからなのではないかと推測します。「売れるのはごく一部だから、やめておいた方がいいよ」というニュアンスですね。

ただ、そうやって勇気を持ってそういう世界に飛び込んでチャレンジした人って、得てして「いや、なんでもやらずに後悔するよりやった方がいいよ」って言うものだと思っていたので、余計に驚きました。まさにここでいうしょこたんと千秋さんのような方ですね。

超・現実的なのか、なんなのか…。ここらへんの感覚はほんとに人によって極端に変わってくるので非常におもしろいテーマですね。

 

【書いたひと】

下津曲浩(@H_shimotsu

「ラジおこし」編集長。93年生まれの現在大学4年。好きなラジオ番組は『オードリーのオールナイトニッポン』、『ラブレターズのオールナイトニッポン0』です。お笑い芸人の単独ライブを見ることが生きがいです。

  


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