五輪スノーボード:竹内、自ら志願し「ひろしま観光大使」

毎日新聞 2014年02月19日 21時59分(最終更新 02月20日 07時13分)

勝運を招く縁起物とされるしゃもじを手に竹内選手に声援を送る広島県庁職員ら=広島市中区の県庁で2014年2月19日午後8時8分、加藤小夜撮影
勝運を招く縁起物とされるしゃもじを手に竹内選手に声援を送る広島県庁職員ら=広島市中区の県庁で2014年2月19日午後8時8分、加藤小夜撮影

 ソチ冬季五輪のスノーボード女子パラレル大回転で19日、広島ガス(広島市)に所属する竹内智香(ともか)選手(30)が快挙を成し遂げた。竹内選手が「観光大使」を務める広島からも祝福の声が上がった。

 「竹内さんの銀メダルが、日本のウインタースポーツに明かりをともしてくれた」。2011年2月に広島県北広島町のスキー場「やわたハイランド191リゾート」で開かれたスノーボード大会で、竹内選手の技術を目の当たりにした支配人の作間克政さん(65)は興奮した様子で話した。

 作間さんは、竹内選手の切れ味鋭い滑りが目に焼き付いているという。「彼女はスノーボードの競技者の育成に対する思い入れが強く、大会への海外選手の参加にも尽力していた」と振り返る。「今回の銀メダルが、若い世代が後に続くきっかけになってくれれば」と話した。

 竹内選手は広島県尾道市のしまなみ海道で自転車のロード練習をしたり、親戚が広島市にいる縁で、自ら志願し冬季観光を盛り上げる「ひろしま観光大使」を務めている。広島県庁では、観光課の職員らが勝運を招くとされる宮島(同県廿日市市)のしゃもじを手に応援。決勝2回目の途中で転倒し、惜しくも金メダルこそ逃したが、岡崎泰充・観光課長は「胸が熱くなった。僕たちも感動を与えて世界から選んでいただけるような観光づくりを目指したい」と話した。

 広島ガスでも、会議室で社員約120人がテレビ観戦。竹内選手と交流のある同社バドミントン部主将の小池温子さん(29)は、目に涙を浮かべ「前しか向かない姿勢は今回のレースにも現れていた」と健闘をたたえた。岡本彩・広報グループ係長(42)は「竹内さんは大のお好み焼き好き。広島のお好み焼きが力になっていたら、うれしい」と語った。【中里顕、加藤小夜、高橋咲子、渡部宏人】

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