[PR]

 他国を武力で守る集団的自衛権について、政府が閣議決定しようとする案の骨格が分かった。1972年に出された政府見解を根拠に、歴代政権が使えないと禁じてきた憲法解釈を変えて、集団的自衛権の一部を使えるように理屈づけしている。しかし、その理屈は、見解の一部を切り取って読み替えたもので「行使は憲法上許されない」とした結論と論理矛盾をきたしている。

 政府は今回の閣議決定案で、72年に田中内閣が示した「自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置」を認めるという政府見解を根拠にする考えだ。

 政府は今回、この見解が日本の防衛に関係する集団的自衛権の行使は否定していないと解釈。閣議決定案では、この見解を使って「我が国の存立を全うするために必要な自衛のための措置」に限って集団的自衛権を行使できると明記する考えだ。

 安倍晋三首相は9日の参院決算委員会で、この見解に触れ、「この中に個別的自衛権は入るが、集団的自衛権は丸ごと入らないということだった。しかし果たしてそれがすべて入らないのかについて研究している」と語った。

 また、政府関係者によると、集団的自衛権の行使は「自国防衛」に関係することを強調するため、閣議決定とは別に「指針」を設ける。どういう事態が起きたら集団的自衛権を使うかの要件や、使う場合でも「原則として他国の領域には派遣しない」などの歯止めを記すことも検討している。