三国連太郎 希代の怪優は、なぜ「ヤクザ映画」に出なかったのか
2013年4月17日 掲載
風格十分だが映画界のドンは…
希代の名優とも怪優とも評された三国連太郎(享年90)。代表作は「切腹」「飢餓海峡」「復讐するは我にあり」「釣りバカ日誌」シリーズなど枚挙にいとまがない。生涯で出演した映画は200本ともいわれているが、不思議なことにその経歴には、いわゆる任侠モノやヤクザ映画がほとんど見当たらない。
50年代から70年代にかけての日本映画の黄金期は、緋牡丹博徒シリーズや「仁義なき戦い」などの実録ヤクザ路線の映画が数多く製作された。三国ならば、ヤクザでも組長でもマフィアのドンの役でも何でも似合いそうなものだが……。
「東映会長で映画界のドンと呼ばれた岡田茂が三国のことを評価していなかったからでしょう」と言うのは、当時を知る映画関係者だ。
「実は、『仁義なき戦い』を撮るに当たり、深作監督は物語のキーマンの山守義雄役に三国を希望していました。ところが、岡田の意向でひっくり返り、金子信雄になったのです。岡田と三国は名作『飢餓海峡』などでも一緒でしたが、俳優としては評価していても“あいつの映画は当たらない。とにかく暗い”とよく話していました」
50年代から70年代にかけての日本映画の黄金期は、緋牡丹博徒シリーズや「仁義なき戦い」などの実録ヤクザ路線の映画が数多く製作された。三国ならば、ヤクザでも組長でもマフィアのドンの役でも何でも似合いそうなものだが……。
「東映会長で映画界のドンと呼ばれた岡田茂が三国のことを評価していなかったからでしょう」と言うのは、当時を知る映画関係者だ。
「実は、『仁義なき戦い』を撮るに当たり、深作監督は物語のキーマンの山守義雄役に三国を希望していました。ところが、岡田の意向でひっくり返り、金子信雄になったのです。岡田と三国は名作『飢餓海峡』などでも一緒でしたが、俳優としては評価していても“あいつの映画は当たらない。とにかく暗い”とよく話していました」