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羽田空港を発着する飛行ルートを見直し、便数を増やせないか――。 羽田…
羽田空港を発着する飛行ルートを見直し、便数を増やせないか――。
羽田、成田両空港を核とする「首都圏空港」の強化策を検討する国土交通省の有識者委員会が、中間まとめにこんな案を盛り込んだ。2020年東京五輪もにらみ、乗客の伸びが著しい国際線を増やすのが狙いだ。
羽田を離着陸する飛行機は、東京都や神奈川県の上空では騒音対策として高さ6千フィート(約1800メートル)以上で飛ぶことを原則としている。このため、離陸機の多くは東京湾の上空で旋回し、他機の離着陸に影響する。着陸ルートは主に千葉県側からで、4本の滑走路を持つ強みが生かされていない。
そこで、東京・神奈川上空の通過を一部認めようという提案である。
需要予測によると、首都圏の空港は早ければ22年度に、経済が低成長の場合でも27年度には満杯になるという。五輪後も視野に入れ、両空港での滑走路増設にも触れた。
需要見通しが過大ではないか、羽田と成田でどう役割を分担するか。検討課題は多いが、まずは羽田の飛行ルート制限を続けるかどうかが焦点だ。
羽田は4年前に本格的な国際空港に衣替えした。今春に国際線の枠を増やしたことで発着回数は上限に達しつつある。
羽田の利点は、何と言っても都心に近いこと、それに国内各地と結ぶ路線が多いことだ。羽田の国際線を増やせば、地方から羽田経由で海外に出やすくなる。日本を代表する空の玄関口として、多くの外国人を迎えることにもつながる。
昨年1千万人を超えた訪日客をさらに増やし、日本をもっと知ってもらい、外交の一助とする。国内でおカネを使ってもらえるよう知恵を絞り、経済や地域を活性化させる。そんな多面的な効果を目指し、「便利な空港」の積極活用を考えたい。
むろん住民が騒音に悩まされる事態は防がねばならない。
国交省は飛行ルートの見直しで影響を受けそうな自治体などと協議の場を設ける。有識者委員会は今回、住民への影響を極力抑えるため、午後3時から7時に限って東京・神奈川上空の通過を認める案を示した。しっかり検証してほしい。
羽田着陸機の多くは今、千葉県上空を通っており、千葉側には「なぜ負担はこちらばかりなのか」という不満が強い。
いたずらに利害を対立させるのではなく、「利便」と「生活」を両立させる。そんな道を探っていきたい。
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