数年前に、1人の青年の行った就職活動の方法がユニークだと、ニュースで話題になりました。その青年とは当時28歳だった米国在住のアレク・ブロンシテインです。彼の行った就職活動とは、インターネット広告を利用し、大物クリエイターに向けて自分を売り込むというものでした。その結果、ある広告会社からオファーを受け、コピーライターとして就職することに成功します。その時彼が使ったのが、グーグルアドワーズ(以下、アドワーズ)でした。
会社規模は関係なし。平等にチャンスが広がる
このアドワーズは、ユーザーが検索したキーワードに合致する広告を検索結果の上部に表示してくれる、俗に言う検索連動型広告です。個人商店から大企業まで平等に掲載されるチャンスがあり、また費用対効果や投資額も低価格であるため、知名度を上げていきたい中小企業には心強い味方だと言えます。仕組みは非常に簡単で、グーグルアドワーズに申し込み、キーワードや予算を設定、あとは結果を待つばかり。もちろん、それだけで思うような結果が出ることはないため、ポイントとなるキーワードの設定や、トラフィックを元にした分析や修正が必要となってきます。
今回は、自社が出稿しているアドワーズを再検討する際にぜひ読んでほしいポイントを、Zebra AdvertisementのCEOロコ・バルダッサレによる「グーグルアカウント:10個の検討すべき助言を公開」の記事を元に紹介します。
1. 除外キーワードリストを使う
除外キーワード(その単語を入力したユーザーには、広告を表示させないことを目的としたキーワード)はキャンペーンを成功させるためのメインツールの1つ。関係のないユーザーからのクリックを減らしコンバージョン率を上げるために、キャンペーンを始める前には、除外キーワードをチェックしましょう。
2. 最適な組み合わせのキーワードを使う
設定したキーワードを検討し直す際は、今の設定内容で、部分一致(指定したキーワードだけでなく、類義語や関連語に対しても表示されるもの)やフレーズ一致(フレーズが完全に一致したものと、類似したものに対して表示されるもの)がどの程度あるのかを調べましょう。もし部分一致が多いという結果を得たら、フレーズ一致や完全一致を加える等の対策をとります。キーワードを最適化するために、どのようなキーワードが検索されているのか、特徴を確認するようにしましょう。
3. 広告グループはテーマを絞り込む
キャンペーン内の広告グループはテーマ別に作成しましょう。1つの商品やサービスに絞り込んであると広告の関連性が高まり、品質スコアが上がります。品質スコアとは、広告、キーワード、リンク先ページと、広告が表示されたユーザーとの関連性を表す推定値のことです。品質スコアが高いほど広告の掲載順位が高くなります。従って、1つの広告グループの中に様々なテーマをカバーするキーワードを一括で入れるのではなく、似通ったテーマごとに分割してグループを作りましょう。また、その広告グループごとにランディングページを作ることも忘れないようにしてください。
4. ランディングページや広告を定期的にテストする
広告のパフォーマンスを向上させるために、定期的にテストを実施しましょう。もしランディングページのコンバージョン率が1%程度と低いのであれば、1回にページを少しだけ変えることによって何が有効であるか正確に把握し、ランディングページを改善していきましょう。多くの予算をかけられるのならば、CTR(クリック率)やランディングページのABテストを元にした最適化を推奨します。予算があまりないのであればコンバージョン率を元にした広告の最適化がおすすめです。同時に小規模なランディングページのテストも実行しましょう。
5. インプレッションの多くをどこで失っているかを調べる
マーケットシェアを調べるために、インプレッションシェア(実際に表示された回数÷表示される可能性があった回数。機会損失の割合を知ることが可能)データを活用しましょう。このデータを元に、インプレッション損失が予算によるものなのか、ランクによるものなのか、調べてみましょう。広告ランクとは、入札価格×品質スコアで決まるランキングのことです。
6. ディスプレイネットワークを最適化する
ディスプレイネットワークを設定していた場合、プレイスメントレポートを読めば、広告が表示されているサイトを明らかにすることが可能です(ディスプレイネットワークとは、グーグルの検索結果に表示されるものではなく、グーグルと提携しているサイトに掲載される広告のこと。これは「Ads by Goodgle」というサインと共に表示されます)。利益がなかったり、低い生産性しかないと判断したサイトからは削除するようにしましょう。
7. デバイスによるパフォーマンスを検証し、入札を最適化する
全てのデバイスを通してキャンペーンを運営し続けるために、デバイスレポートを分析し、デバイスごとのパフォーマンスを検証しましょう。同時に、グーグルアナリティクスを使用することも忘れず、デバイスを特定する有効な方法として使いましょう。
8. 地域別に入札を調整する
地域ごとに入札を調整することができます。1つのキャンペーン内で複数の地域をターゲットにした場合、地域別に入札単価比率を設定することができます。また、サービスを提供しない場所や興味を持ってもらえなさそうな場所に関しては、その地域を排除することもできます。
9. 日付、時間ごとにコンバージョン率を分析する
1日のうち、利益をあげるのは何時から何時までか、利益のない時間はどれくらいあるかご存知ですか。コンバージョンのトラッキングレポートを確認し、どのような日にトラフィックやクリックが多く、どのような日に少ないのかを把握しましょう。入札スケジュールはこれらの情報を元に組むようにしましょう。
10. 広告拡張機能を使う
提供されている無料の拡張機能を使いましょう。新しい機能は定期的に発表されています。どのように使用すれば分からない場合は、まずは住所や電話番号を表示できる拡張機能から始めてみましょう。
予算ではなく『戦略』がものをいう広告形態
アドワーズは、高額を投資すれば広告の量が増え、コンバージョンにつながるというような単純なものではありません。どういったキーワードを設定し、削除するのか、ターゲット層はどこか、等の効果的な戦略を練れば、例え投資額が少なかったとしても、サイト上に表示される広告回数は多くなるという仕組みをとっています。
したがって、今、広告に充分な予算が無いといった金銭的な問題を抱えていたとしても、戦略とその後のフォローで充分勝てる広告だと言えます。
参考:
Google AdWords: 10 Account Review Tips Revealed by. Rocco Baldassarre
http://www.searchenginejournal.com/google-adwords-10-account-review-tips-revealed/66703/
Googleアドワーズヘルプ
https://support.google.com/adwords/?hl=ja#topic=3119071