2014-06-10
働くと給料もらえるという誤解
さてごきげんよう。
今日も非エリートの皆さんは持ち場でがんばっておられるだろうか?
もちろん僕もがんばっていますよ。
さて、増田でこんな書き込みを見たよ。
「もやもやするので書き出す」
http://anond.hatelabo.jp/20140610110652
「病気だから仕事を休むのはしかたがないよ。
無理して来てもらって体調を更に崩されるのは困るし、
なによりきついなか仕事をしてもはかどらないしね。
でも、それと給料を同じにしろっていう話は別じゃないのかな。
仕事を休まざるえないのがわかればそれに応じて給料は下がらないと、
毎日仕事をしている人間に不平等でしょ。
っていう話をしても納得せずに「それは差別だ」と言いのける人。
あれって何なのかね。普通の人間は何も感じずに可愛そうで終わるのかな。
こんなことを考えてしまう僕は心がせまいのかな。」
さて、
僕はこの書き込みを読んでどう思ったかというと、そもそも企業と労働という枠組みについて誤解されていることがもやもやの原因なんではないかな?
ということ。
今回の彼がどういう仕事をしているかは知らないけど勝手にホワイトカラーだと仮定して話をすると、
実は会社というのは歩合制のゴリゴリの営業会社や、一日〇個〇〇の部品を作るという工場作業員でない限りは、全社の粗利益÷従業員数だけの利益を個々の人間が「直接的に稼いでいるか?」というとそこに相関はあんまりないと思いますよ。
例えば、とあるホワイトカラーが朝会社に行って、夜遅くまで働いて「今日も疲れたなー」と新橋でビールを飲んで帰ったとしますよね。会社員個人でその日で日次決算をしたら日給分の付加価値以上の利益を直接的に出して黒字の社員って上から下までどんなけいるんですかね?
多分すごく少ないと思いますよ。
今日一日かけて作った分析資料、他の会社に持って行って2万で買ってくれますか? 上司に言われて取った議事録これ出版して2万の印税稼げますかね?
今日、お客来なくて楽だなーと思ってた受付業務。それってボケッとしてる間にお客は「あなたがボケッとしてたことに対して」会社の口座に1万円振り込んでくれてるのでしょうか?
インフラビジネスをしている会社なんて、過去の資産を回転させて収益を得ているわけで、従業員全員が労働したことに対する付加価値がその日まったくゼロだとしても恐らく日次の損益計算書上は黒字になるわけです。
つまり、、、何が言いたいかと言うと、労働が生む利益という数字だけで俯瞰してみれば、その瞬間瞬間や短いスパンで見た時にはバリバリ頑張ってる奴も、遊んでる奴も、サボってる奴も、病気で休んでる人も、産休の方もみんなどっこいどっこいな赤字な人なわけですよ。
じゃぁなんで会社は人を雇うのかって?
それは1日や1ヶ月では作り出せないもっと大きな未来を作る為ですよ。
会社は永久に存続して利益を拡大し続け、競合に勝利するために研究や、開発や、営業や、企画をしないといけないわけでそういうことは日次の労働に対しての損益では見れないからもっと長期で採算を取らないといけないわけです。
多くの会社員はこれに携わって毎日四苦八苦しているわけですよね。
でも、「今日の給料」に関しては、他の誰かが稼いだお金、、、どころか、もしかしたら過去の誰かが作った儲かる仕組みによって支払われているわけです。
もちろん、未来の価値を現在に割り戻して「自分は毎日給料分の仕事をしている!」と胸を張ることも別にOKですけど、であれば、病気の人だって以前頑張った利益への貢献や、復帰してからする未来の利益貢献を担保に現在価値に割り戻して胸を張って休んでもいいわけです。
病気や、産休でやむをえずお休みする方をきちんと規定に沿った形で給与を提供し休ませてあげられるということは、他の人たちが働いている利益を横取りして得をしているのではなくて、元々ド短期で見ればアウトプットに直結していないのはお互い様ですし、自分が仮にそういう状況(病気や産休)になっても組織が守ってくれる、そういう安定した環境下で安心して未来に対して貢献する頑張りができる素晴らしい会社なわけです。会社としては、そういう人たちは復帰後やおやすみ前に会社の未来に対して貢献をしてくれればOKですし、そういう環境に安心してより大きい利益を将来作ってくれる社員が伸び伸び良いアイデアを出してくれればOKなわけです。
そういう意味で言えば、むしろ、ただただ会社に来て、会議に出て発言しなかったり、生産性のない議論を繰り返したり、過去の延長上でただ座っているだけで未来に対して貢献しない人に対しての方がよっぽどモヤモヤすべきです。
僕は仕事の上でサラリーマンという言葉はできるだけ使わないようにしています。
アルバイトの感覚のまま、このサラリーマンになってしまうと時給幾らで得した損したの考えに支配されてしまいます。
会社に勤めている人は、その会社の基幹ビジネスを作った過去の功労者の生み出した利益、ちょっと前にハイパフォーマーが叩きだした利益の配分を規定に沿ってシェアしながら未来の利益を作り出せるように協力してがんばっているわけです。
僕らはビジネスパーソンとしてそういう組織で大きな結果を出す為に協力するのが仕事です。
もし、自分はもう会社に「自分ひとりで」利益を与えすぎていてまったくもってバックが少なくてやってられんというのなら、フリーランスだろうが、起業だろうがやればよろしい。
但しその考えで独立しても1人で毎日わずかな損益分岐で日銭で生活しながらどこまで将来への投資ができますかね?
自分がもし大金を持ったらなら、もっとうまく人と組織を動かして早期に利益を上げることができるのに、、と思うなら既存の組織で動いている会社に打ち勝つこともできるかもしれません。
起業するしないは話がそれるので話を戻しますが、
労働して給料をもらえると言う仕組みはもっと大きな枠組みの中で成立している話ということにまで思い至れば、モヤモヤは解消するんじゃないでしょうかね。
僕はそう思いますよ。
余談ですが、アメーバ経営ってやつのすごさ、、エグさ?というのは、希薄になりがちなこの利益への自分の関与というところから一切目をそらすことを許さず、「企業で給料がもらえるという大きな枠組み」を細かいチームにわけて「小さな枠組み」にしてしまい、その損益分岐を細かく短期で見させるというすさまじい手法なわけです。
そりゃ赤字にならんわけですよ。
いい悪いは別ですが、会社をつぶさない為、利益を出す為にはすごく正しい手法なわけです。
それが「働く側」にとっていいかどうかは横に置きますが、そういう利益や原価の意識がない社員が大部分になりお互いでセコイ足の引っ張り合いに終始し、未来づくりをほったらかしにすれば、どんなデカい会社でも病気の人を休ませてあげるどころか僕たちのお給料を払うのに窮するのも時間の問題かもしれませんね。
では、明日もまた持ち場で自分の給料の原資を作ってくれた過去やちょっと前の功労者に感謝しながら未来を作れるようにがんばりましょう。
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