■ FIFAランキングよりも信用できる。 前回と
前々回でFIFAランキングの話をしたが、「FIFAランキングよりもはるかに参考になる。」と言われているのがブックメーカーのオッズである。イギリスのウィリアムヒル社が「世界ナンバー1ブックメーカー」と言われているが、日本のメディアでもブラジルW杯に関するオッズがたびたび紹介されている。ウィリアムヒル社の名前はほとんどの人が聞いたことがあるはずだ。
当然、「予想をして、お金を賭けて、利益を得る。」という楽しみ方が基本となる。外国(=イギリス)の会社なので、「英語のサイトしかない。」、「英語が分からないと駄目。」、「ベットするとき英語しか使用できない。」と思われがちであるが、日本語サイトも用意されている。日本人もたくさん参加していると思われるが、オッズを見るだけでもなかなか面白いものがある。
ブラジルW杯の開幕が目前に迫っているが、W杯の優勝国であったり、得点王であったり、MVPであったり、グループリーグの順位といった定番の予想だけでなく、誰が最初にゴールを決めるのか?日本人選手の中でW杯でもっとも多くのゴールを決めるのは誰か?最初のゴールは前半か後半か?などなど、ありとあらゆることが賭けの対象になっており、オッズが示されている。
もちろん、W杯だけでなく、セリエAやプレミアリーグなども賭けの対象になっているが、J1リーグも賭けの対象になっている。残念ながらJ1リーグの場合、賭けの対象になっているのは優勝予想のみ。1つだけというのは寂しい感じもするが、6月9日(月)の時点では、1番手が倍率2.00で浦和、2番手が倍率5.50で鳥栖となっていて、「そうなのか・・・。」と驚くオッズになっている。
一方、オッズが高くなっているチームに着目すると、ワースト6位がG大阪で251倍、その次は仙台と名古屋と清水で501倍、そしてワーストが大宮と甲府でオッズは751倍となっている。1位の浦和と2位の鳥栖に次ぐ3番手が広島と鹿島で7倍、5番手が川崎Fで17倍となっているが、このあたりのチームはなかなか美味しいオッズになっているのではないかと思う。
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■ 各グループの勝敗に関するオッズ もうすぐW杯が開幕するので、グループリーグの全48試合の勝敗に関するオッズを抜き出してみた(6月9日時点)。全てのW杯出場国の実力を把握するのは大変で、「このチームはどんなチームなのか全く分からない。」というところもあると思うが、オッズで示されるとだいたいの力関係が分かる。FIFAランキングよりもはるかにアテになるのは間違いないところである。
グループA → 先日のセルビア戦(=1対0でブラジルが勝利)を観ると「セレソンにも不安要素はたくさんある。」と思うが、オッズ的には他チームを圧倒している。「3連勝が濃厚」と見られているが、開幕のクロアチア戦のオッズ(引き分けで5.00、クロアチア勝利で10.00)はかなり旨みのある数字のように思う。「ブラジルに次ぐ2番手はクロアチアになりそうだ。」とオッズは示している。
6月13日 | ブラジル 対 クロアチア | 1.30 | 5.00 | 10.00 |
6月14日 | メキシコ 対 カメルーン | 2.15 | 3.10 | 3.60 |
6月18日 | ブラジル 対 メキシコ | 1.30 | 5.00 | 8.00 |
6月19日 | カメルーン 対 クロアチア | 4.20 | 3.20 | 1.85 |
6月24日 | カメルーン 対 ブラジル | 17.00 | 5.00 | 1.20 |
6月24日 | クロアチア 対 メキシコ | 2.15 | 3.40 | 3.00 |
グループB → ここは「死のグループの1つ」だと思われているが、オランダの評価は意外と低い。「スペインが1番手で、オランダとチリが2番手争いをする。」という評価になっており、オーストラリアは完全にアウトサイダーと言える。オーストラリアもしぶといチームなので簡単に負けるとは思わないが、チリ 対 オーストラリアで「チリの勝利が1.44」というのは鉄板に近い数字である。
6月14日 | スペイン 対 オランダ | 1.83 | 3.30 | 4.80 |
6月14日 | チリ 対 オーストラリア | 1.44 | 4.00 | 8.00 |
6月19日 | オーストラリア 対 オランダ | 9.00 | 5.00 | 1.28 |
6月19日 | スペイン 対 チリ | 1.61 | 3.40 | 5.50 |
6月24日 | オーストラリア 対 スペイン | 17.00 | 5.00 | 1.20 |
6月24日 | オランダ 対 チリ | 2.15 | 3.30 | 3.30 |
グループC → 日本が入ったグループCはコロンビアの評価がもっとも高くて、その次がコートジボワールとなるが、3番手の日本との差はごくわずかである。コートジボワール戦とギリシャ戦は「予想の難しい試合」と思われており、勝利した場合のオッズ差は、ギリシャ戦は0.22で、コートジボワール戦は0.30となる。これはグループリーグの全48試合の中で2番目と3番目に小さい数字である。
6月15日 | コロンビア 対 ギリシャ | 1.73 | 3.25 | 5.50 |
6月15日 | コートジボワール 対 日本 | 2.60 | 3.00 | 2.90 |
6月20日 | コロンビア 対 コートジボワール | 2.10 | 3.20 | 3.60 |
6月20日 | 日本 対 ギリシャ | 2.40 | 3.40 | 2.62 |
6月25日 | 日本 対 コロンビア | 4.50 | 3.40 | 1.73 |
6月25日 | ギリシャ 対 コートジボワール | 2.87 | 3.25 | 2.30 |
グループD → ウィリアムヒル社はイギリスの会社なので、「イングランド代表に関する評価は甘くなる。」というのが定説で、その点を考慮する必要はあるが、ウルグアイ 対 イングランドの試合の勝利チームのオッズ差「0.12」というのは、全48試合中で1番小さい。正真正銘の死のグループであるが、イタリアの評価がもっとも高くて、イングランドとウルグアイの評価は同程度である。
6月15日 | ウルグアイ 対 コスタリカ | 1.44 | 4.00 | 8.50 |
6月15日 | イングランド 対 イタリア | 3.00 | 2.87 | 2.60 |
6月20日 | ウルグアイ 対 イングランド | 2.50 | 3.25 | 2.62 |
6月21日 | イタリア 対 コスタリカ | 1.28 | 5.00 | 9.00 |
6月25日 | イタリア 対 ウルグアイ | 2.25 | 3.25 | 3.00 |
6月25日 | コスタリカ 対 イングランド | 7.50 | 4.50 | 1.36 |
グループE 6月16日 | スイス 対 エクアドル | 2.40 | 2.90 | 3.30 |
6月16日 | フランス 対 ホンジュラス | 1.33 | 4.50 | 11.00 |
6月21日 | スイス 対 フランス | 3.50 | 3.20 | 2.00 |
6月21日 | ホンジュラス 対 エクアドル | 5.00 | 3.50 | 1.70 |
6月26日 | ホンジュラス 対 スイス | 8.00 | 3.60 | 1.44 |
6月26日 | エクアドル 対 フランス | 3.50 | 3.50 | 1.91 |
→ もっとも地味なグループと言えるが、フランスの評価がもっとも高くて、次がスイスで、3番手がエクアドルになっている。フランスは攻撃の要であるMFリベリの欠場が決定したが、それでも1番手の評価はゆるぎない。ただ、ここ最近のフランス代表はコケるときは盛大にコケる傾向があって、さらにはコケる確率も結構高い。なので、グループ首位は確実か?というと疑問である。
グループF 6月16日 | アルゼンチン 対 ボスニア・ヘルツェゴビナ | 1.44 | 4.33 | 7.00 |
6月17日 | イラン 対 ナイジェリア | 3.60 | 3.00 | 2.20 |
6月22日 | アルゼンチン 対 イラン | 1.12 | 7.00 | 17.00 |
6月22日 | ナイジェリア 対 ボスニア・ヘルツェゴビナ | 3.00 | 3.20 | 2.25 |
6月26日 | ナイジェリア 対 アルゼンチン | 8.50 | 4.00 | 1.40 |
6月26日 | ボスニア・ヘルツェゴビナ 対 イラン | 1.57 | 3.50 | 6.00 |
→ アルゼンチン 対 イランは「アルゼンチン勝利」のオッズが1.12となっており、これが全48試合の中でもっとも低くなっている。もっとも鉄板の対戦カードと言える。 2番手を争うのはナイジェリアとボスニア・ヘルツェゴビナで、後者の方がやや高く評価されている。アジア代表のイランが4番手であるが、個人的には「イランの評価は低すぎるのではないか?」と思う。
グループG 6月17日 | ドイツ 対 ポルトガル | 2.00 | 3.30 | 3.80 |
6月17日 | ガーナ 対 アメリカ合衆国 | 2.50 | 3.10 | 2.90 |
6月22日 | ドイツ 対 ガーナ | 1.40 | 4.50 | 7.00 |
6月23日 | アメリカ合衆国 対 ポルトガル | 5.00 | 3.75 | 1.61 |
6月27日 | アメリカ合衆国 対 ドイツ | 10.00 | 4.50 | 1.30 |
6月27日 | ポルトガル 対 ガーナ | 1.80 | 3.30 | 4.50 |
→ 優勝候補のドイツが高く評価されるのは当然であるが、ポルトガルの評価もかなり高くて、オッズ的には2強2弱と言える。ポルトガルとアメリカ&ガーナの差はそこまで大きいとは思わないので意外なオッズになっている。初戦で対戦するドイツとポルトガルの試合は今大会のグループリーグの中では屈指の好カードと言えるが、やはりドイツの評価が高くなっている。
グループH → ベルギーが1番手で、ロシアが2番手で、韓国が3番手で、アルジェリアが4番手になっている。どちらかというと地味なグループで、注目度はあまり高くないが、ベルギーはタレント軍団で上位候補の1つである。韓国は3番手の評価になっているが、アルジェリアとの差はそこまで大きくない。今大会の韓国は「前評判はあまり高くない。」と言わざる得ない。
6月18日 | ベルギー 対 アルジェリア | 1.40 | 4.20 | 9.00 |
6月18日 | ロシア 対 韓国 | 2.30 | 2.87 | 3.25 |
6月23日 | ベルギー 対 ロシア | 2.00 | 3.25 | 3.50 |
6月23日 | 韓国 対 アルジェリア | 2.00 | 3.25 | 3.50 |
6月27日 | 韓国 対 ベルギー | 5.50 | 3.75 | 1.57 |
6月27日 | アルジェリア 対 ロシア | 5.00 | 3.50 | 1.67 |
表1. 勝利オッズの差の小さい試合 (ベスト10)
| | | | | | 勝利オッズの差 |
1 | 6月20日 | ウルグアイ 対 イングランド | 2.50 | 3.25 | 2.62 | 0.12 |
2 | 6月20日 | 日本 対 ギリシャ | 2.40 | 3.40 | 2.62 | 0.22 |
3 | 6月15日 | コートジボワール 対 日本 | 2.60 | 3.00 | 2.90 | 0.30 |
4 | 6月15日 | イングランド 対 イタリア | 3.00 | 2.87 | 2.60 | 0.40 |
4 | 6月17日 | ガーナ 対 アメリカ合衆国 | 2.50 | 3.10 | 2.90 | 0.40 |
6 | 6月25日 | ギリシャ 対 コートジボワール | 2.87 | 3.25 | 2.30 | 0.57 |
7 | 6月22日 | ナイジェリア 対 ボスニア・ヘルツェゴビナ | 3.00 | 3.20 | 2.25 | 0.75 |
7 | 6月25日 | イタリア 対 ウルグアイ | 2.25 | 3.25 | 3.00 | 0.75 |
9 | 6月24日 | クロアチア 対 メキシコ | 2.15 | 3.40 | 3.00 | 0.85 |
10 | 6月16日 | スイス 対 エクアドル | 2.40 | 2.90 | 3.30 | 0.90 |
表2. 勝利オッズの差の大きい試合 (ベスト10)
| | | | | | 勝利オッズの差 |
1 | 6月22日 | アルゼンチン 対 イラン | 1.12 | 7.00 | 17.00 | 15.88 |
2 | 6月24日 | カメルーン 対 ブラジル | 17.00 | 5.00 | 1.20 | 15.80 |
2 | 6月24日 | オーストラリア 対 スペイン | 17.00 | 5.00 | 1.20 | 15.80 |
4 | 6月16日 | フランス 対 ホンジュラス | 1.33 | 4.50 | 11.00 | 9.67 |
5 | 6月27日 | アメリカ合衆国 対 ドイツ | 10.00 | 4.50 | 1.30 | 8.70 |
5 | 6月13日 | ブラジル 対 クロアチア | 1.30 | 5.00 | 10.00 | 8.70 |
7 | 6月19日 | オーストラリア 対 オランダ | 9.00 | 5.00 | 1.28 | 7.72 |
7 | 6月21日 | イタリア 対 コスタリカ | 1.28 | 5.00 | 9.00 | 7.72 |
9 | 6月18日 | ベルギー 対 アルジェリア | 1.40 | 4.20 | 9.00 | 7.60 |
10 | 6月26日 | ナイジェリア 対 アルゼンチン | 8.50 | 4.00 | 1.40 | 7.10 |
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