元取り調べ担当刑事が教える「嘘を暴く完全マニュアル」
2014年06月11日更新
恋人が浮気しているかも?浮気を隠すための嘘をなんとかして見破りたいけれど、ヘタをして関係を悪化させたくない…。とはいえ、嘘をついてまでほかの異性と関係を持つ=浮気だけは許したくないものです。
そこで今回は、恋人の嘘に騙されて泣かないために「男女間における嘘の見抜き方と正しい対処方法」を取り調べの達人・元刑事の小川泰平さんに聞いてきました!
嘘をついている人の特徴的なしぐさと行動6つ
1:落ち着きのない仕草をする
指をそわそわと動かす、最初からあなたと目を合わせないようにしている…等、嘘をついている人は挙動不審な行動をとりやすくなります。
2:会話中に水を飲む
人間は嘘をついたとき「相手に嘘がバレないようにしなくては!」と緊張します。緊張状態のときは唾液の分泌量が減り、口が乾くこともあります。そのため、飲み物を欲する傾向にあるようです。
質問をする際には、あらかじめ飲み物を用意しておくとよいでしょう。
3:目線を右にして話す
嘘を付いている人間は、目線を右にむけて話すという特徴があります。
これは、人間は未来のことや体験していないことを考えるときに左脳を使うため、目線が右を向く傾向があるために起こる現象です。一方、過去を思い出そうとしているときは右脳を使うため、目線は左を向きます。
「これは以前、知り合いの脳科学者の方から伺った話です。私自身のこれまでの経験上、わりと当たっているように思えますね」(小川泰平さん、以下同)
4:嘘の話に踏み込むと感情的になる
話の詳細を求めた時に、怒り出す、あるいは泣き出すパターンです。
男性は怒り、女性は泣く傾向にあります。なぜなら、そういった人たちは「感情的に振る舞うこと」を「話を切り上げるための一番楽な方法」だと思っているから。感情を爆発させることで、相手がこれ以上踏み込んでくるのを避けようとしているのです。
5:聞かれてもないことまでしゃべりだす
嘘にリアリティをもたせるため、内容を補強するための嘘をつきだします。なかには、会話を自分のペースに引き込むために関係のない話までしはじめることも。
そして、勝手に話を切り上げて嘘をついた部分に関して追求されないように振る舞います。
6:わざわざ褒められるような行動をする
普段はしないうような手伝いや、身の回りの世話を率先しておこないます。例えば、上着をハンガーにかけたり、食後の皿洗いを進んでやったり。
これらの行動の目的は「いい子」でいたいため。特にあなたから怒られないように普段とは違う行動にでるのです。
嘘だと気付いたらどうするべき?
話を最後まで聞いてあげる
嘘の話は最後まで聞いてあげましょう。
人はひとつの嘘を補強するためにたくさんの嘘をつきます。肝心な嘘はばれないように考えて相手は話しますが、嘘を補強するための嘘はそこまで考えられていません。話を進めていくうちに矛盾が生じることもあります。
話のなかにはたくさんの「本当のこと」が紛れています。そこから事実関係を確認できます。
嘘を見抜いていることを伝える
嘘を見ぬいたら「嘘だと気付いていること」を相手に伝えましょう。その際「嘘でしょ」と言うのではなく、遠回しな会話や態度によって伝えるのがポイントです。
ほとんどの人間は、浮気や嘘に対して罪悪感を覚えています。嘘があなたにバレているとわかれば、「このまま嘘をつき続けるよりは、謝罪したほうがいいな」と相手に思わせ、反省をうながすことができます。
ただし、ここで「なんでそんなことしたの?」「相手は誰?」などと追求すると、場の雰囲気だけでなく2人の関係も悪化します。相手が反省の顔色を見せた時点で、その話は切り上げましょう。
嘘がバレていることを知らせるテクニック
相手に嘘がバレていることを知らせるには、次のような方法があります。
- お店を話題に出す
- 食事内容を話題にする
例えば、本当は相手がイタリアンレストランに行ったことを知っているのに、そのことを嘘を付いているようなら、嘘の言い訳を聞いた後で「話は変わるんだけどさ、あそこのピザ美味しいよね」と切り出しましょう。深刻そうな表情を浮かべて話を切り出すと場の空気が重くなるので、冗談めいた軽い調子で言うのがポイントです。
勘の良い人なら、この時点で「バレている」と気づきます。
あるいは「あそこってどこ?」と会話を続けようとするかもしれません。そんなときは、お店の名前がわかっていても「あそこってあそこでしょ、2階の」と情報を小出しにしてください。
ここでお店の名前をズバリ言ってしまうと、相手を追いつめてしまうのでNG。「なんで嘘をついた側にわざわざ気を使わなきゃいけないんだ」と思う人もいるかもしれませんが、人間関係を悪化させないためには多少の気遣いを心がけたいものです。
相手が鈍感で気付いてくれない場合は?
相手が鈍感で気付いてくれない場合は、レシートやショップカードなど、証拠となるものを手に入れてください。
できれば嘘をつかれた日から日付をまたがないうちに、相手にそれを見つけたことを知らせましょう。この際、「これなに?」と詰め寄ってはいけません。「これ、落ちてたよ」や「ポケットに入ってたよ」ぐらいにとどめてください。
嘘がバレるような物を見つけると、多くの人は「どういうこと?」とパートナーに詰め寄ってしまいがち。しかし、レシートやショップカードだけしか証拠がないなら友人と口裏を合わせていくらでも誤魔化されますし、しつこく詰め寄ってはふたりの関係が悪化してしまいます。
ここではあくまでも「嘘の核心をつくような証拠を握っている」というニュアンスをパートナーに知らせるだけにしましょう。相手は「なぜ何も聞かないんだろう…?」という疑問とともに、嘘をついた罪悪感をふくらませていくはずです。
証拠がない場合は?
証拠のない場合は、「今日はいつもと違うね。まぁ、いいけど」と切り出しましょう。ここで大切なのは、「まぁいいけど」の言葉です。
この一言が入ることで、「私はあなたの嘘に気付いています。本当は何をしていたか知っています。でも今回だけは追求しませんよ、今回だけね」という警告をパートナーへ与えられる、というワケです。
「人間、敏感な人と鈍感な人がいますから、どこまで単刀直入に話すかは人次第です。その見極めのためには、生活を送る上でパートナーの性格を知らなければなりません」
タイプ別、嘘の対処法
1:相手がだんまりを決めこもうとしたら?
嘘がバレそうになったらだんまりを決めこむ…というのは男性に多く見られる傾向です。黙り込まれたら困る…と思うものの、実はだんまりを決め込んだ時点で「嘘をついている」と認めた証拠。嘘をついた本人はたいてい反省しています。
もしくは、相手は誰かをかばうために本当のことを言えないのかもしれません。その場合のだんまりは、相手から「察してくれ」という無言のサインといえます。いずれにせよ、それ以上追求しても本当のことは聞けないものです。相手が時点で話を切り上げましょう。
【 世間話から段々と核心に近づく 】
だんまりを決め込んでいる人の心は閉じています。いきなり核心にふれることを質問しても、答えてくれません。まずは関係のない世間話から始めましょう。
大切なのは、相手に「この質問なら答えても俺が不利になることはない」と思わせる話から始めること。「今日あなたにあったできごと」や「明日の朝ごはん」についての話でOKです。
そうして会話を重ねていくうちに、だんだんと相手の嘘に近づく話に触れていって下さい。ただし、核心をつくような話はあくまで最後にしましょう。
「嘘を追求するのが目的ではありません、嘘に対して反省させることを目的としてください」
2:相手が逆ギレし始めたら?
嘘がバレそうになると、怒りや悲しみの感情をあらわにする人がいます。しかし、そういった感情表現の多くはハッタリによるものです。つまり、「私(俺)が怒鳴ったり泣いたりしてしまえば、相手はコレ以上追求しないだろう」と、あなたは思われているワケですね。
【 相手の感情にながされない 】
つられて感情的になるのはなく「落ち着いて話をしたい」という姿勢を見せましょう。
「泣いている人に対しては、『そんな嘘泣きで誤魔化されないよ、本当は泣いてないでしょう』と伝えると泣き止みます。おそらく、相手に嘘泣きだとバレている状態で演技を続けるのが馬鹿馬鹿しくなってくるんですね」
3:日常的に嘘をつく人にはどうすれば?
世の中には息をするように嘘をつく人がまれにいます。そういった人は嘘が日常化してしまっているため、嘘をついているそぶりを周囲に見せません。親しい真柄であるほど、その人の嘘を見抜くのは難しくなります。
【 とりあえず、話を全部聞く 】
こういった人たちに対しては、嘘の話をすべて聞く必要があります。すべての話を聞いたあとで、そのなかの矛盾点を指摘するしかありません。
それでも相手が嘘をつくのをやめないときは、話し合いをしましょう。その場合、嘘をつく癖を責めるのではなく、「私はあなたの理解者だ。だから、嘘をつかなくてもいいよう、一緒に問題を解決したい。情報共有のために本当のことを言って欲しい」という姿勢から話を切り出すことが大切です。
嘘をつかれたときに絶対やってはいけないこと
話の途中で嘘だと指摘する
相手が話をしている途中で、嘘を指摘してはいけません。
嘘を指摘された相手は驚きと焦りにより、それ以上話をしなくなります。言葉では「ごめんなさい」とあなたに言うかもしれません。ただし、その目的はこれ以上あなたに怒られないため。本当に反省しているかは怪しいものです。
反省をしていないと、また同じことを繰り返す可能性があります。そればかりか、一度バレた経験から、今後はさらに徹底した嘘を用意するでしょう。そうなると、相手のついた嘘を見破るのが難しくなります。
嘘を責めるのも良くありません。お互い険悪なムードとなり、ふたりの関係が終わりを迎える原因となります。
翌日まで持ち越す
嘘だと気付いたら、その日のうちに対処するべきです。
なぜなら、日を追うにつれて相手の罪悪感が薄まるため。嘘をついている側が「上手くごまかせたぞ」と安心した翌日に、あなたから嘘を知っているそぶりを見せられても、反省というよりは、「今更?」という苛立ちを覚えてしまいます。
嘘を見て見ぬふりをする
嘘に気付いたあとに何もしないのが一番ダメ!嘘でごまかすことを覚えてしまうと、今後も自分にとって都合の悪いことは嘘をつく人間となってしまいます。
いままで嘘を見過ごしてしまっていても、今後「嘘だと知っています」という素振りを見せていけば、段々と嘘をつく癖は治っていきます。
とにかく「あなたの嘘は私に通用しません」という素振りをパートナーに見せて、嘘の少ない関係を作ることが大切です。
お話を伺ったのはこの方!
小川泰平さん
1961年、愛媛県に生まれる。80年に神奈川県警の警察官を拝命、主に刑事畑で取り調べを担当。在職中には警察局長賞や警察本部長賞等、500回以上受賞。現在は犯罪ジャーナリストとしてコメンテーター等を務める。
著書には「警察の裏側」「刑事ドラマあるあるはウソ?ホント?」等がある。
(image by 小川泰平)
(image by nanapi編集部)
本記事は、2014年06月11日公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。