Twitter 1文字アカウントって本当に何万ドルもするの？

2014/02/05 [ Twitter ]

先日、5万ドルの価値を持つという稀少なTwitter1文字アカウント @N が
第三者によるソーシャルエンジニアリングによって譲渡を余儀なくされた

…という話が出回りました。

50,000 ドルの価値がある Twitter アカウントが盗まれたその経緯 – にぽたん研究所

最初にこの話を見たとき @mat氏のことかと思ったら違うし
同様にジャックされそうになった @jb氏の話（譲渡提示額は50万ドル！）も出てきて
最後は人間って話ほんと怖い。

先着順で好きなアカウントが取れるTwitterでは
文字数が少ないアカウントって確かにそれだけで人目を引くし
実際、自分がフォローしてる3文字アカウントの方も
「パスワードリセットを促すメール良く来る」って仰ってました。

ただ、個人的には「そのようにして奪ったアカウントをどう活用するのか？」
…という点が気になりました。
現状では人の目がありすぎて今すぐ正常に運用することは難しいでしょう。

正直、数万ドルの含み価値があると言われても
それを行使できないのであれば意味が無いのだし。

1文字アカウントの登録状況を調べてみた

最初に@mat氏の話を見たときは「そんな話があるのか」と思った程度でしたが、
度重なる類似事件を見ると実は知らない間に中古アカウント市場があったりして。

…と思ったので1文字アカウントの登録状況を調べてみたところ
自分の予想と違って味わい深かったのでまとめてみました。

【2014/02/04 現在】（特殊状態であるアカウントの属性は取得できないため空白）

追記

【2014/04/24】@i　ユーザ不在

Twitterのユーザ管理について

Twitterをご存じない方のために書いておくと、
TwitterのユーザIDは3段構造になっています。

１：いつでも変えられるスクリーンネーム（重複可）
２：＠で始まり、いつでも変えられるユーザアカウント（重複不可）
３：表から判りにくく変更できない数字のID（重複不可）

一般的にTwitterアカウントと呼ばれるのは2番の文字列です。
世界中のTwitterユーザの中でその文字列を名乗れるのは一人だけですが
変えたくなればいつでも変更できて、空いた文字列は別の人も使えます。
（今回の@N氏がこのケース）

ただ、内部的には3番のIDで管理されているので、
名前を奪ったからと言ってごっそりフォロワーまでかっさらえるわけではありません。

短いアカウントの売買市場は本当にあるの？

予想では

「ガジェット好きなアクティブ古参ユーザ」
「後乗り商用アカウント」
「完全放置の古いアカウント」

の3パターンに分かれるかと思ったんですが思ってた比率と違って意外でした。

ざっと見た限りでは割と古参ユーザが多い印象です。
それでいて月に数回ぽつぽつツイートする程度の人が大多数で
アクティブに使ってる人は一握りだし、もっと転売組がいても良さそうだけど。
実際に何万ドルも払う人なんて存在しないだけじゃないのか。(^^;

もっとも、これはAPIから見えるIDの登録日を見てるだけなので
古くから使われてるIDでも最初から1文字だった保証はないです。
パスワードごと平和裏に譲渡されたアカウントって可能性もありますし。

それでもこの表を見る限り、少ない文字数だから商用価値があるとは
とても言えないんじゃないかなってのが正直な感想でしょうか。

まとめ

ここで改めてクラックを受けたメンバーを見れば
＠N の元の所有者である ひろしま氏は著名アプリEchofonの開発者だし
＠jb 氏はWeb系サービスの経営者だし
＠mat 氏もネット系ライターだったりします。
騒ぎが大きくなるのは火を見るよりも明らかでしょう。

この場合はむしろ、奪ったアカウントが直接利用できないことに
大きなデメリットはないのかも知れません。
付加価値はあらゆるものに発生するのでしょうし。

犯人サイドがアカウント狙いと言っておきながら、
そこに価値を求めてない（としか思えない）あたりインターネッツ怖い。

星新一 悪魔のいる天国(新潮文庫) 【楽天】 / 【Amazon】 N氏…。

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初稿発表：2014/02/05
最終更新：2014/04/24

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