【Dr. NATROM】
私はこれをはじめ「Natron」と勘違いしていた。ナトロンはギリシア語で鉱物としての「天然苛性ソーダ」をいう。後にこれから金属ナトリウム(独=Natrium, 英仏=Sodium)が抽出された。
NATROM氏の名前はこれに派生するものか、それとも母国語にn音とm音の区別がないための誤用か、私にはわからない。
NATROM氏が本を出したようだ。
『「ニセ医学」に騙されないために [単行本(ソフトカバー)]』というタイトルだ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4895958647/igakukei-22
帯の推薦文は「宋美玄(ソン・ミョンヒョン)」医師が書いている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%8B%E7%BE%8E%E7%8E%84
<推薦文は、医師・宋美玄先生
「本書の著者は、インターネット上で医師や専門家の信頼を一身に集めるあのNATROM先生! 確かな文献による明確な根拠と緻密な論理で、「ワクチンは有害」、「がんは治療するな」、「酵素で健康になる」などという根拠なしの『ニセ医学』をメッタ斬りにし、正しい情報を教えてくれます。自分や大切な人の健康を守るためにも、いざ病気になったときに危険な治療法や健康法に騙されないためにも、必読の一冊です。」>とある。
彼女は1976年生まれの在日3世だから、著者はそれよりは若い人か。ソン女史は「所属芸能事務所」がある人だというから、医者には珍しい。
<出版社からのコメント:NATROM(なとろむ)
内科医。医学部を卒業後、大学病院勤務、大学院などを経て、現在は市中病院に勤務。
診療のかたわら、インターネット上で「科学」と「ニセ科学」についての情報を発信している。
●ブログ:NATROMの日記 http://d.hatena.ne.jp/NATROM/
●ウェブサイト:進化論と創造論 ~科学と疑似科学の違い~
http://members.jcom.home.ne.jp/natrom/index.html > とある。
きっと面白くてためになる本であろう。「NATROM」では他に本が見つからないから処女出版か。
こういう仮名を使った科学書に、
白楽ロックビル『科学研究者の事件と倫理』(講談社, 2011/9)がある。この本の著者説明には、「1947年 横浜市生まれ、
1974年 名古屋大大学院理学研究科分子生物学修了(理学博士)、
現在:お茶の水大・大学院人間文化創生科学研究科教授」 とある。
「ロックビル」というのはNIHに留学した日本人による「日本人町」があるところだから、仮名の由来はわかる。この人には『新細胞接着分子の世界』(羊土社)という本もあり、そこの著者名は「林正男」となっている。今回のSTAP騒動でも、当然この著者は注目を浴びたはずに違いないが、せっかくの好著も、妙な仮名のために着目されなかった。日本にORIを紹介した愛知淑徳大学の山崎茂明教授は注目されたのに。
推薦文の筆者をみて、NATROM氏が私にからむ理由がわかった。朝鮮史の研究にもとづく発言が気に入らないのであろう。絡まれても私は別に気にしていない。それもよりも仮名でも本が売れることを祈る。
ついでに、以下の書き込みにお答えしておく。
<事実から虚心に学んで欲しい (NATROM)
2014-06-06 18:07:18
難波先生は「医師であれば偏見を捨て事実から虚心に学んで欲しい」と書いています。私もそう思います。万波医師がHBs抗原陽性ドナーから移植をおこなったのは、難波先生のファイルにHBs(+)とあったように、事実です。「B型肝炎のドナーから腎臓を移植したなど、嘘の情報もある」という主張について、撤回なり修正なりをお願いいたします。>
撤回するつもりはありません。すでに述べたように2/18/2007「朝日」が2/17大阪市で開かれた移植学会等5学会の記者会見に基づいて報じたところによれば、ドナー患者の血清は「HBs抗原+, HBe抗原−」で、当時の市川幹郎市立宇和島病院長も「他人への感染率は少ないという検査結果だった」と(万波批判の急先鋒だったにも関わらず)コメントしています。
血中のHBe抗原(ウイルスDNA)が陽性でないかぎり、血液から他者に感染することはありえません。そのことはウイルス学の教科書にも書いてあります。この患者は、WIKIの5.2. 血液検査にある、「既感染・治癒」と「HBe抗体陽性・無症候性キャリアー」の中間にあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/B%E5%9E%8B%E8%82%9D%E7%82%8E
万波医師はこの記事でのコメントで、「内科医から手術前のウイルス検査で陰性だと聞いていた。陽性の患者の腎臓を移植に使うことはありえない」と述べています。
私の調査でもこれと矛盾するデータは得られていません。
この日の「朝日」は「広島県の病理医が独自調査して公表した結果の中に、市立宇和島病院が把握していない同病院の症例が含まれていた。病院側にカルテが残っておらず、たまたま捨てられずに残っていた10年以上前の手術や検査の記録などを突き合わせて、14件としていた病気腎移植を25件に訂正。追加調査が必要となり、関係学会の最終結論が3月にずれ込む要因となった」と書いている。2006/12の段階で病院は「病腎移植」の総件数を14件としていたが、「三好メモ」と病理受付台帳の照合により、もっとあることがわかったので、松山での2007//1/20講演で「市立宇和島病院には少なくとも19件ある」と指摘した。
当時、移植学会べったりだった「朝日」は、私の発表が「学会の予定を狂わせた」と非難調で報じている。これが朝日の「権威主義」だ。「大本営発表」以来の伝統を受け継いでいる。
<「科学」と「ニセ科学」についての情報を発信している>医師なら、「B型肝炎に罹ったことがある(HVs抗体+, HBe抗原-)」患者と「いまB型肝炎に罹っている(HBs抗原+、HBe抗原+)」患者との違いはわかるはず。「B型肝炎のドナー」とは、いまB型肝炎が活動していて、感染力のある患者を意味する。「ウイルス肝炎に罹ったことがある人」と「ウイルス肝炎に罹っている人」は違う。私は子どもの頃A型肝炎に罹ったから、血中には抗HA抗体が陽性だが、それを「A型肝炎の患者」とはいわない。万波医師がB型肝炎の患者をドナーにするはずがないし、相談した内科の担当医が止めたはずだし、それを知れば内科出身の市川院長が激怒したはずだ。
簡単に移植学会あるいは新聞に洗脳されてしまうようでは、それこそ「エセ科学」です。エセ科学の信者が著者では、本の売れ行きに影響しそうです。本当に日本の医学部を卒業し、国家試験に合格した方ですか? 本当にウイルス学を勉強されたのですか? せめて卒業した大学だけでも名乗るべきでしょう。本名がわかれば日本国の医師免許所持者かどうか、ネットですぐ厚労省のデータベースを調べられます。まさかそれを恐れているのではないでしょうね。
NATROM氏は自分のブログがストーカーに付きまとわれ、迷惑した結果、書き込みを「承認制」にしたようですが、同じことを他のブログにやってはいけません。
http://ameblo.jp/cs-es-by-run/entry-11753095317.html
私はこれをはじめ「Natron」と勘違いしていた。ナトロンはギリシア語で鉱物としての「天然苛性ソーダ」をいう。後にこれから金属ナトリウム(独=Natrium, 英仏=Sodium)が抽出された。
NATROM氏の名前はこれに派生するものか、それとも母国語にn音とm音の区別がないための誤用か、私にはわからない。
NATROM氏が本を出したようだ。
『「ニセ医学」に騙されないために [単行本(ソフトカバー)]』というタイトルだ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4895958647/igakukei-22
帯の推薦文は「宋美玄(ソン・ミョンヒョン)」医師が書いている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%8B%E7%BE%8E%E7%8E%84
<推薦文は、医師・宋美玄先生
「本書の著者は、インターネット上で医師や専門家の信頼を一身に集めるあのNATROM先生! 確かな文献による明確な根拠と緻密な論理で、「ワクチンは有害」、「がんは治療するな」、「酵素で健康になる」などという根拠なしの『ニセ医学』をメッタ斬りにし、正しい情報を教えてくれます。自分や大切な人の健康を守るためにも、いざ病気になったときに危険な治療法や健康法に騙されないためにも、必読の一冊です。」>とある。
彼女は1976年生まれの在日3世だから、著者はそれよりは若い人か。ソン女史は「所属芸能事務所」がある人だというから、医者には珍しい。
<出版社からのコメント:NATROM(なとろむ)
内科医。医学部を卒業後、大学病院勤務、大学院などを経て、現在は市中病院に勤務。
診療のかたわら、インターネット上で「科学」と「ニセ科学」についての情報を発信している。
●ブログ:NATROMの日記 http://d.hatena.ne.jp/NATROM/
●ウェブサイト:進化論と創造論 ~科学と疑似科学の違い~
http://members.jcom.home.ne.jp/natrom/index.html > とある。
きっと面白くてためになる本であろう。「NATROM」では他に本が見つからないから処女出版か。
こういう仮名を使った科学書に、
白楽ロックビル『科学研究者の事件と倫理』(講談社, 2011/9)がある。この本の著者説明には、「1947年 横浜市生まれ、
1974年 名古屋大大学院理学研究科分子生物学修了(理学博士)、
現在:お茶の水大・大学院人間文化創生科学研究科教授」 とある。
「ロックビル」というのはNIHに留学した日本人による「日本人町」があるところだから、仮名の由来はわかる。この人には『新細胞接着分子の世界』(羊土社)という本もあり、そこの著者名は「林正男」となっている。今回のSTAP騒動でも、当然この著者は注目を浴びたはずに違いないが、せっかくの好著も、妙な仮名のために着目されなかった。日本にORIを紹介した愛知淑徳大学の山崎茂明教授は注目されたのに。
推薦文の筆者をみて、NATROM氏が私にからむ理由がわかった。朝鮮史の研究にもとづく発言が気に入らないのであろう。絡まれても私は別に気にしていない。それもよりも仮名でも本が売れることを祈る。
ついでに、以下の書き込みにお答えしておく。
<事実から虚心に学んで欲しい (NATROM)
2014-06-06 18:07:18
難波先生は「医師であれば偏見を捨て事実から虚心に学んで欲しい」と書いています。私もそう思います。万波医師がHBs抗原陽性ドナーから移植をおこなったのは、難波先生のファイルにHBs(+)とあったように、事実です。「B型肝炎のドナーから腎臓を移植したなど、嘘の情報もある」という主張について、撤回なり修正なりをお願いいたします。>
撤回するつもりはありません。すでに述べたように2/18/2007「朝日」が2/17大阪市で開かれた移植学会等5学会の記者会見に基づいて報じたところによれば、ドナー患者の血清は「HBs抗原+, HBe抗原−」で、当時の市川幹郎市立宇和島病院長も「他人への感染率は少ないという検査結果だった」と(万波批判の急先鋒だったにも関わらず)コメントしています。
血中のHBe抗原(ウイルスDNA)が陽性でないかぎり、血液から他者に感染することはありえません。そのことはウイルス学の教科書にも書いてあります。この患者は、WIKIの5.2. 血液検査にある、「既感染・治癒」と「HBe抗体陽性・無症候性キャリアー」の中間にあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/B%E5%9E%8B%E8%82%9D%E7%82%8E
万波医師はこの記事でのコメントで、「内科医から手術前のウイルス検査で陰性だと聞いていた。陽性の患者の腎臓を移植に使うことはありえない」と述べています。
私の調査でもこれと矛盾するデータは得られていません。
この日の「朝日」は「広島県の病理医が独自調査して公表した結果の中に、市立宇和島病院が把握していない同病院の症例が含まれていた。病院側にカルテが残っておらず、たまたま捨てられずに残っていた10年以上前の手術や検査の記録などを突き合わせて、14件としていた病気腎移植を25件に訂正。追加調査が必要となり、関係学会の最終結論が3月にずれ込む要因となった」と書いている。2006/12の段階で病院は「病腎移植」の総件数を14件としていたが、「三好メモ」と病理受付台帳の照合により、もっとあることがわかったので、松山での2007//1/20講演で「市立宇和島病院には少なくとも19件ある」と指摘した。
当時、移植学会べったりだった「朝日」は、私の発表が「学会の予定を狂わせた」と非難調で報じている。これが朝日の「権威主義」だ。「大本営発表」以来の伝統を受け継いでいる。
<「科学」と「ニセ科学」についての情報を発信している>医師なら、「B型肝炎に罹ったことがある(HVs抗体+, HBe抗原-)」患者と「いまB型肝炎に罹っている(HBs抗原+、HBe抗原+)」患者との違いはわかるはず。「B型肝炎のドナー」とは、いまB型肝炎が活動していて、感染力のある患者を意味する。「ウイルス肝炎に罹ったことがある人」と「ウイルス肝炎に罹っている人」は違う。私は子どもの頃A型肝炎に罹ったから、血中には抗HA抗体が陽性だが、それを「A型肝炎の患者」とはいわない。万波医師がB型肝炎の患者をドナーにするはずがないし、相談した内科の担当医が止めたはずだし、それを知れば内科出身の市川院長が激怒したはずだ。
簡単に移植学会あるいは新聞に洗脳されてしまうようでは、それこそ「エセ科学」です。エセ科学の信者が著者では、本の売れ行きに影響しそうです。本当に日本の医学部を卒業し、国家試験に合格した方ですか? 本当にウイルス学を勉強されたのですか? せめて卒業した大学だけでも名乗るべきでしょう。本名がわかれば日本国の医師免許所持者かどうか、ネットですぐ厚労省のデータベースを調べられます。まさかそれを恐れているのではないでしょうね。
NATROM氏は自分のブログがストーカーに付きまとわれ、迷惑した結果、書き込みを「承認制」にしたようですが、同じことを他のブログにやってはいけません。
http://ameblo.jp/cs-es-by-run/entry-11753095317.html
HBs抗原、HBs抗体、HBe抗原、HBe抗体それぞれの遷移についてよく勉強してほしい。
http://www.jacr.or.jp/topics/06Viral-hepatitis/04.html
http://www.kanen.ncgm.go.jp/forpatient_hbv.html
Wikipediaの記述。
http://en.wikipedia.org/wiki/Hepatitis_B
The hepatitis B surface antigen (HBsAg) is most frequently used to screen for the presence of this infection. It is the first detectable viral antigen to appear during infection. However, early in an infection, this antigen may not be present and it may be undetectable later in the infection as it is being cleared by the host.
If the host is able to clear the infection, eventually the HBsAg will become undetectable and will be followed by IgG antibodies to the hepatitis B surface antigen and core antigen (anti-HBs and anti HBc IgG).
また、過去のメルマガでHBeがウイルス核酸であるという記述があるが、HBeはウイルスのpre-coreタンパク質の分解産物である。(時々ネット上にenvelopであるという記述があるが間違い)ちなみにHBsAgはsurface antigen、HBcAgはcore antigenである。
ここを丹念に読むと、巧妙にHBs抗原とHBs抗体をすりかえて議論しているのが分かる。
こうした詭弁を弄せず、「過去に1例だけHBs陽性のドナーはいたが、レシピエントにB型肝炎が感染した形跡はなく、それが原因の死亡もない。陽性者がドナーに用いられた経緯の詳細は不明だが、内科医に相談しており問題はなかったと思う。今後はよりいっそう厳しくチェックすべきだ」と主張すれば何の問題もなかったのに。
いつもながら笑えるわ。
まあちょっと前のアリストテレスの項目とか間違いだらけだったし、深い知識がありそうには思えんが。
難波先生が始めてですよ、細かく親切丁寧に書かれており、敬服しました。NATROMとかいう人もこの書き込みを見ているようですけれど、何にも書き込みませんでしたね。あれだけ医者医者と言っておきながら。