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書籍デザイナーに未来は無い

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 芸術学部 芸術計画学科 哲学教授
純丘曜彰 教授博士/営業/マーケティング
1.0
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2014年6月10日 11:29

/バブル時代、デジタル化で編集技術が飛躍的に向上し、書籍デザイナーという商売が爆発的に出版業界に食い込んだ。しかし、電子出版では、テキストデータ以上の余計なものは、あえてきれいに削ぎ落とされる。読者が本に求めているのは、見てくれのデザインではない。言葉、物語、感動だ。/

 電子出版になって驚くのが、書式の簡素化。つまり、本が純粋なテキストデータに戻って行っている。文字の大きさはもちろん、フォントや字詰めのような余計な書式が、アップロードで、きれいに落ちる。へたにややこしい書式があると、ひっかかってアップロードできない。ようするに、そういうものは、読者側には必要とされていない、という、電子書籍メーカーの判断だからだろう。

 とにかくひどかった。自分もその末席で仕事をしてきたが、書籍デザイナーとやらは、本の著者よりも、はるかにギャラが高かった。著者が数ヶ月、数年もかけて丹念に推敲を重ねても、若造の前読みに投げ捨てられ、出版会議でボロXソに貶され、さらに編集者や校正者の赤チェックに応じて何度も何度も書き直し、それでようやく、出版してくださる、出版していただける、というところまでたどりつく。しかし、今の時代、初版部数も知れている。実売部数となると、さらに少ない。印税は10%、どころか、ちかごろは8だの、6だの。おまけに、支払いは、半年後の実売部数で、なんていう、シミったれた出版社もある。一方、デザイナー。よほど奇妙な変形大型本でもなければ、どのみち、一般書籍の基本フォーマットなんて、ほぼあらかじめ決まっている。だから、編集者と打ち合わせして、ちゃちゃっと思いつきで、一晩仕事。これで、終わり。振込待ち。

 いや、本なんて、売れる売れないはデザイン次第、中身なんか関係が無い、と豪語する編集者さえいる。実際、マンガみたいな、ちゃらい表紙に換えたとたん、バカ売れした本は少なくはない。とはいえ、そこまで言うなら、表紙の絵、だけの問題で、紙質がどうこう、フォントがああだこうだ、字詰めが、レイアウトが、なんて、それも関係が無い。というわけで、電子書籍は、そういうのを、ぜんぶ取っ払ってしまった。デザインとして残ったのは、せいぜい表紙だけ。本体については、電子書籍リーダーとしての統一的な基本フォーマット、もしくは、読者自身が、自分の好み、自分の気分で、デザインを選べる。商品としての本は、純粋にテキストデータのおもしろさだけで勝負することになる。

 バブルのころ、出版技術もデジタル化で飛躍的に向上し、編集者上がり、デザイナー上がりの著者がエッセイから小説にまで出しゃばってきて、クォーク上でのややこしいレイアウト操作を駆使して、見た目ばかり、文字面ばかりの「作品」を量産してきた。その化け物が、赤文字系のファッション雑誌。縦組みと横組みに、ありとあらゆる奇矯なフォント。これでもか、という押しつけがましい写真やイラストのレイアウト。

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