国立競技場の解体延期か、まさかの入札不落

2014/06/11

 新国立競技場の建設に伴う現国立競技場の解体工事の一般競争入札2件が、施工者が決まらない「不落」になった。日本スポーツ振興センター(JSC)が公表した。不落の決定は6月9日付。今後、再公告を実施する。国立競技場の解体着手は7月に予定していたが、当初計画よりも遅れる公算が高くなった。

56年の歴史に幕を閉じた国立競技場。5月31日に開かれたファイナルイベントでは、早稲田大学OBと明治大学OBによるラグビーの試合が行われた(写真:日経アーキテクチュア)
56年の歴史に幕を閉じた国立競技場。5月31日に開かれたファイナルイベントでは、早稲田大学OBと明治大学OBによるラグビーの試合が行われた(写真:日経アーキテクチュア)

 入札不落になったのは、「国立霞ケ丘陸上競技場等とりこわし工事(北工区)」と「同(南工区)」。北工区は、国立競技場の北側部分(延べ面積2万4000m2)とJSC本部棟(延べ面積4500m2)、外構、南工区は競技場の南側部分(延べ面積2万8000m2)と外構をそれぞれ解体するもの。工期はいずれも2015年9月30日まで。施工体制確認型総合評価方式の試行工事で、価格に加え、技術提案書、企業の施工体制を評価して落札者を決めるものだった。公告は3月24日。5月29日に開札したが、落札者の決定を保留していた。

 JSCはできる限り早く再入札を実施する考えだが、再公告の時期は非公表。日経アーキテクチュアの取材に対し、JSC管理部調達管財課の担当者は、「2件とも入札参加者はいたが、予定価格を上回ったため不落となった。公平性を期すため、予定価格や入札参加者については公表しない。再公告に当たって、条件を変更するかどうかも言えない」と語った。

 一方、解体工事の工事監理者を決める「国立霞ケ丘陸上競技場等とりこわし工事監理業務」の一般競争入札は、6月16日に開札される予定だ。

JSC本部棟・日本青年館の設計は久米設計

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読者のコメント (2 件)  ※[ログイン]すると全文表示、投稿・投票ができます

「まさかの」というより「予想通り」といった感想を持つ方のほうが多いのでは?そもそもなぜ2工区に分ける……

( 2014/06/11 09:20 )

このコメントが 参考になった: 12  参考にならなかった: 1

これだけ紛糾している問題の現場で迂闊に落札しちゃうと大変な思いをすることになるのは目に見えているから……

( Pluteus 2014/06/11 09:06 )

このコメントが 参考になった: 10  参考にならなかった: 2

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