外国人技能実習制度:「優秀な実習生は最長5年に延長」

毎日新聞 2014年06月10日 21時51分(最終更新 06月11日 11時40分)

 法務省によると、昨年1年間に確認された賃金未払いなどの受け入れ先の不正行為は230機関、366件に上った。実習生に最低賃金法のような労働関係法令が適用されるようになった2010年にいったん減少に転じたが、11年以降は3年連続の増加となっており、分科会メンバーからも制度廃止を求める声が上がった。制度拡充で外国人の低賃金労働がなし崩し的に広がるという懸念を払拭(ふっしょく)するためにも、実効性のあるチェック体制の構築が欠かせない。

 日本は働き手不足という課題を抱えている。政府は東日本大震災からの復興や東京五輪の関連工事のために、建設業に限って実習期間を事実上延長する緊急対策を決めたばかりだが、人手不足解消に途上国支援のための制度を利用することには異論が根強い。外国人の力を活用しようとするのなら、一時的滞在しか認めない実習生としてではなく、定住も可能な形で受け入れる制度の創設を検討すべきだろう。【和田武士】

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