自衛隊を創設した時に憲法改正すべきだった
学生: 安倍首相は集団的自衛権の行使容認に前向きな姿勢を打ち出していますが、与党の公明党は慎重な態度です。みんなの党は集団的自衛権についてどのような考え方ですか。
浅尾: 第二次世界大戦直後の1946年に当時の吉田茂首相は、「そもそも憲法9条は、個別的自衛権も認めていない」と国会で答弁しています。個別的自衛権が認められないということは、日本が他国から攻撃された時に反撃できないということです。つまり同盟国が攻撃された時に、共に反撃することができる集団的自衛権も否定されることになります。
吉田首相の発言通りなら憲法9条で個別的自衛権が否定され、自衛隊も認められないことになります。しかし今、自衛隊が活動していることについて「解釈改憲」だと文句を言っている人はいません。それは憲法が制定された時と、その後の国際環境が変わったからです。警察予備隊、自衛隊ができた背景には朝鮮戦争があり、それから60年以上の間、国際環境は大幅に変わり続けています。
例えば、中国の国防費が二桁の伸びを示していることも新たな国際環境の変化です。そういう中での、集団的自衛権の行使は、他国から戦争を仕掛けられた場合に、国連の安全保障理事会が機能して、国際連合として何らかの対応をとるまでの間の過渡的な防衛手段だと考えています。
集団的自衛権については、これまで、日本は保持しているけれども憲法9条の制約を受けて行使しないという風に解釈されてきました。そこで、これから集団的自衛権をどのような場合に行使できるのかを法律で決めれば良い。日本の安全保障として、他国からの攻撃を抑止するために法律に則って集団的自衛権を行使することにみんなの党は反対しません。
憲法を変えないで集団的自衛権の行使を容認するのはおかしいという意見もあります。しかし、そう言うなら個別的自衛権を認めて自衛隊を創設した時に憲法改正すべきだったと思います。
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