中国:南京大虐殺と従軍慰安婦資料、世界記憶遺産に申請

毎日新聞 2014年06月10日 20時08分

 【北京・工藤哲】中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)副報道局長は10日の定例会見で、中国政府が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に対し、旧日本軍が関与した南京大虐殺と従軍慰安婦に関する資料を世界記憶遺産に登録する申請をしたと明らかにした。

 華副局長は会見で、申請した資料について「非常に貴重で真実のものであり、歴史的価値を持つ。申請基準を完全に満たしている」と主張、「人類の尊厳を守り、人権侵害や非人道的行為を二度と起こさないためのものだ」と述べた。申請時期には言及しなかった。

 韓国の聯合ニュースによると、中国外務省は申請に関する聯合の問い合わせに対し、中国が単独で申請し、資料は全て中国国内で見つかったものと文書で回答した。聯合は、中国外務省が4月末、外国メディア記者向けに吉林省公文書館(長春市)で公表した資料が含まれるとの見方を伝えている。

 公文書館は4月末に日本メディアなどを対象に記者会見した際、関連資料について「中国の専門家ら60人ほどで発見したもので、日本を含む国外の専門家は招いていない。我々の独立した研究成果だ」と述べていた。

最新写真特集