続いて、弁護側冒頭陳述が行われる。
終了後、裁判長が話し始める。通常、冒頭陳述は主任弁護人が行うことが多いが、なぜか壇弁護士がこれを担当。そこで念のため弁護団の総意であるか、確認が行われる。
三上「刑事訴訟法というのはややこしいのですが、主任弁護人でない弁護人が最後の弁論をするのはよろしい。ですが……山口主任弁護人は今の内容でよろしいですね?」
すでに裁判のセオリーから外れた行為が続出するためか、半笑いになる三上裁判長。傍聴席からも笑いが漏れる。
三上「今の内容を踏まえ、検察官の証拠開示には応じられないという意見書を本日付で頂いています。この書面について、弁護人から反論の予定はありますか?」
山口「今頂戴したものなので、反論させていただく予定です」
三上「裁判所が(進行について)何がしかの決定をしなくてはならないと思っています。検察官が弁護団には証拠を開示しないようです。また、弁護人の主張としては“検察官は被告人は画像を元にCGを製造したとしていると推論している”。検察官がこの立論に立っていることも含めて、公判前整理は不可欠と思っています」
検察官は、被告人が証拠とされる児童ポルノをもとにCGを描いたとしている。ならば、それを立証する必要があると、裁判所はアドバイスしているわけだ。
三上裁判長より、非公開で公判前の整理を行うことについての確認が行われる。次回は、7月14日に非公開で行うことを決定。
15時55分閉廷。
(取材・文/昼間たかし)