ネットに飛び交うマイルドヤンキーの噂について検証してみた
「ヤンキー経済」という本から話題になり、NHKの「おはよう日本」でも特集された「マイルドヤンキー」。ネット上でも「マイルドヤンキー」について様々な視点から議論が行われた。
今回、イロリオでは報道の内容や、議論の内容が実際に合っているか検証する為に、20代の男女1000人を対象にアンケートを行った。
報道では、下記の5つの項目の3つ以上を満たす人物を「マイルドヤンキー」としている。
- 「絆」、「仲間」、「家族」という言葉が好き。
 - “地元”(家から半径5km)からなるべく出たくない。
 - 車が好き。
 - イオンモールなどショッピングモールが好き。
 - 歌手のEXILEが好き。
 
NHKではマイルドヤンキーが、20代の若者のおよそ3人に1人が該当すると発表した。まず、この割合についてアンケート結果との差異を確認していきたい。
下記のグラフが今回のアンケート結果となる。
- 5項目すべてに該当する「完全なマイルドヤンキー」は4.1%
 - 3~4項目に該当する「かなりマイルドヤンキー」は31.5%
 - 1~2項目に該当する「もしかしてマイルドヤンキー」は48.2%
 - ひとつも該当しない「非マイルドヤンキー」は16.2%
 
意外にも3項目以上を満たす割合は35.6%と、報道に近い数値となった。
マイルドヤンキーは愛知県が多い?
次にマイルドヤンキーはどの地域に多いのか。「マイルドヤンキーの代表格は名古屋人」という記事があり、それに賛同する声もあるが、本当に名古屋に多いのか確認を行った。
統計の結果、中部が40.7%と、九州・沖縄の41.4%の次に多いことがわかった。愛知県ではトヨタが大きな影響を与えている可能性が高い。
マイルドヤンキー層狙いのクルマは、トヨタとか得意ですよね。ヴェルファイヤとかヴォクシーとか、まさにここがターゲット。キャッチコピーが「強い高級車」や「俺。父。俺」だったり、特別仕様車が「Z煌」だったり。トヨタの田舎ヤンキー層マーケティングはすごいのひとこと。
— kamio hisashi (@hisa_kami) 2014, 3月 17
5項目に全てに該当する「完全なマイルドヤンキー」の割合では東京も5.0%と意外に高いことがわかった。
池袋のチーマーたちは「地元愛」が強く、「渋谷には行きたくない」と言っているそうだ。
マイルドヤンキーは結婚・出産が早い?
マイルドヤンキーは、結婚・出産が早いと言われているが、実際にパートナーの有無を確認した。
 
調査の結果、やはりマイルドヤンキー度が高くなるにつれて、パートナーのいる割合が高くなることが判明した。
「地元は若い女が少ない分、多少ブサイクでも彼氏ができますし、さっさと共稼ぎになったほうが生活も人生も充実するじゃないですか」(茨城県・21歳♀)
「婚期は大事。晩婚化とか何それ?だって地元で仕事続けても、女は30代で賃金は頭打ち。むしろ年食うほどマトモな仕事がなくなる。だからカネはなくても体力がある20代で第1子を産み、30歳になる前に気合で子供を小学校に上げちゃう!周りの同世代が一気に子供を産めば、子育ても協力し合えるし、絶対、乗り遅れちゃマズいっす」(茨城県・23歳♀)
この様な声もあり、縮小する地方経済で生きる為の合理的な判断として、結婚・出産が早いという側面もありそうだ。
日本の妊婦育児グッズは要するにマイルドヤンキー向けばっかなんだな。子供をボコボコ産むのは多分マイルドヤンキーなのだ。高齢出産や都会で専門職やってるような妊婦は数が少ないし、産む数が少ないからターゲット外なのかもね。
— めいろま (@May_Roma) 2014, 5月 15
出産が早いマイルドヤンキーは、育児グッズへも影響を及ぼしているようだ。
マイルドヤンキーはサッカー好きが多い?
一体感を求めるマイルドヤンキーはフットサルやサッカー好きが多いとの声もあり、W杯への関心も確認した。
マイルドヤンキーはサッカースタジアムにも沢山いそう。地元愛強いもんね。 #nhk
— 小野雪風 (@movieslife) 2014, 5月 11
マイルドヤンキーの夢として「男の子が生まれたら空手とサッカーを習わせたい」との声もあった。
視聴するつもりと回答した人は「完全なマイルドヤンキー」90.2%、「かなりマイルドヤンキー」68.2%、「もしかしてマイルドヤンキー」55.1%、「非マイルドヤンキー」42.6%となっており、マイルドヤンキー度にて顕著に差がでる結果となった。
マイルドヤンキーとサッカーのJリーグには親和性がある説。中学の同級生との仲を大事にするマイルドヤンキーは、中学の同級生がJ2でもJ3でも、出場してると応援せずにはいられない
— 新宿次郎 (@shinjukujiro) 2014, 3月 30
娯楽への選択肢が限られる中、仲間と一緒に応援し盛り上がれることもW杯への関心に繋がっていそうだ。
マイルドヤンキーという言葉は知らない
また、マイルドヤンキーの情報リテラシーはさほど高く無いとされている。ネット上では大きく話題になったマイルドヤンキーというワードだが、沖縄でマイルドヤンキーな生活をしてみたら、ニュースアプリなんていらなかったという記事もあり、マイルドヤンキーを知らない人が多いことも予想される。
マイルドヤンキーというワードの認知度についてもリサーチを行った。
70.8%の人が「聞いたことがない」と回答し、よく知らないが聞いたことがあるという人を含めて「知っている、聞いたことがある」と回答した人は29.2%という結果となった。現状では、「マイルドヤンキー」は一般的に認知が広まっているとまでは言い難い状況のようだ。
「マイルドヤンキー」と「リア充」議論は似ている。真のリア充は「リア充」という言葉など知らないし、知ってはいけない。知った瞬間から理念としての「リア充」ではない。マイヤンも同じ。例の本を読んだり、関連の議論を見聞きして「自分ってそうかな?」と思った時点でマイルドヤンキーになれない。
— 田端 信太郎 (@tabbata) 2014, 3月 30
今回のリサーチでは意外にもテレビの報道や、ネットの議論内容と大きく違いはでないという結果が確認できた。「マイルドヤンキー」は若者の貧困や地方の衰退とセットで語られており、今後も継続して注目されるテーマかもしれない。
関連記事
- 不景気の時代に育つと利他主義のイイ人になる?:調査結果
 - フェイスブック、飲食店のページにメニュー機能を追加
 - 【これはひどい】M&M’sの廃棄物を舐めた蜂がキモい色のハチミツを作る
 - 流行語にもなり注目集める“男の娘”、アイドルユニットも募集中