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国際
中国「韓国と共闘」に傾斜 習主席 訪韓の“手土産”
中国政府が「南京事件」や「慰安婦」に関する資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に登録申請したことは、日本に対する「歴史戦」の一環であると同時に、近く韓国を訪問する習近平国家主席による、朴槿恵(パククネ)大統領への対日共闘の“手土産”の意味合いもあるとみられる。
保守派と軍を主な支持基盤とする習近平指導部は、2012年11月の政権発足当初から反日姿勢を鮮明にしてきた。しかし当初は主に尖閣諸島(沖縄県石垣市)で強硬姿勢を打ち出したが、日本への領海・領空侵犯は国際社会から「挑発行為」と受け止められ、広い支持を得られなかった。
そこで習指導部は、昨年12月の安倍晋三首相による靖国参拝を受け、日本批判の中心議題を歴史問題に切り替え、第二次大戦の戦勝国に呼びかけて対日包囲網を構築しようとしている。
ただ、これまで中国が日本に対して主張してきた戦争被害は、南京事件や戦時中の経済的損失などが中心で、韓国と違い、慰安婦についてはそれほど強く訴えてこなかった。中国各地には元慰安婦が存命だが、メディアに取り上げられることは少ない。
理由の一つは、中国政府は民間の組織が政治的影響力を持つことを嫌っているためで、数年前に反日団体の関係者が元慰安婦をまとめる組織を立ち上げようとしたところ、当局に阻止されたこともあった。
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