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原木シイタケ 出荷制限解除へ 伊達、新地4農家基準下回る

 東京電力福島第一原発事故に伴い、原木シイタケ(施設栽培)の出荷が制限されている3市町のうち、厳格な栽培管理を導入した伊達市と新地町の4農家が、県の検査で食品衛生法の放射性物質基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回った。県が10日、発表した。県は近く、市町村一律の規制解除ではなく、生産者単位の解除を国に初申請する。
 4農家の出荷制限が解除されれば、平成23年7月の出荷制限以来、3年ぶりの出荷が可能になる。本県の主力農産物のほぼ全てで出荷制限解除の道筋が付くことになり、県産ブランドの再生に弾みがつく。
 出荷制限解除への放射性物質検査の主な流れは【図】の通り。シイタケの菌を植えた「ほだ木」の検査、収穫したシイタケの事前検査をクリアした伊達市の3農家、新地町の1農家が同日、ビニールハウスで栽培した原木シイタケ計65点を最終モニタリングで検査した。34点が検出下限値未満で、31点は基準値の100ベクレルを大きく下回り、最大6.6ベクレルだった。
 林野庁は昨年10月、放射性物質の影響を受けやすい原木キノコの特性を考慮し、市町村単位で一律に出荷制限する方法を改め、生産者ごとに解除の可否を判断できるようにした。合わせて、栽培管理のガイドラインを策定し、生産者に(1)放射性物質が1キロ当たり50ベクレル以下の原木の使用(2)ほだ木の放射性物質検査(3)収穫したキノコの放射性物質検査-などを求めた。
 県は林野庁のガイドラインを基に、独自に100項目近いチェックシートを作成。ほだ木への放射性物質の付着を防止するための対策をしているか、ほだ木を産地や品種ごとに管理しているか-などの生産管理の徹底を指導してきた。
 出荷制限が順当に解除されれば、7月末にも市場に出荷される見通し。県は、商品のパッケージに生産者の名前やバーコードなどを表示し、流通管理体制を強化する。
 原発事故前の22年のシイタケ生産額は約36億円で、県内の栽培キノコのうち約七割を占めた。主力林産物の出荷制限解除に一定の見通しが付いたことに県林業振興課は「今回申請するのは施設栽培だけだが、再生産への第一歩になる」としている。
 県内の主力農産物をめぐっては、福島第一原発周辺を除くほとんどの市町村で出荷制限が解除されている中、原木シイタケの出荷制限の解除が課題になっていた。

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