「美しすぎるSB」なでしこ小原由梨愛選手「夢は来年のW杯出場」
Web東奥 6月10日(火)13時25分配信
「チャンスをつかみ、ワールドカップ(W杯)に出る」。5月のアジアカップで本県出身選手として初めてサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」入りした十和田市出身の小原由梨愛選手(23)=アルビレックス新潟レディース=が9日までに新潟県内で本紙取材に応じ、代表定着へ意欲を語った。代表デビュー戦でフル出場したものの納得のいく活躍はできず、悔いが残った。来年開かれる女子W杯出場を目標に「スピードを生かしたプレーでアピールする」と意気込む。
女子日本代表がアジアカップ開催地のベトナムに出発する2日前、病気で不参加となった選手の代役として急きょ、追加招集された。「うれしさよりも、緊張のほうが大きかった」(小原選手)という。
代表デビューは1次リーグ最終戦のヨルダン戦。なでしこのスタメンとして念願のピッチに立った。ポジションはDFで右サイドを務めた。武器のスピードを生かして前線に駆け上がり、何度もゴール前へクロスボールを上げた。
チームは7−0で大勝。しかし、小原選手のアシストはゼロに終わった。精度の高いクロスボールを上げられず、そのままゴールラインを割ったり、相手ゴールキーパーに捕られてしまう場面もあった。「チームは7点取ったけど、(自分は)直接、得点に絡めなかった」。試合を振り返り、出場の喜びよりも悔しさをにじませた。
サッカーを始めたのは小学4年生のとき。兄の試合の応援に行くうちに「ユニホームがかっこよくて自分も着たいな」と思ったことがきっかけだった。
当時、県内では女子選手が少なく、所属した十和田北園サッカースポーツ少年団では初めての女子選手だった。周りはすべて男子選手という中で、俊足を武器に、レギュラーとして県大会優勝も果たした。
中学校のサッカー部では女子の入部は認められなかったが、サッカーのために、陸上部で脚力を鍛えた。「ただ純粋にサッカーが好きだったから」という。
日本女子サッカー最高峰のなでしこリーグでのプレーを目指し、高校は強豪の常盤木学園(仙台市)を選んだ。県外への進学を家族も背中を押してくれた。3年時には全国制覇を果たすなど結果を残し09年に同リーグの「アルビレックス新潟レディース」に入団。入団初年度から同リーグの試合に出場した。けがに悩まされた時期もあったが、年代別代表で世界大会に出場するなど着実に成長してきた。
新潟とはアマチュア契約のため、平日は新潟市内の農協に勤務し夕方からチーム練習、休日は試合と、多忙な日々を送る。念願のなでしこジャパンデビューを飾ったが、慢心はない。「今回は追加招集で選ばれただけ。代表選手の中で自分の実力は下の方だと思う」と冷静に分析する。
日本はアジアカップを初制覇し、上位5チームに与えられるW杯出場権も獲得した。今後は国際親善試合や海外遠征などを経て、W杯メンバーが選出される。「まずは精度の高いクロスボールを上げられるよう、日々の練習に励む。そして、リーグではスピードを生かしたプレーで得点に絡む回数を増やし、存分にアピールしていく」。来年6〜7月、カナダで開かれるW杯に、思いをはせている。
<小原由梨愛(おばら・ゆりあ) 十和田市立北園小4年からサッカーを始める。三本木中では陸上部に所属、3年時にはサッカークラブ「五戸町スポーツクラブ」でプレー。常盤木学園高を経て、アルビレックス新潟レディースに入団。1年目から活躍し2010年にはU−20(20歳以下)女子日本代表として「U−20女子ワールドカップドイツ大会」に出場。ポジションはDF、MF。161センチ、52キロ。23歳>
東奥日報社
最終更新:6月10日(火)13時25分
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